非力だけど運転が楽しく、そしてなにより安価!ドイツ生まれのユニークなライトウェイトスポーツ、スマート・ロードスター・クーペ

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そうしてできあがったクルマは、安価で、ハンドリングに優れ、非力なエンジンでもそれを使い切ることができる、運転するのがとことん楽しいライトウェイトスポーツカーたちでした。1960年代から、衝突安全性や排ガス規制が声高に叫ばれるようになる1970年代までの間、イギリスではライトウェイトスポーツカーの黄金期を迎えます。

イギリスのみならず、イタリアや日本でもこのコンセプトは広まり、古くはトヨタ・スポーツ800、最近の例で言えばフィアット・バルケッタなどに引き継がれています。一方ドイツでは、ポルシェ356などは「既存のコンポーネントを与えられた」という点は共通しつつも決して安価なクルマではありませんでしたし、BMW Z3、メルセデス・ベンツSLKなども同じく、「軽量で軽快」というよりは、ロングツーリングも難なくこなす快適性を備えたGT的性質の強いクルマでした。ドイツは、イギリスと比べると曲がりくねった山道が少ないため、アウトバーン性能がより重視されるのは当然のことだったのかもしれません。

ライトウェイトスポーツカーの復権

初代マツダ・ロードスターが「ライトウェイトスポーツカー」という概念を市場に復活させ、多くのフォロワーたちが続々とデビューしていった後、2003年に遅れて登場したのがスマート・ロードスターとロードスター・クーペです。当時、ドイツ国内からはすでに先述のBMW Z3、メルセデス・ベンツSLKのほか、ポルシェ・ボクスターやロータス・エリーゼをベースに共同開発されたオペル・スピードスターなどがデビューしていました。

スマート・ロードスター・クーペに搭載されるエンジンは、スマート・フォーツーのエンジンをチューニングしたもので、それでもわずか82psしかなく、815kgの車重に対して「余裕のあるパワー」とは到底言えないものでした。サイズやエンジン位置が似ているオペル・スピードスターと比較すると、870kgの車重に147psと、動力性能に関してはスマート・ロードスター・クーペの完敗と言えるでしょう。

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この記事の筆者:守屋 健

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