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更新2020.08.19

なぜ愛車オーナーズクラブやオフ会で、空中分解が引き起こされるのか?

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松村 透

気の合う仲間たちと自然発生的に、あるいはノリと勢いでクルマ好きが集うクラブを結成したり、オフ会を開催している人も多いのではないでしょうか。

いまや、同一車種やカテゴリーなどのつながりはインターネットなくしては成立しません。クルマに限らず、バイクやカメラ、アイドル、映画、愛犬や愛猫家…等々、共通の趣味で「つながっている」人間関係も珍しくなくなりました。

いまから20年近く前、ある映画好きが集まった「オフ会」に初めて参加しました。当時は「オフ会」という言葉自体もまだそれほど浸透していなくて、集まったレストランでお互い(ほぼこの日が初対面)をハンドルネームで呼び合うという奇妙な光景に、周囲のお客さんたちがあきらかに引いていたことを思い出します。何しろハンドルネームが「ブッチャーさん」や「モンシロチョウさん」ですから、端からみたら奇妙な光景であることはいまでも変わらないかもしれません(汗)。

1.空中分解を引き起こす「クラッシャー」たち…


 



そんなこんなでめでたく結成と相成ったオーナーズクラブ。結成当初は勢いがあるため、頻繁にオフ会やツーリングなどのイベントが開催されます。それに呼応して「オレも仲間に入れてよ」と日に日にメンバーが増え、そのうち非公開のFacebookやみんカラのページが立ち上がり、LINEグループが作られます。かつてのML(メーリングリスト)のような存在はSNSが主流になりました。

友だちが友だちを呼ぶ。それ自体は決して悪いことではありませんし、共通の話題を持つ文字通り「類トモ」ですから、初対面でも自然と打ち解けられます。多くの場合、ここまでは順調に進むのですが、急激に膨れ上がったメンバーのなかには「よく分からないけどとりあえず参加した」という人も少なからず存在します。つまり、クラブの趣旨をよく理解していない(あるいは知らされていない)まま参加してきた人たちです。これが空気を読める人であればいいのですが、スタンドプレータイプだと厄介です。勝手な解釈で勝手なことをはじめてしまうからです。人より目立ちたい、どんな場面でもオレがイチバンという人がいるとしたら要注意かもしれません。
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2.リーダーにもさまざまなタイプがいる


クラブのリーダーにもさまざまなタイプが存在します。良くも悪くも、組織のリーダー次第でクラブの空気感やメンバーの雰囲気が決まってくるのは企業と同じかもしれません(ベンチャーや中小企業の場合は特に)。分類されるリーダータイプはこのあたりでしょうか。

1.絶対君主タイプ
クラブの創設者であり、すべてはこのリーダーのひと言で決まります。いわゆるお山の大将。このリーダーが気に入らないと判断したら参加すらさせてもらえません。このリーダーと「ウマが合う」人であればいいのですが、そうでない場合は自然と離れていくことになるでしょう。

2.人を使うのが上手いタイプ
一見すると絶対君主タイプに似ています。こちらは名誉会長的にどっかと構え、周囲の人をうまく巻き込んで上手に操ります。あるいはリーダーがそそっかしい、段取りが悪い、そもそも動かない…等々。結果的に周囲の人が動かざるを得ない状況を作り出してしまうのが絶妙に上手い人も確かに存在します。

3.生真面目に頑張ってしまうタイプ
クラスの学級委員タイプがこれに該当するのでしょうか。メンバーを楽しませよう、仲良くさせようとあれこれ思案して奔走します。一人で仕事を抱え込んでしまうタイプでもありそうです。このタイプがリーダーだと、ギスギスした雰囲気とは無縁な、ほのぼのしたクラブになりそうです。

4.あまり縛りを設けず、自由度が高いタイプ
あえて仕切りを設けず「一応号令は掛けるけれど、集まれるときに、集まれる人が来てくれればいいですよ」というスタンスです。筆者の経験では、もしかしたらこのタイプのリーダーが収まることで一番長続きするように思います。趣味の世界まで息苦しいのは誰でも避けたいところですよね…。

5.文字通りのカリスマタイプ
ごくまれに、こういうタイプが存在します。生まれながらリーダーの素質を持った人です。自然と人が集まってきて、良い雰囲気が醸成される。邪な考えの人は近寄れないような雰囲気が漂うため、安定して良い関係が継続されます。メンバーの皆さんも自然体です。こんなクラブに参加できたら幸せです。

3.空中分解の前兆とは?


メンバーの多く(特に初期メンバー)が「最近、雰囲気おかしくない?」と感じ始めたら要注意。それこそ、空中分解の前兆かもしれません。

1.何となくまとまらなくなってきた気がする
昔でいうところの学級崩壊でしょうか。それは極端な例にしても、あきらかに一枚岩でないことは参加しているメンバーの多くが自覚しはじめます。おかしい。こんなはずじゃないぜ、と感じているすぐ近くでやけに盛りあがっている一段があったら要注意です。

2.知らないメンバーが増えてきた
あいさつもなしに、いきなりずかずかと乗り込んできて「何だか分からないけれど、その場を仕切り出す人」が現れたときも要注意です。良識ある趣味人なら、そんなことはしないはず。

3.本来の集まりとは別に、特定のメンバーだけが活動をはじめる
水面下で特定のメンバーにだけ声を掛けて、似たような活動をはじめる。新たなリーダーは自分と気が合うメンバーにだけ声を掛けて規模拡大を図ろうとします。これをやってしまったらアウトです。
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4.オフ会やオーナーズクラブを存続させるために


いちど空中分解してしまうと、元の関係に戻すのは非常に困難です。そして何より、時間を掛けて醸成されていった人間関係が壊れてしまうことが痛手です。こうならないためにも、早い段階でクラブの方向性を定めておくのが得策かもしれません。

1.メンバーの承認制とする
あえて間口を狭くして、中心メンバーなどが精査する方式です。昔から存在しているオーナーズクラブだと、メンバー2名の推薦があってはじめて入会資格が得られるようなケースもあるほどです。

2.メンバーからの紹介制にする
これがもっとも安心できるケースかもしれません。クラブの雰囲気に合っていそうな人、雰囲気を壊さないと思われる人。紹介であればそのあたりをクリアしている可能性は高そうです。

3.あえてメンバーを増やさない
初期メンバーや本当に気の合う仲間同士など、少人数でまとまる方法もありです。細く長く継続させることで、お互いの信頼関係もより深まっていきますし。

4.あえて縛りを厳しくせず、ゆるくやる
前項までとは真逆の方法ですが、これもありです。集まれるときに、集まれる人が行う。オフ会は流れ解散。この気楽さ、緩さが長続きの秘訣かもしれません。

5.結論、船頭多くして船山には上れない?


筆者の経験も交えつつまとめてみましたが、この種のオーナーズクラブは「船頭多くして船山に上る」は避けるべき、というのが結論です。面白いもので、複数のクラブや集まりに所属していても良好な人間関係を築いている人はたくさんいらっしゃいますし、どの集まりでもほぼ出禁状態という人もなかにはいらっしゃいます。一見すると簡単なようで難しいことかもしれませんが「人を慮る」ことが良好な人間関係を築く秘訣なのかもしれません。

[ライター/江上透]

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