大排気量自然吸気エンジンの軽やかさは官能遺産!? キャディラック XT5 CROSSOVER プラチナムに試乗して感じたこと

公開日:Posted in 試乗レポート by

日本でアメリカ車が売れないというが、日本で売れないクルマを持ってくるアメリカのメーカーに売る気がないのでは?と思えてならない。右ハンドルを設定するとか、日本の路上にあったクルマをラインナップするとか、もっと営業努力をすべきだ。

トランプ政権発足後、日米間の外交交渉を論ずる一般メディアの論調に、こんな意見があちこちで見受けられた。

「いまさら右ハンドルで日本の道路事情に合ったサイズのアメリカ車など、誰が買うのだろうか。」

きっと優秀で一流大学を卒業しているのかもしれないが、この手の意見を目にするたびに私は落胆したものだ。こういう論調を展開する執筆者自身が、「そういうクルマが販売されればぜひ私も買ってみたい」という一文でも入っていれば、たとえそれがポーズであったとしても、ああなるほどなと思うが、残念ながらそういう文言は見つからない。というより、そもそもそんなことをいうはずがないのである。だってそんなアメリカ車には、魅力がないのだから。

そんなアメリカ車に一文の値打もないことはもはや公理と言ってもいいだろう。ただ、それぞれクルマを見ていけば魅力を感じる部分ももちろんあるが、こういうところでやり玉にあげるような、クルマのいいところに目を向けない人や気づけない人には、アメリカ車の良さは到底理解できるとは思えないのだ。

日本自動車輸入協会(JAIA)の試乗会

日本自動車輸入協会(JAIA)の試乗会に今年もお誘いいただき参加してきた。輸入車に乗るということは一番簡単にできる異文化交流である。私は常々そう思っている。大磯ロングビーチの駐車場にたくさんの輸入車が集まり、一気にその魅力を肌で感じることができるこの機会は、個人的にもとても尊い機会であり、異文化交流する上で楽しみにしているイベントの一つだ。

2月6日~8日の3日間開催された今年のJAIA試乗会。初日の最初にステアリングを握ったクルマが、キャディラック XT5 CROSSOVER プラチナムであった。新しいキャディラックのラインナップの中核を担うプレミアムSUVである。「左ハンドルのみのキャディラックのSUV」字面だけで前述のような論調を展開する記者諸兄には、毛嫌いされそうなクルマだが、それこそ、そういう人にこそ乗ってもらいたい。おおらかさすら感じるこの一台に、私自身も目が覚める心地を覚えたのだった。

自然吸気V型6気筒3600㏄エンジンをフロントに搭載

これだけでさっそく圧倒的に個性的だ。ダウンサイジングターボエンジン全盛の今、ハイテクの辻褄合わせでも、燃焼室の絶対的な大きさの魅力を完全に凌駕することはなかなか難しいのだと実感させられる。

8速ATとの相性も良く、2トンをわずかに切る、決して軽くもないボディを軽やかに、いつでも加速させられるのだ。何秒で何キロ/hに達するかという絶対的な数値的問題もさることながら、澱みなく自然な「加速感」フィーリングが格別。高級であるという自動車の挙動とはこういうことなのではないだろうか。

ボディも絶対的に小さいとはいいがたい。幅は1.9メートルを超え、全長も4.8メートルを超える。しかし、その実寸の方を疑いたくなるほどクルマをコンパクトにさせるのは、完全なFFにもFRにもなる優秀なAWDシステムと高い剛性を誇るボディが生み出すステアリングフィールの賜物かもしれない。ブレーキをかけてフロントに荷重を集めてステアリングを切ると、機敏に鼻先の方向を変えることが可能だ。ずっとコンパクトなクルマを運転しているような心地になるのだ。前輪が路面を捉えグリップし、吸い付くように舵を切るその様は、もっとずっと小柄なクルマを操っているかのようだ。

四隅が比較的掴みやすいボディと目線の高さも好印象

あわせて読みたい記事

この記事が気に入ったらCLに「いいね!」しよう

最新情報はFacebookページでチェック

この記事の筆者:中込 健太郎

大手自動車買取販売会社で、クルマの売買業務を経て、本社マーケティングチームに異動。WEB広告を担当し...