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更新2023.11.22

ポルシェ930がもつ、クルマ好きのこころをつかんで離さない強烈な個性

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中込 健太郎

ポルシェ930、この「無二」は「最良」に等しいのでしょうか?ホイールベースはV126、クーペはC126と、独立したコードネームが与えられていました。

「最新の911が最良の911」

だれが言い始めたか、盛大な注目をもって新しい911がデビューするたびに、雑誌やWEBで毎回必ずと言ってよいほど目にする言葉でしょう。

( ※編集部追記:当記事は過去にメルマガ配信した記事です)

ポルシェ930 この「無二」は「最良」に等しい?

ポルシェ911の最大の魅力、それは「ほかにない歴史の歩み方をしている」突き詰めていくとそういうことになるのではないでしょうか。確かに『水平対向6気筒エンジンを搭載したRRのレイアウトの2+2クーペ』この踏襲され続けている「枠組み」も個性の一つではあるでしょう。しかし、普通は拡大の一途をたどってみたり、どんどん重たくなったりするでしょう。

しかし911は必ずしも排気量が拡大され続ける一途でもなく、理由なき重量増加は避け、重量増加をリカバーするフォローもしっかり対策。その踏襲され続けている「枠組み」以外のことは、いつも相当に手を入れていて、老舗ブランドと言われる車種の中ではもっともアクティブにモデルの成長、熟成、発展を遂げてきた車種と言えるのではないでしょうか。

もっとただ頑なに「何かに固執」しているクルマや、反対に「名前だけ連綿と」語り伝えられているクルマも少なくありません。確かに、昔の911と今の911とで性格は同じか?と言われたらだいぶ変わっています。でもそれが改良か改悪かではなく、その911の「枠組み」の中で「実現し得る最善の自動車」を具現化したもの。それが最新のポルシェ911だと思うのです。

ポルシェ930 この「無二」は「最良」に等しい?

1974年デビューと言いますから、ちょうど今年で40才を迎える930型911。このクルマについても思いを巡らせてみたとき、『今、ふたたびの「最新の911」』と言えるのではないか。そんなふうに思ったものです。「40にして迷わず」でもないでしょうが、なかなか他の何物をももってしても代えがたい存在だと思うのが、このポルシェ930だと思います。

しかし今の911よりもよほど軽量でコンパクト、仕組みも単純。しかし、精密機械のように卓越した技で組み上げられたエンジンで走るさまは、まさにスポーツカーそのもの。あのエグゾーストノートを聞いて、条件反射的に「峠、駆け上がりたい!」クルマ好きなら誰しもそう思うのではないでしょうか。

確かに、今の最新式991型911はクルマとして万能、極めて高い完成度を持っていると思います。静かで快適、ハイパフォーマンスながら燃費も良好。それでいてRRならではのダイナミックな加速と、軽やかなハンドリングという911ならではの個性、他では味わえない世界がしっかり表現されていると思うのです。主に2人でクルマに乗るという使用範囲では、未だに最高の選択肢の一つだと思います。けれども、ポルシェ930の世界があるかと言われると、それは「ない」と答えなくてはならないでしょう。「軽やかさ」は技とコストで作ることができるでしょう。

ポルシェ930 この「無二」は「最良」に等しい?

しかし「軽さ」は、重力があるこの星において、取り繕うことができない「簡素であるがこその勲章」のようなものではないでしょうか。エンジン音も圧倒的な個性。ポルシェの音が堪能できます。空冷と称して壮大なエンジンオイルとのアンサンブルで、高い性能を発揮しつつ、独特のハイバリトンの歌声を聞かせてくれるこの頃のエンジン、常に補充用に予備のエンジンオイルを常備しておく必要はあるでしょう。

しかしそんな「ちょっとだけクラシックカーオーナーになったような」気遣いも要するポルシェ930、愛着の注ぎ甲斐もあるというものではないでしょうか。けれども残念なことに、程度のいい930、個体はかなり減ってきました。乗るなら今!そんな風に思う一台でもあるのです。

常に最高を目指してきたからこそ、歴史と共にそれぞれのモデルごとの個性が光り、優劣の評価の対象ではなく、「クルマ好きのこころをつかんで離さない強烈な個性」となるのではないか。

いよいよ梅雨も明けました。暑い!がしかし、真夏の風を受けながら見晴らしのいいスカイラインを930型ポルシェ911で駆け抜ける。俄然梅雨明けが待ち遠しくなるというものです。そして、梅雨の晴れ間よりも貴重なポルシェ930、見つけたら是非直ちにチェックされることをおススメします。

[ライター/中込健太郎]

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