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よもやま話

更新2023.11.22

マセラティ430接触事故に遭う!

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中込 健太郎

私の元にいるマセラティ430ですが、実は先日接触事故に遭ってしまいました。

立ち寄りの温泉施設で久しぶりにマッタリしておりましたら、どうも主を駐車場で待つクルマたちも風呂に入りたくなったらしく、お釜を掘ってくれてしまいました、という冗談はさておき、こういうときは当事者は凹みますね。そしてそうそうありふれたクルマではないだけに、当然不安にもなるものです。しかし、このときの心情が、振り返ると少し意外だったので、それについても触れたいと思います。

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温泉からあがってクルマに戻ると「あれ?」

クルマの仲間と集い、せっかくだからと大好きな御殿場市温泉会館(http://gotemba-onsen.jp/)に行くことにしました。ここは御殿場市ですが要は箱根へ上がっていった途中にある温泉で乙女峠の源泉が3泉ブレンドされています。とっぷりと暖まりますし、クルマでお出かけの方にしてもあまり湯あたりなどもしにくいように思えるため、日曜日の午後の渋滞はここでやり過ごすことが多いのです。その日は友人を誘ってそこを訪れていました。

お湯に入り、名物の温泉卵(50円)を食べてクルマに戻ると、「ああああ、あれ?凹んでる・・・・」あのときは、ぽっかりと何が置きたか一瞬わかりませんでした。ショックというか、なんとなく寂しい気持ちがしたものでした。するとおじさんが一人飛んできて「オーナーの方ですか?自分が出るときぶつけてしまいまして」と困ったような様子。すでにご自分の連絡先を書いた紙を用意されていて、すぐに警察を呼びましょうと手配してくれました。

その方は都内の住所。日産キャラバンでお仕事で前乗りして来た際に寄ったそうです。そのときにマセラティは枠には収めていましたが、出るときに巻き込んでしまったということでした。

クルマは「人柄を映す鏡」

しかし、今に至るまでちょっと意外なのは今までに無いくらい冷静でいられるということ、そして、心安らかに待っている自分がいるということです。正直何度かこういう接触事故には遭いました。私がぶつけたことだって昔は何度かありました。しかし、そういうときもどこか、明らかに自分に非があるような場合でもどこか相手に「・・・」上手く言葉では言えない含むところを感じていたものでした。それが今回無いのです。

自分の中ではこのクルマは大事ですし、結構このクルマで翻弄されていることもありました。そして、今の自分にとっては不相応なくらいでもあるし、そういう意味では自慢の愛車、というよりは、どうにか維持させてもらっているという感覚さえあるクルマです。そのクルマを停めておいてぶつけられたというので、もっと「困るんだよな」とか昔の自分ならなっていたかもしれないと思うのですが、それが無いのです。

一つには相手の方の対応というのがあると思います。迅速に誠意で対応して下さったことはやはり、それでも嬉しかったです。そして、保険会社からも速やかにご連絡を頂き「こちらで対応させていただきます」という風に言っていただけたので、こちらは確かに負担はありません。その意味では当然と言えば当然ですが、不安はだいぶ低減されました。ぶつけたらぶつけた人も凹みますが、ぶつけられたって精神的にはそわそわするものですよね。それを取り除いてくれたのはありがたいですね。

でも明確に思ったのは、「ぶつけられた相手の方にかえってお気の毒と思う気持ち」でした。自分のクルマをぶつけられたのですからそんなのは大きなお世話かも知れません。ちょっと変かなとも思います。しかし、です。私は友達と好きなクルマのイベントに参加するので訪れていました。その帰りにふらりと寄った温泉ですが、あちらの方はそんなときにお仕事でごてんばを訪れていたのです。せっかくの機会だから「労をねぎらい汗を流そう」として立ち寄られたのです。マセラティ430は希有なクルマですが、見方を変えれば厄介なクルマかもしれません。日曜日で混んだ中そんな「へんてこりん」なクルマの隣しか空いていないから停めて出るとき引っ掛けてしまった。普通の国産車だって面倒な接触事故。まして「わけのわからん」と思われても仕方ないのです。

マセラティだろうがなんだろうが、街の中を走っていたらただのクルマです。という前提に立てば、車種によるそういった「めんどくささの度合い」はかえって浮き彫りになることもあるでしょう。事故をすると凹むのはクルマだけではありません。人間の気持ちも凹むものです。そして、ぶつけられたものの感情はもちろん「やられた」という重いがあるのですが、気持ち的に「サガリ」「萎縮」するのはぶつけた方なのです。

そんなことに思いが至ったとき、職人さんである彼の仕事へのテンションは?せっかく御殿場に来たから、という仕事であっても多少楽しみにの要素にしていたかもしれない温泉の思い出にケチがついたかも?自分も温泉が好きなだけに、なんだかかえって気の毒に思えてきたのです。

車種的にも「〜に乗っている人は・・・」とレッテルを貼られてしまうこともありますが、それ以前に、クルマで道路に出たら、素顔をさらして社会に出ているのと同じだよなあ・・・そんなことを感じました。今は「プライバシーを守ろう」といって最小限のペルソナの開示でことを済まそうと、良くも悪くも世の中が個人を特定できないしくみになfりつつありますが、クルマに乗っているということは、「一人一人」「一台一台」が社会人代表なのだなあ、と改めて感じ、考えさせられた体験でした。

そう自然に思わせてくれたのはマセラティに乗るようになってからです。なんだか強烈な押し出しこそないですが、端々に作り手の魂を感じるのです。見かけばかり乃高級車はたくさんあります。しかし、乗る人を律するほどに整然としたメッセージ、高貴な空気で満たせてくれるのはあの430のおかげだと言わざるを得ません。

こんなはずじゃなかったのです。アルファロメオ156の左ハンドルとか見つけたらそんなのでイタリア車をかじって見ようかと思っていた私の元に、このクルマが来たのは想定外のことでした。しかし、このことは精神的に多くのことをもたらしてくれたと思うのです。ですから今回しばらく乗れなくなるという点はもちろん大変残念なところです。

目立つクルマだからちゃんとしようではなく、社会に出ている自覚を持ってドライバーとしての振る舞いをしたいものですね。マセラティが来てから、「がんばるくん」な走りの軽自動車にもすっと道をあけたりするようになったこともあって、ノブレスや徳をあのクルマがもたらしてくれたような気も、それはそれでするのですが。

それにつけても「クルマはコミュニケーションツールだ」

しかし、マセラティ430、相変わらずのコミュニケーションツールっぷりを発揮しておりました。相手の方が警察に電話して相手のクルマは?と聞かれ「マセラティ430」と答えたのに続き「フェラーリじゃなくて」とか言っていたところを聞くと「F430」と勘違いしていた可能性大ですね。そして警察を待っている間も、そのキャラバンを運転されていた方、「珍しいのお乗りなんですね、部品でますか心配です。それも申し訳なくて。。。親戚がこの時代のランチアに乗っていて、結構ダイヘンだったみたいで。。。」と、かえって部品調達まで心配してくださったり、パトカーで来たおまわりさんまで「こんなマセラティなかなか見ませんよね」と話しかけてくるなど。それなりにキャッチーで、そういうところでコミュニケーションの仲立ちになっている度合いではなかなか替えの効かない一台でありました。

それにしても、ぶつかるというのは稼働している証拠でもあるのですが、走れども走れども停まらないビトゥルボ系マセラティって。。。(時々高速走行の直後にヘビーな渋滞にはまると、停止したときに、かぶり気味でエンストしたりすることはまれにありますが)我ながら感心します。また修理から治り次第連れ出そうと思います。

そして、明日は我が身、いつ被害者ではなく加害者にならないとも限らないので日々注意していきたいと思いました。

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