車悦
更新2023.11.22
人生が10倍豊かになるクルマのイベントとは?今回はそんなお話をしたいのです
中込 健太郎
クルマのイベント、最近では小さいモノから大きいものまで、たくさんありますね。もしかしたら皆さんもお出かけになったことがあるかもしれません。メーカー主催のようなものから、ショップ主催のもの、車種ごとのコミュニティのオフ会的なイベント。運営も様々ですね。編集部から「込氏が企画するならどんなイベントしますか?それについて書いてください」と言われました。取材したり参加したりするくらいだと思っていたもので、少し考えてみました。今回はそんなお話をしたいと思っています。
「地方の魅力を堪能するイベント」「道の駅の魅力のようなものを積極的に探しに行くようなイベント」なんていうのはいかがでしょうか?前にもお話したかもしれませんが、クルマのイベントには「出かける口実」が含まれていた方がよいと思うのです。
愛車を買ったら、出かけたくなるでしょう。しかし、「ただ出かける」と言ってもどこに行こうか少し悩みますね。そんな迷いに対する回答をイベントが持っていたら、カーライフは楽しいものになるでしょう。
最近は地方に行く機会も増え、日本にはまだまだクルマで出かけたらいいような場所がたくさんあることに気づかされます。そしてその地方の名所、名産、名物といった人間が作り上げたもの以外にも、「その季節、その時間、その場所にいたから感じるもの」。例えば朝陽や夕日がきれいだった。風が気持ちよかった。この辺りを通ると対外雨が降っている。といった知識で頭に叩き込んでおけること以外に、「私たち自身が行ってみたからこそ感じとることができること」そういうものに触れる機会を、クルマを介して実現する。何かそういう要素、そういう視点でイベントを開催できないだろうかというのは、しばしば感じるのです。
ネットで調べたら、ほとんどのことはグーグル先生が教えてくれます。それでほとんどのことはわかったつもりになってはいないでしょうか?99%の事はわかるかもしれません。しかし残り1%のことを知らないのは、そもそも「本質とは何か」ということの99%をわかっていないようなものなんじゃないか、とすら思うわけです。
海沿いを走ると、なんだか妙に広い、駐車場のある温泉施設があったりします。道の駅ではないが道の駅のような品ぞろえの物産館のようなお店にもたいてい、過剰ではないか?と思うような駐車場があったりします。そんなところまでクルマで走り、地元の人たちのなんでもない日常に少しだけ触れてみる。そんなお店で売っている助六寿司一つでも、だいぶ違うモノです。酢飯の酢の加減、味付け、中に入っている具。それを「田舎だから、こんなものしかなくて・・・」みたいなエクスキューズを前面に押し出したような雰囲気で売ってたりするわけです。イベントなんてなくてもいいくらいです。そんなのを買って少し高台の街を見渡せるロードサイドのスペースにクルマを停めてお弁当。そんなのに触れると、こういうのが食べたかったのよ!と思うことも少なくはないのです。
また、先日クルマで高松まで行ったのですが、そこで会う人会う人、私のクルマの川崎ナンバーを見て、「遠くからはるばるお越しいただきありがとうございます。」とニコニコして言ってくださるのです。それで感じたのは「はるばる遠くから来ること自体、出かけた先々で出会う見知らぬ人に対するギフト」なのだということです。道はつながっているのです。エンジンを地方によって載せ換えなければならないとか、その地方に行くために何か特別なことをしなければならないということはありません。陸続きであれば、走っていくことができる。なのにそうやって温かく迎えてくれる。その走ってきたこと自体がギフトである以上に、「温かさに触れることで癒される」わけです。グランツーリズモの基本はこういうことであり、クルマだからできることなのです。
出かける先々でこういうことができるイベントがいいですし、そのためにそこに行かなければできないこと、観られないもの、体験できないこと。そんなイベントは興味ありますね。今年はできませんでしたが、来年以降は少し、北海道や、九州四国中国地方のクルマのイベントにも出かけていきたい、そんな風にも考えているほどです。
だからもちろん、私たちで見たいもの、やりたいことを求めて、ロングツアラーありきのイベントを企画するというのもありかもしれませんね。こういうこともあって、参加費も高額な、ラ・フェスタ・ミッレミリアのような、究極の自動車イベントも要はああいうスタイルで開催されているということなのではないでしょうか。時代を超えた名車で日本の魅力に触れる。あれほど贅沢なこともないでしょう。
正直クルマが台数集まって並べて楽しむのもいいですが、クルマがコミュニケーションツールになり、自分の人生が豊かになる糧となるようなイベント、そういうものに個人的には興味が沸くわけです。
[ライター/中込健太郎 画像/江上透]
(※当記事はメルマガ配信したコンテンツの再編集版です)
「地方の魅力を堪能するイベント」「道の駅の魅力のようなものを積極的に探しに行くようなイベント」なんていうのはいかがでしょうか?前にもお話したかもしれませんが、クルマのイベントには「出かける口実」が含まれていた方がよいと思うのです。
愛車を買ったら、出かけたくなるでしょう。しかし、「ただ出かける」と言ってもどこに行こうか少し悩みますね。そんな迷いに対する回答をイベントが持っていたら、カーライフは楽しいものになるでしょう。
最近は地方に行く機会も増え、日本にはまだまだクルマで出かけたらいいような場所がたくさんあることに気づかされます。そしてその地方の名所、名産、名物といった人間が作り上げたもの以外にも、「その季節、その時間、その場所にいたから感じるもの」。例えば朝陽や夕日がきれいだった。風が気持ちよかった。この辺りを通ると対外雨が降っている。といった知識で頭に叩き込んでおけること以外に、「私たち自身が行ってみたからこそ感じとることができること」そういうものに触れる機会を、クルマを介して実現する。何かそういう要素、そういう視点でイベントを開催できないだろうかというのは、しばしば感じるのです。
ネットで調べたら、ほとんどのことはグーグル先生が教えてくれます。それでほとんどのことはわかったつもりになってはいないでしょうか?99%の事はわかるかもしれません。しかし残り1%のことを知らないのは、そもそも「本質とは何か」ということの99%をわかっていないようなものなんじゃないか、とすら思うわけです。
海沿いを走ると、なんだか妙に広い、駐車場のある温泉施設があったりします。道の駅ではないが道の駅のような品ぞろえの物産館のようなお店にもたいてい、過剰ではないか?と思うような駐車場があったりします。そんなところまでクルマで走り、地元の人たちのなんでもない日常に少しだけ触れてみる。そんなお店で売っている助六寿司一つでも、だいぶ違うモノです。酢飯の酢の加減、味付け、中に入っている具。それを「田舎だから、こんなものしかなくて・・・」みたいなエクスキューズを前面に押し出したような雰囲気で売ってたりするわけです。イベントなんてなくてもいいくらいです。そんなのを買って少し高台の街を見渡せるロードサイドのスペースにクルマを停めてお弁当。そんなのに触れると、こういうのが食べたかったのよ!と思うことも少なくはないのです。
また、先日クルマで高松まで行ったのですが、そこで会う人会う人、私のクルマの川崎ナンバーを見て、「遠くからはるばるお越しいただきありがとうございます。」とニコニコして言ってくださるのです。それで感じたのは「はるばる遠くから来ること自体、出かけた先々で出会う見知らぬ人に対するギフト」なのだということです。道はつながっているのです。エンジンを地方によって載せ換えなければならないとか、その地方に行くために何か特別なことをしなければならないということはありません。陸続きであれば、走っていくことができる。なのにそうやって温かく迎えてくれる。その走ってきたこと自体がギフトである以上に、「温かさに触れることで癒される」わけです。グランツーリズモの基本はこういうことであり、クルマだからできることなのです。
出かける先々でこういうことができるイベントがいいですし、そのためにそこに行かなければできないこと、観られないもの、体験できないこと。そんなイベントは興味ありますね。今年はできませんでしたが、来年以降は少し、北海道や、九州四国中国地方のクルマのイベントにも出かけていきたい、そんな風にも考えているほどです。
だからもちろん、私たちで見たいもの、やりたいことを求めて、ロングツアラーありきのイベントを企画するというのもありかもしれませんね。こういうこともあって、参加費も高額な、ラ・フェスタ・ミッレミリアのような、究極の自動車イベントも要はああいうスタイルで開催されているということなのではないでしょうか。時代を超えた名車で日本の魅力に触れる。あれほど贅沢なこともないでしょう。
正直クルマが台数集まって並べて楽しむのもいいですが、クルマがコミュニケーションツールになり、自分の人生が豊かになる糧となるようなイベント、そういうものに個人的には興味が沸くわけです。
[ライター/中込健太郎 画像/江上透]
(※当記事はメルマガ配信したコンテンツの再編集版です)