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車悦

更新2023.11.22

リフレッシュさせた「メルセデスベンツ190Eを拝借しています」

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中込 健太郎

速いもので年の瀬ですね。(※)やり残したことはないかな?振り返った際に、是非乗ってみたいなというクルマがありました。それはメルセデスベンツ190E。「リマン部品」という本国に送り返して再生させたリマニュファクチュアパーツ、いわゆる再生部品ですが、メルセデスベンツではこれを大々的に展開、通常の新品パーツよりも価格もディスカウントで、全国のディーラーで手配、装着が可能という、現行型以外のモデルのリフレッシュにも積極的に取り組んで行いるのです。そのリマン部品で300点のパーツを更新し、リフレッシュさせた190Eが、メルセデスベンツ日本の広報車で用意されているということで、ぜひとも、とお願いし、一週間アシに使わせていただくことにしたのです。その300点の内260点は日本で在庫しており、それ以外も本国からすぐに取り寄せられるそうです。

( ※編集部追記:当記事は昨年メルマガ配信した記事です)

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おそらく長い歴史を持つメルセデスベンツの旧来の頑固なスタンスで作られた最後のモデルであり、また今のメルセデスベンツがある直接の始祖ともいえるのがこの時代のメルセデスベンツではないでしょうか。現役当時はこの伝説のようなエピソードの数々を雑誌で読んでは、その高い次元の性能、パフォーマンスに思いを馳せていたものの、当然自らステアリングを握ることは叶わず、その感動を味わう最後にして千載一遇の機会かもしれない、そう思うだけではやる気持ちを抑えるのがどれだけ大変か、借りる前日は正直なかなか眠れないほどでした。

港区神谷町のメルセデスベンツ日本のオフィスのあるビルに伺うと目の前に現れた190Eは、ミッドナイトブルーで左ハンドルの個体、新車と見間違うほどきれいなクルマでした。そしてかつて乗っていた自分の愛車、ほぼ同じ年式の300E4MATICと同じ仕様ではありませんか!再会したかのような喜びは筆舌に尽くしがたいものがあります。ドアノブに手をかけ、運転席に乗り込むと、そのブレのない、金庫のようにしっかりとミートして開閉する剛性感の高いドアに、何度触れても感動します。しかし、このクルマの恐ろしいコンディションはこのあと、止めどなく思い知らされることになるのです。

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よくいわれることですが、この時代のメルセデスまでは、新車の頃の「あの感動を再び」呼び戻すことができるのだなあ。と改めて実感しました。イグニッションをひねり始動させると、、直ちに1000回転以下の低いアイドリング回転数で安定運転に入ります。当然のメカニカル・バイブレーションすら伴いません。マウントも更新されているのでしょうが、エンジン自体がしっかりとした動きをしているのです。ギヤをDに入れる際も、ギヤの操作感もかちっと、しかし渋さがない。トルクコンバーターの中の動きもわかる程度のメカニカル最小限のショックだけで、ここもブレがない。そして走り出すとたかだか115馬力しかないSOHC2000ccエンジンで、たちまちトルクバンドをとらえ、ダイナミックな加速を見せてくれる。私が乗っていた300E4MATICくらいの加速はしてくれました。すべてディスクローズされた路面のインフォメーションはサスペンションからは角の取れた形で入力、ステアリングからも適切に心地よく入力。気がつくとハンドルも形こそ昔のそれながら、新品ではないか!

乗り味は間違いなくクラシックのそれです。やけに大きいハンドル、ペダルの建て付け剛性は高いものの、回線ではなく機械式にエンジンとつながっている感覚がしっかり味わえる。今時のクルマはもっと軽い力でもっと軽やかに滑り出すような加速をするのでしょう。人に進めるなら最新のCクラス、悪くないなと思うものの、この感じ個人的にはいとおしいほど好きなのです。そういうものが普段なんの気遣いもなく乗れてしまうコンディション。奇跡以外の何ものでもありません。
今こそこのサイズにも正義を感じます。ひらりひらりと一車線あいてなくてもひらりひらりとすり抜ける。この国にぴったりのサイズなのです。

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いまちょうど自分のもとには、車格、サイズの割にお金のかかったマセラティ430がいます。ただしスタンスや方針はおそらく対局にあるクルマでしょう。ただ、あれもリフレッシュでその全うさが光るコンディションの一台です。ともすると、あまり深く乗ったことのない人たちによって、やれ、地獄だ、淫靡だとおもしろがられがちなクルマながら、あそこまでしっかりしているとその派手な風貌、キャラクターとは裏腹に、このクルマの表現する必然性は説得力があるなあと、強く感じたりするのです。しかし、ブルーノサッコによって、スマートにそして節度ある風貌を与えられたこのクルマの突き抜ける完璧さには、何も拒まないもの、気を使わなくてよいことのある種の楽園のような雰囲気がある。後戻りできなくなるのではないか。そんな雰囲気にあふれているのです。そう言う意味では、430以上に危うさのあふれた個体だ、とすらおもわされるのです。

ただし、このクルマのものすごいことは、この感覚が、奇跡や偶然ではなく、正規ディーラーによって、誰しも望めば手に入る「実現可能な事実」だということです。リマン部品の存在の偉大さを強く思い知らされることになるのです。これは、最新の誰よりもハイパワーなクルマに乗ることよりも、イベントに向けてコンディションを整えるために希少車のコンディション調整に腐心することよりも、すごいことだと思うのです。普段ストレスなく懐かしいクルマに乗れるのですから。
もっと遠くまで出かけたい!いいクルマに触れる度に思うことですが、今回も強く感じさせられました。

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