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更新2023.11.22

【自動車新税】排出ガスばかりではなく「総環境負荷」も加味した整備を

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中込 健太郎

11月の末、政府与党から、平成29年4月から導入する予定の、自動車を購入する際に燃費性能に応じて支払うことになる新たな税の課税について、具体案を28年度税制改正大綱に盛り込む方針を固めた、と発表がありました。

この発表を受けて、ネット上では様々な意見が飛び交いました。確かに消費税が10%に引き上がることにあわせて廃止される「自動車取得税」の代わりの新設される税金という面もあり、中にはやや感情的なコメントも散見されました。

確かに、温室効果ガスの削減の進捗もなかなか思うように進んでいないということが、パリで開催中の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)でも話題になったばかり。そういう点では確かに便利だからとはいえ、世界中で多くの人が普段のアシとして利用する自動車。特に我が国日本、自動車メーカーもかなり多く、利用者も多い実情を考えると、ユーザーが相当の負担をするということには、それなりに当然である、という面もあるのではないでしょうか。しかし、それでも自動車ユーザーとしては気になる話題です。

10628304_665927386847758_2822201458579200434_nHナンバーを背負ったTOYOTAランドクルーザー40。ランクルの名を轟かせたグローバルな名車

1782107_665927410181089_1704608267559092289_n本誌でも度々取り上げているHナンバー。古い文化遺産的意味合いを込めた「優遇税制」が適用される

燃費基準で課税する。これは一見分かりやすいようでもあるのですが、疑問も残らないわけではありません。その課税の基準というのは国土交通省届け出の数値なのでしょうか。もしそうだとすると、例えば、この届け出値と実測値(通常のユーザーの使用実績)に開きがあった場合などは、どうするのでしょうか?税金も関連するので、と購入したクルマ、当然燃費のいいものをと言う人も増えるはず。少なくとも今まで以上に選定基準で重要度が増します。そうすると、もし開き、誤差が大きいときなど訴訟問題に発展したりしないのでしょうか?

また、例のフォルクスワーゲンの偽装問題も記憶に新しいところですが、あの事件、企業の姿勢という問題点とは別に、ユーザーのニーズに応えるメーカーの自発的な性能向上だけではなく、外圧による「旗を見せよ」というような圧力が歪んだ競争を生んでいるのではないか。そんな風に思うこともないではないのです。もはや環境に配慮されてないものは商品として劣勢と言わざるを得ないでしょう。その上で、先にも言及しましたが、クルマがもつ基本性能に加えて、「使用方法」でも変化する「燃費」を指標にするということには一抹の危うさをぬぐい去ることができません。こうした評価法が「数値上での燃費合戦」を加熱させ、健全な技術革新ではなく、再び数字合戦になりはしないかの不安をぬぐい去ることができません。

10352207_671732042933959_8782321449132133463_nとても綺麗なポルシェ911タルガ(930型)、こちらもHナンバーを背負っていて大事に乗っているのでしょう

前から思うのですが、「環境負荷」を課税に盛り込もうとするのに決して「製造から解体までの総環境負荷」という考えは一向に盛り込まれる雰囲気がありません。自動車メーカーが活性化してもらわねば日本の経済は始まらない!ということもあるのでしょうが、どうしても買い替え性向が強いということなのでしょうか。時々カレントライフでも申し上げていますが、「排出ガス」ばかりではなく「総環境負荷」も加味した環境配慮型自動車税の整備はできないものでしょうか。

もっともこれを適用すると、最近のエコカー、排ガス対策の為に高価で希少、産地の限定されるレアメタルをたくさん使っている場合もあるでしょうし、またバッテリーを余分に搭載したEV、ハイブリッドカーも少なくありません。製造時の環境負荷では、むしろ従来の自動車以上かもしれません。しかし、走行距離を重ねる過程で、その効果があるから行っている、いわば「先行投資」のようなものでしょう。すなわち昔以上に、実態は「長く大事に使うこと」がより強く求められるクルマが増えているのです。この事実、排ガス基準での課税の他に、こういう視点があってもいいのでは、一つのアイデアに過ぎないのですが、課税評価でこういう視点があってもいいように思うのです。

1604981_670258439747986_5068460053233820312_nこちらはメルセデスベンツ300SEL3.5セダン。古いクルマを優遇しろ、ばかり言えない現状であることも理解したい

もちろん諸外国のように自動車を文化としてとらえ、古い文化遺産的意味合いを込めた、クラシックカー保護といった「優遇税制」も、すでに歴史も積み上がって来た日本の自動車を取り巻く環境では、あってよいでしょう。しかし、かといって古いクルマを優遇しろ、ばかり言えない現状であることも理解できるのです。ただ、最近の税制、自動車関連に関わらず「理屈の上では○○に課税すれば税収が見込めるはずだ」という、奇想天外な「ひらめき」のような税収の確保が過ぎるのではないか、と思うことがあるのです。人口も減り税収も先細りな見通し、そうすれば無理もないですが。(であれば支出減も増税案以上に真剣に考えて欲しいものですし。)

まず何より、課税はわかりやすく公平でなくてはなりません。負担する人には納得のできるもので、もちろん受益者負担。乗る人も乗らない人も皆が納得の自動車税制を期待しないではいられません。

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