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メンテナンス

更新2023.10.18

プロに聞く!エンジン警告灯が点灯したときの対処法・NG行動とは?

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松村 透

運転免許を取得してからキャリアの長い方、いわゆる旧車を所有している方であれば、突然「エンジン警告灯」が点灯してどきっとした経験があるかもしれません。 「警告灯」だけに、普段は点灯しません。それだけに有事の際は冷静かつ的確な対処が求められます。点灯時には、何らかの理由でエンジン警告灯が点灯しただけの「誤作動」も含まれます(最近のクルマではレアケースだと思われますが…)。 よほどさまざまなトラブルを回避してきた達人(?)でない限り、突然エンジン警告灯が点灯したら焦るものです。 そこで、現場でさまざまな事例を見ている輸入車整備のプロフェッショナル・カレントテックセンタのS氏に取材をしてみました。


エンジン警告灯とは?


メーカーによって表示内容の意味合いが異なることもありますが、一般的にはエンジン本体または関連する部位でトラブルが起こっている場合に点灯します。エンジン始動後、ほんの数秒間点灯しているケースもありますが、これは正常なので問題ありません。 困るのは、移動中の信号待ちなど、出先で突然点灯したときです。よほど対処に慣れている(想定内といえるほど何度も経験している)場合を除き、安全な場所にクルマを停めてエンジンを停止。ハザードを点灯しつつクルマの後方から少し離れたところに三角板を立てて助けを求めることをお勧めします。


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エンジン警告灯が点灯したときの初期対応は?


エンジン警告灯が点灯した場合、エンジン不調などの症状を伴う場合と、それ以外の場合があります。いずれもそのまま走行することは避けてください。ロードサービス等を利用して診断機や設備の整った専門の工場へ入庫しましょう。警告灯が点灯したままエンジンの調子が悪くないからとそのまま走行していると、2次的な故障を引き起こすこともあります。できるだけ速やかに専門の整備工場へ入庫して診断を受けるのが望ましいです。 ●エンジン警告灯が点灯したときの連絡先 ・メーカー/インポーター等が運営する24時間対応のコールセンターに連絡 (車検証ケースなどに連絡先が記載されたカードがあります) ・最寄りのディーラーに電話する (取扱説明書などと一緒にディーラー一覧の冊子が同梱されています) ・街の中古車で購入した場合は、整備工場が併設されていれば連絡。なければ主治医(整備工場)に連絡する ・JAFや自動車保険に付帯されているロードサービスに連絡する


エンジン警告灯が点灯したとき、クルマはどのような状態なのか?


エンジンのコントロールユニットがエラーを検知している状態です。そのエラーの原因は、機械的な故障であることも考えられますし、電気的な故障であることもあります。エンジン警告灯が点灯する場合、考えられる原因は多岐に渡り、実際に診断を行なわないとどんな原因かは分かりません。よって、できるだけ速やかに専門の工場で診断を受けることが重要です。


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エンジン警告が点灯したときにやってはいけないNG行動とは?


そのまま走行を続けることはしないようにしてください。交通事情により警告灯が点灯してもすぐにはクルマを停められず、しばらくは走行せざるを得ない場合、急加速や高速での走行は避けてください。そして、できるだけ負荷がかからないような運転を心掛けてください。ただし、著しいエンジン不調や異臭、異音などの状況が見られる場合は、事故や車両火災などの危険性もありますので、直ちに走行をやめて安全な場所に停車してください。


エンジン警告灯の誤作動があるのか?(特に輸入車)


エンジン制御に関わるセンサー類の誤作動でエンジン警告灯が点灯するケースはあります。しかし単に誤作動で警告灯が点灯するというケースは稀です。警告灯が点灯したということは、何かしら故障があると想定しておいてください。(誤作動が起きる=故障している、というふうにも考えられるからです)


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「自称、クルマいじりが得意な方」が陥りやすい事例とは?


クルマに詳しく、またクルマいじりが得意な方は、経験も知識も豊富だと思われます。だからこそクルマを診るときに過去の経験やよくある故障事例にとらわれて、基本的な(簡単な)不具合を見落としてしまい、文字通り「ドツボにはまってしまう」ことがしばしばあります。 例えば、パワーウインドウが動かなくなって、時間をかけてスイッチやモーターを点検してみたけれど、原因が分からない。色々悩んだ挙句、結局原因はヒューズの接触不良だった。あるいは、ドアミラーなど電装品の連鎖的な作動不良が起きていて、リレーや配線、ヒューズボックスなどを疑いさんざん悩んだけれど、結局原因は1本のアース不良だった…等々。経験や知識が増えれば増えるほど、不思議と灯台下暗しな事態が発生しやすくなるものです。 これは本職の整備士でも起こりうることで、十分注意しなければなりません。クルマを診るときは先入観を持たず、フラットな状態で事実を客観的に捉えることが肝要です。


現場のプロが遭遇した、エンジン警告灯にまつわる3つのケース


ケース1:必ずしもエンジン関係の故障とは限らない? エンジン警告灯が点灯したといっても、必ずしもエンジン関係の故障とは限りません。ポルシェ ボクスターで、ティプトロニックのコントロールユニットの不具合が原因でエンジン警告灯が点灯したケースがありました。エンジンのコントロールユニットが「ティプトロニックのコントロールユニットとの通信不良」というエラーを拾ったためにエンジン警告灯が点灯したという事例があります。 ケース2:給油口キャップの不良でエンジン警告灯が点灯? ポルシェ カイエンで燃料タンクキャップ(給油口キャップ)の不良でエンジン警告灯が点灯したケースもありました。キャップには燃料タンク内の内圧を保持する機能が備わっていますが、キャップが古くなり内圧が保持できなくなった結果、エンジンの警告灯が点灯してしまいました。セルフのガソリンスタンドで給油したことのある方ならわかると思いますが、給油口キャップを空けるときに「シュッ」と圧力が抜ける音がしますよね。あの音がまったくしなくなっている状態で、キャップがしっかりしまっていない場合でも同様にエンジン警告灯が点く場合があります。 ケース3:故障ではなく、汚れが原因でエンジン警告灯が点灯? メルセデス・ベンツCクラスで、空燃比制御関連のエラーが入り、エンジン警告灯が点灯したケースがありました。原因はスロットルバルブの「汚れ」でした。スロットルバルブの周辺にカーボン汚れが溜まっていたことが原因で、アイドリング時の空燃比制御がうまくいかず、その結果エンジン警告灯が点灯しました。このように故障ではなく、汚れが原因でエンジン警告灯が点灯してしまうこともあります。


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エンジン警告灯が点灯したけれど、少しくらいは大丈夫…が悲劇を呼ぶ


人間でも、体調が悪いけれどそのうち治る…という根拠のない自信のようなものが身体にダメージを蓄積していくことがあります。それは生身の身体でも、機会の塊でも同じです。予防整備はもちろんのこと、いざというときには見過ごすことなく、しっかりと対処していきたいものです。 [ライター/江上透]

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