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更新2018.09.04

5つの事例で検証。いいクルマとそうでないクルマ、どこで見分けるのだろう?

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JUN MASUDA

「いいクルマ」の定義は難しい。
人によってクルマに求める要件は異なるし、その要件によって「良し悪し」が簡単にひっくりかえってしまうからだ。

たとえば、ある人は「軽量で運動性能が高いクルマ」を求めているとしよう。

その場合、積載性や乗員の数を基準にクルマの良し悪しを判断することはまずないだろう。二人乗りで、荷室も削った軽量なスポーツカーがその人にとってはきっと「いいクルマ」であるはずだ。

だが、別の人は「家族4人でキャンプに行けるクルマ」を探しているかもしれない。その場合は背が高くて大きく、荷物も人も載るクルマが求められることになり、上の例で良いとされた「軽量なスポーツカー」は選択肢としては外れることになる。

それでも、ちゃんと作っているかどうかはどのクルマでも共通した見分け方がある



上述のように、用途によっては、同じクルマであっても「いいクルマ」になることもあれば、その逆にもなりうる。だから、ボクはイキナリ「どのクルマがいいんですかね?」と聞かれても返答に困ってしまう。その人が、クルマになにを求めているのかがわからないからだ。

しかし、「どのクルマがいいクルマ」なのかを答えることができなくとも、クルマのどこを見ればお金がかかっているか、は判断できる。

ここではそういった例を見てみよう。

1.ドアのヒンジ
これは外観からは判断できず、ドアを開かねばわからない。

だがボクは、ドアを開いたときに見える、ボディとドアとをつなぐ「ヒンジ」に注目する。画像のように、ここがゴツいブロックのようなもので出来ていればOKだが、金属の板を折り曲げただけのようなヒンジだと「ちょっと悲しい」。

5つの事例で検証。いいクルマとそうでないクルマ、どこで見分けるのだろう?

これはドアを支えるのに重要なパーツであり、貧弱なパーツだとドアを支えることができない。にもかかわらず貧弱なパーツを使用しているということは、ドアが軽いということにもなり、つまりドアが「潰れやすい」=「安全性が低い」ということも繋がりかねない。

2.サスペンションアーム
コンパクトカーやミニバンならいざしらずだが、スポーツカーやサルーン、乗り心地を重視したSUVだと、この部分は「アルミ製」が好ましいと考えている。

アルミ製パーツは「鉄」製パーツに比べて軽く、そして軽いということはよく動くということになり、つまりは路面からのショックを吸収してくれるわけだ。普及価格帯のクルマであればこの部分は鉄製であることが多いが、「リアルスポーツ」を標榜していたり、プレミアムカーであればここはアルミでなくてはならない、とボクは考えている。

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3.フラットフロア
これはスポーツカーやハイパフォーマンスカー(サルーンやSUVも含む)、プレミアムカーに限ってだが、フロアはフラットであるべきだと考えている。フラットフロアだと空気抵抗が軽減され、エアロダイナミクスが向上することになるが、性能よりも「メーカーの考え方」をボクは問いたい。

このフラットフロアは単に「カバーを被せればいい」というものではなく、設計時からしっかりと考えないとフラットにはできない。

だから、フラットフロアを持つクルマは、「見えないところにも、ちゃんとお金と手間がかけられた」クルマであり、他の見えない部分も同様にお金がかけられている可能性が高い。

そして、見えないところにコストを投じるメーカーは、「いいメーカー」だとボクは考えている。

5つの事例で検証。いいクルマとそうでないクルマ、どこで見分けるのだろう?

同様に、「リアディフューザー」にも注目したい。単に「スポーティーさを出すためだけに」リアディフューザーを装着しているクルマを多く見かけるが、これはフラットフロア、そしてフロアと連続した構造を持つことではじめてちゃんと機能する。

しかしながら、現実は「スポーツカー」を謳いながらも、飾りだけのリアディフューザーが与えられている場合がある。

これも効果よりも「考え方」の問題であり、「効果のないパーツを、見た目のためだけに取り付け、それを”あたかも効果のあるように”主張しているメーカーをボクは信用しない、ということだ。

5つの事例で検証。いいクルマとそうでないクルマ、どこで見分けるのだろう?

4.フェンダー内側の折返し
これはスポーツカー限定になってしまうが、自分のクルマのフェンダーアーチ上部、その内側がどう折られているかを見てほしい。
上部がほかの部分に比較して「鋭角に」折り込まれていれば、ボクはOKだと考えている。

これはサスペンションが沈んだときに、フェンダーアーチとタイヤとが干渉しないための構造だが、これには(通常より)複雑な工程が必要で、つまりコストがかかる。こういったところにコストをかけるメーカーは信用できる。

5つの事例で検証。いいクルマとそうでないクルマ、どこで見分けるのだろう?

5.ストラット
フロントサスペンションの「付け根」である。

ここがどれだけゴツいかがそのメーカーの考え方を表すとも考えていて、ここが「折り曲げた鉄板を重ねただけ」なのか、それとも強い衝撃に耐えるようにゴツく設計されているのか、によってそのメーカーの姿勢を見ることができる。

画像はレクサスLCだが、ボクの知る限り、もっとも強靭なストラットを持つクルマだ。これを見る限り、レクサスは「信用に値する」メーカーであるのは間違いない。

5つの事例で検証。いいクルマとそうでないクルマ、どこで見分けるのだろう?

以上が、ボクの考える「いいクルマと、そうでないクルマ」との見分け方だ。

要点としては、「そのメーカーが、そのクルマをどれほど真剣に作っているか」ということになる。スポーツカーであればスポーツカーとして造られているべきであり、使い回しのプラットフォームにパワフルなエンジンを載せ、クーペスタイルに仕上げて車高を落としたクルマがスポーツカーではない、ということだ。

なお、クルマによってはカーボン製のフレームや、同じくカーボン製もしくは複合素材のパネルを持つものもある。よって、今回掲げた5つの項目が「すべてのクルマに該当するわけではない」ということも理解しておいてほしい。

[ライター・撮影/JUN MASUDA]

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