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車悦

更新2023.11.22

聞かれても一番困る「一番好きなクルマを一台だけあげる」という質問について考える。

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中込 健太郎

私は幼い頃から人並み以上にはクルマ好きだと思います。今でもクルマを運転していて、対向車に思わず目を奪われることもしばしば。歩きのお出かけのときなど油断はできません。街で見かけるクルマに気を取られ、ひどいと横にたたずんで「いいな、しかし。」などと立ちすくんでみたり、写真を撮ったりと忙しく、その分目的地への進捗は遅々とすることは避けられないから大変です。そんな私が聞かれて一番困る質問があります。それは「中込さんの一番好きなクルマを一台あげろと言われたら何ですか?」というものです。あれは本当に困る。それが決められたら訳ないのですから。ただ直ちに、最早無条件反射的に妄想に入ることもまた、不可避な話であって、答えられるわけないだろうといいながら、あれやこれやと思いを巡らせるのです。ただ、理想的にはといっても、一台で済まそうというときと、複数所有は何台でも可というのでも違うでしょうし、まあいろんな場合が想定できるもので、まったくとんだ「由々しき事態」ではあるのです。もう秋深まりというか、師走に入り日に日に冬の訪れを身にしみる今日この頃ではあるのですが、少しだけそんな妄想をしてみようと思います。

( ※編集部追記:当記事は昨年メルマガ配信した記事です)

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クルマは道具です、S124は一度自分のアシにしてみたい物です。ミディアムクラスからEクラスにかわるモデルのワゴン、メルセデスベンツの量産ステーションワゴンとして二代目にあたるこのクルマは、どこか古風なレイアウトながらタイリッシュなフォルムにソテリスティケートされていて今でも始めてみたときの印象が忘れられません。ただアーク溶接を多用し鉄道車両に肉薄するかのような高い剛性、フロアの構造をワゴン用に変更し、レールで燃料タンクをつり下げる形で、フロア形状をフラットに保ちつつ、衝突時の安全性も考慮された設計で、重たいものを引きずっている感覚が希薄な「妥協なきステーションワゴン」「完成されたドライバーズカー」には興味があります。丹沢で、朝日があがるとともに太陽のにおいと土の香りで目を覚ますようなキャンプから、ついつい財布のひもが緩みがちな、スケールに圧倒されるコストコでのお買い物までどんと来い!そんな一台だと思います。最初の愛車がW124セダンの4マチックでしたが「あの感動を再び!」という意味合いも含めて一度じっくり愛車にしてみたい一台。


photo by Brian Snelson(Wikimedia Commons)

小気味よいロードスターとしてモーガンプラス4などはあこがれの一台です。1960年代からエンジンのみアップデートされ、オリジナルのボディは基本的デザインを変えず製造されています。フレームの一部に木が使われるなど、挙動はクラシックカー。低いアイポイントと視界に入るホイールアーチなどの風情はほかのいかなるクルマでも代え難い雰囲気を今に伝える一台。


photo by Charles01 [GFDL or CC BY-SA 3.0](Wikimedia Commons)

ただ、私のクルマの好み、基本的にはセダンは外せません。確かにW124、500E/E500は興味ありますが、少し趣向を変えてシトロエンXMは憧れます。ベルトーネのデザインは例によって、すべてを排除して「理想へ一目散に進むベクトルを具現化」させたかのようなエッジの効いた、なおかつエッジのようなデザイン。ロータリーエンジンを搭載するにしても「厳しくないか?」というタイトなスペースにV6を搭載するのも、メカニカルの見地では過酷な環境に違いないのでは。おそらくCXの後継のみならずおそらくSMの後継車としての役割も担っていたかのような洒脱でエレガント。おそらく苦労することは目に見えていますが、乗ってみたいクルマですね。



しかし、今年乗った中でかなり私の趣向性に近いクルマは1990年代に作られていたベントレーのクーペ「コンチネンタルR」トルクフルなおおらかに静々と、それでいて力強い加速。高いアイポイント。明確なピッチング。大きなステアリングながらシュアで決して緩慢ではないステアリングフィール。おおらかなのにスポーティ。大振りなのに決して緩くないボディはその手間をびしびしと体感させてくれるまさに走る工芸品。今となっては400万円前後という価格帯も、高熱にうなされた後の病み上がりにうかうかとクルマ屋さんに行って、置いてあったりしたら契約書に連打しかねないレベルなのでかなり剣呑・・・。

と尽きないのがクルマ好き。夜は長いのですから、皆さんもたくさん妄想してみませんか?まずは年末ジャンボ宝くじとサンタさんに「大きなガレージをください」とお願いしてみようと思います(笑)

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