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よもやま話

更新2023.11.22

第44回東京モーターショーの最終週は、富士スピードウェイで笹本健次の背中を見つめてきた

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中込 健太郎

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AM4:45集合!普段なら寝る時間。サーキットの朝は早い…

第44回東京モーターショーの最終週にあたる11月6〜8日の3日間は、富士スピードウェイで過ごしました。11月6日と7日の2日間は「AUTOCAR JAPAN フェスティバル 2015」のお手伝いで、8日は「ハチマルミーティング2015」の取材のため、富士スピードウェイにいたのです。クルマ好きなので、こういう暮らしは悪くないです。正直にこれだけでもとても嬉しい出来事でした。しかし、この週末の動きを振り返ると、今のような暮らしをしていく上で大切なこと、いつまでも忘れてはいけないことを再確認するような、そんな週末だったように思うのです。今回はそんなことを少し書き留めておきたいと思います。

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せっかくなので、朝を独り占めしてやろうと思った!

僕のフリーランスの原点は「クルマに向き合う」こと。

最近ではどうにか少しずつ自分の居場所もできてきたかな、そう実感できるようになりました。このカレントライフもそうでしょう。大好きなクルマのことを書いて発表できる場があること自体も有り難いことですし、その上で、イベントや会合で「中込さんですか?あの記事拝見しました。」とか声をかけてくださることもしばしば。それは純粋に喜ばしいことではないでしょうか。書いても書いても読んでいただいている方からの反応が無いほど、寂しいものではないのです。こういう風に声をかけてもらうことは、寂しくないと言う以上に「クルマと向き合って」いるうちに「人が集ってきた」ということに他ならないでしょう。これが嬉しくてしょうがないのです。

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ここでの内容とは関係ないが、コンパクトに見えるアストンマーティンのデザインは秀逸!

自動車は移動手段ですが、いつも一緒だし、困難を可能にしてくれます。人間が気軽に利用できるもっともパワフルな機械だと思うのです。そこに心を寄せ、愛着がわくと、いつしか単なる冷徹なマシンではなくなり、相棒であり、愛玩の対象になり、愛おしくなる。クルマの趣味の根本はそういうところなのではないかと思うのです。ですからそのまわりに集う仲間とは、他のこととは違う絆があるように思うのは、私がいささかクルマに入れ込みすぎているからでしょうか?しかし、そういう「人の心を動かす」何かがあるからこそ、自動車が「クルマ」として、わたしたちの傍らで暮らしに彩りを添えてくれるのではないでしょうか。

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一般人がお金を出せば買えるアストンマーチン ヴァンテージ GT12。交通整理ということで、最前列で人柱になりながら見ていたのは私です(笑)

そんな思いは常に持っておりましたが、会社を辞め、少しずつ活動の場を探しはじめた頃、早々に友人の竹門さんを通じて参加させていただいたのがオートカージャパン主催の「ザ・コンクールデレガンス・ジャパン2013」(ザ・コンクールデレガンス・ジャパン2013についてはこちらをご覧ください)の運営スタッフでした。いろいろなことがとても不安な日々、まずはそれを払拭しようと思い、全力で事前準備のお手伝いから、撤収する最後・・・その瞬間まで参加させていただくことにしたのです。大好きなクルマ、しかも強烈な歴史とストーリーを背負ったクルマ。すべてが「走るパワースポット」のようなクルマです。そのそばにいれば気もまぎれる。何か切り替えて再スタートを切るには良い機会だ。正直最初はそれくらいの気持ちで参加しました。

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ルノーはイベントなどもあって、家族でサーキット体験ができるのが楽しいですね

しかし、そんな「クルマのそばに居られる」という我欲で参加してみて、そこに集う人がみなクルマを想い、その中の絆を大切にする人が多かったことに気づいたのです。クルマの周りには笑顔があふれ、最善を尽くし、クルマのことには手を抜かないそういう人が集う。そしてそういう人間関係の中に外に対する優しさや、おおらかさ、内に対する厳しさのようなものを自然とにじみ出させる何かがあるのです。いいクルマとのふれあいは人を律し、人を高める。そしてそういうときの感覚で、すべてのクルマに、またそのクルマを愛する人に向き合うと、そこに楽しい時間が生まれるということを体が学んでいたのです。
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アストンマーティンには納得させる何かがある

その流れで、以降、オートカージャパンフェスティバルの時期になると、できる限りイベントのお手伝いをさせていただくことにしています。これからも可能な限りさせていただきたいと思いますし、すると思います。私にとって、「お手伝い」以上に、自分の原点を反省する機会でもあるのですから・・・。

笹本健次の背中を見る。
今の日本における自動車をはじめとした「乗りもの・趣味の書籍・雑誌をはじめとするコンテンツ」の半分はこの人が作ったのではないでしょうか。笹本さんのご活躍は子どもの頃からよく知っていました。そんなとき、たまたま親戚に笹本さんの会社と取引のある人がいて、その人から「趣味のこだわり」とは違った『クオリティ』へのこだわりについて「すごいんだ」とよく聞かされていたりもしていたので、単なる憧れ・盲目的な傾倒というのではなく、間違いなくこの世界で尊敬すべき人の一人なのだろうなとは感じていました。しかし、そうはいってもなかなかお会いする機会も無く、尊敬をするもしないも一方的なレベルを出ない、「存じ上げている方」だった笹本さん。例のコンクールデレガンスのお手伝いをしたときに初めてお話を少しする機会ができたのです。

良く「この人と付き合って何の得があるのだろう」というような話が出ることがあります。でも何となく、こういう感覚に陥った時点で、きっとお互い一緒に何かをするべきではない人間関係なんだろうな、と思ったりもするのです。その点、笹本さんはリーダーシップと一言で言うのは簡単ですが、「下のものに押しつけるだけ」の人ではないし、それ以上のことを自分で実践、突っ走る方だなあと感じます。

現在は歴史ある自動車メディアを日本で展開するAUTOCAR JAPANを率いておられます。そしてその中で、リアルのイベントとして開催している「AUTOCAR JAPAN フェスティバル」斜に構えて見れば、いい大人が夜明けから虚偽にしか使えないクルマをサーキットに持ち込み、競うのです。

いかがなものかと思う人も少なくないかもしれません。

しかし、笹本さんは自らレーシングスーツに身を包み、全力で走ります。誰よりも本気なのです。そしてその中から仲間ができて、人間関係が生まれるのをおそらくご存知だから、自然とそうなるのではないか、私はそうにらんでいるのです。私は若輩ですので誘導でも荷物の移動、設営等をお手伝いいたします。しかし、私の前を何百台、何百人が通り過ぎて集まり、再び私の前を通過し家路につく頃に皆の表情の明るいこと。いつしか自分のイベントであるかのような感覚になり「さようなら、ありがとうございます、気をつけて!」などと手を振ったりしている自分がいるのですが、決してマニュアルで「帰りは手を振ってお見送り」という決まりがあるわけではありません。でも、あの場に立つと自然とそうなるのです。私も不思議です。

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事務的にフェラーリF50がある、というような光景もこのイベントならでは。基本的には走るためのクルマ。

AUTOCAR JAPAN フェスティバルは「笹本健次の背中を見る会」だと思い、個人的には望んでいます。お金をかけたから偉いとか、かけないからダメ、とかそんなことではなく、とにかく「先頭で実践してきた」。これは間違いないことではないでしょうか。いつまでもそれではダメなんでしょうが、でも「ああいうおじさんになりたい」と思える人のそばにクルマがいる。クルマが集まる。この事実自体が、私は正義だと思うのです。

高いクルマを買わないとダメなのは文化だろうか?

他方高いクルマを買って安いクルマに乗った時と同じだというところにも文化はあるだろうか?

問題はそこではなく「自分はクルマが好きだ、だから来た」という場所がある。来てみるとそれそれぞれの楽しみ方、世界がある。まさにAUTOCAR JAPAN フェスティバルはそんなイベントでは無いでしょうか。

「クルマ文化を語る」上でどこに行くか、は大事なことだと思うのです。週末何となくそんなことを考えさせられたものでした。いい体験ができ有意義でした。
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早い人は明け方に到着、早速我々も準備に入ります

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設営が一段落して食べるレストラン「折り鶴」の焼きそばカレーも美味

オートカージャパンフェスティバル2015

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