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試乗レポート

更新2023.11.22

フォルクスワーゲン新型ティグアンを試乗。SUV=Social Utility Vehicle というスタンス

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中込 健太郎

ソーシャルなんちゃらというのおおいですよね。ソーシャルネットワークサービスを活用して、ということなんで、その略が多いのですが、「ソーシャル」だけ独り歩きするとやや間抜けな印象、ありませんか?「社会的~」そもそも現代社会において、社会的ではないもの。そうそうないのではないでしょうか。まあ、昔文化包丁、文化住宅など「文化」がなんとなく幕開けした「次の時代のスタイル」の象徴として用いられたようなものなのかもしれません。

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さて、最近ではクルマもソーシャルな機能を持ったものはかなり増えてきました。手ごろなサイズのフォルクスワーゲンのライトなSUV「ティグアン」もそんな一台と言っていいでしょう。Volkswagen Car-Netなるシステムが搭載されています。

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最新の施設情報などのナビ機能のほか、ニュース、天気、ガソリンスタンドを距離順に案内するくらいは今までもありましたが、リアルタイムの価格順で並べたりすることもできるのです。音声入力を利用すれば、タッチパネルを操作することなく、ドライブ中でも検索することもできます。

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▲試乗会では参加者に課題が出題された。試乗時に検索して検索結果(下)を携帯で写真で撮って見せると、ミニカーがもらえた。

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しかしそれとは別に、新時代の自動車として、大事なことのメッセージとして嫁ぐオーナーに向けて持っているように感じたのです。報道陣向けに開催された試乗会が目黒雅叙園をベースに開催されました。このこと自体にもそのメッセージは込められているような気がするのです。

「都市生活に寄り添うアーバンなパッケージ、クルマのアドヴァンテージをまずメディアの方に感じていただきたかったのです。ロングドライブ、ある程度しっかりとした走り込みは広報車をご用意したのち、個別にじっくり確かめていただくとして。アイドリングストップも勿論します。Volkswagen Car-Netで渋滞回避・脱出もできます。アイポイントが高く、案外小回りも効くという都市での適応能力はちょっとしたものだと思っています。一台愛車を選ばれるときに躊躇なく選べるクルマになったと思っております。シャープになったフォルムと、アクティブなキャラクターを演出するアピアランス。そしてご要望の多かった、トランクの容量もクラストップレベルになりましたので実用性で選んでも頼もしい一台になっていると思います。」

フォルクスワーゲンの広報池畑さんはそんな風に話してくださいました。ティグアンの試乗会を都心で開催した理由はこのクルマのキャラクター故、という面も大きいようです。

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▲フォルクスワーゲンの「名物」広報、池畑さん。クルマの話をしだすと止まらなくなって、お仕事の邪魔になってしまうこともしばしば(笑)自身もビートルを愛用する、エンスージアスト。自動車業界ではしばしば、ただ好きなだけではなく、熱意があって行動力のあるカーガイに出くわします。

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今回はタイミングよくお誘いいただけましたので、筆者も試乗会にお邪魔し一回りさせていただくことにしました。

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まず、第一印象としては「パサートワゴンのチョロQ」というのが率直なところでした。これは決して嫌味はありません。むしろ好ましいなと感じました。すっきりとしてさっぱりとしたプレスティッジも感じさせる現行パサートのデザイン。個人的には大変好感を持てるものです。それをさらに凝縮させたような印象。大きなホイールがチョロQを想起させたのかもしれません。コンパクトなSUVティグアンですが、当初導入されるモデルはガソリンのFFモデルのみです。

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試乗会でも多くの人が質問していたようで、間髪を入れず「4WDも導入しますよ。ただ、本国でもかなり受注が多いようで、そんな中日本にもできるだけ早く導入したいという思いもあって、用意できるモノを限られた生産枠の中で用意した結果です。」と池畑さん。個人的にはディーゼルモデルも期待したいところ。いろいろあったけれど、何と言おうと日本における輸入車のディーゼルモデルと言えば、メルセデス、プジョー・シトロエンとともにフォルクスワーゲンだ。ほかの2ブランドはかなりそろってきて、ボルボなどもいいモデルを導入した今、いろんなことがあったけれど、ブランドのキャラクターを考えてもフォルクスワーゲンのディーゼルモデルはどうしても期待してしまうところです。想像の域を出ないが、そんなことも視野に入れて、一番「穏便な仕様」がまず日本に来たという印象をもちました。

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首都高に目黒から乗ってレインボーブリッジで台場へ。ここは首都高速の中でもかなりカーブの多い箇所です。高速道路と呼ぶのをためらうほどの急なカーブです。しかし、こういうところでフォルクスワーゲンの良さが光ります。切った分だけ鼻先が向きを変える。しかもかなり繊細な操作に追従するのです。SUV、大きなものを動かしている、乗せられている。そういう感じは極めて希薄。試乗したR-Lineは一番大きな19インチホイールを履いていて、重たいものを動かしている印象はあるものの、クルマ全体の軽やかさをスポイルするほどではなかったのです。3グレード用意され、Highlineには18インチ。Comfortlineは17インチのホイールを履いている。それらの乗り味が俄然気になる、そんな感じでした。

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戻る際は下道でレインボーブリッジを渡り芝浦へ。桜田通りを慶応大学ではなく、綱町三井倶楽部の前を通り南麻布へ。少し遠く、少し狭い道が苦にならない、そんなクルマでした。直線基調で車両感覚がつかみやすい。もはや幅はそれほど小さくはありませんが、その実寸がしっかりと把握できます。さらにしっかりとした車幅はしっかりとしたタイヤの舵角を確保しています。FFとはいえ、その舵角をしっかりとメーター内で表記され、狭い場所での繊細なステアリング操作を要する場合などでも心強いものです。

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返すころには何だか降りたくなくなっているのでした。このまま箱根くらいまでは行くでしょ?普通。そんな温度感でした。FFのみとはいえこのSUV、なかなか頼もしい一台です。そして大したSUVです。SUVと言っても、Sports Utility Vehicleではなく、Social Utility Vehicleと言ってもいい一台ではないでしょうか。Volkswagen Car-Netを装備しているコネクテッドカーという意味での、普通の意味のソーシャル的な機能も充実しています。しかし私が言いたいのは、いわゆるソーシャルネットワークサービス時代の感覚で活用させられるクルマとしての資質を感じたのです。

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ソーシャルネットワークでのつながり、それは体験を共有し、それに共感する人が響きあい、新たな発見や体験の連鎖が核になっているのではないでしょうか。そんな中でクルマが担う価値。それはそういう体験をより簡単に身近にさせる存在なのではないでしょうか。機動力を担保するもの、外出、お出かけを促すものでなくてはなりません。体験こそが財産であり、それがその人の価値を高め、言動の説得力を増す。ソーシャル時代の核心はそういうものであり、それを助ける頼もしい存在がクルマではないでしょうか。新しいティグアンはそういう一台に堂々と名を連ねるクルマではないでしょうか。

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初めての一台に、とっておきの一台として、ティグアンが相棒なら幸せに違いない。そう感じさせる一台でした。なんだか人気の出そうな予感がする一台でした。そして掌にのるようなちょっとプレミアムでちょっとアクティブなフォルクスワーゲン。僕も「いいな」と思ってしまったものです。

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