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ドイツ現地レポ

更新2023.11.22

ドイツではチェコのメーカー、シュコダ(Skoda)のクルマが大人気

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中込 健太郎

ドイツではシュコダ(Skoda)が人気だそうです。正規輸入されていないので、日本ではほとんど見かけませんが、このチェコのメーカーのクルマ、ヨーロッパのベーシックな魅力が感じられて素敵ですよね。このドイツレポートでもたびたび登場するであろうシュコダですが、すこしこのメーカーについて触れたいと思います。

(編集部追記:当記事は過去配信した記事の改定版です)

ドイツではシュコダ(Skoda)が人気

歴史はかなり古くオーストリア=ハンガリー帝国領時代の1895年、書籍商のヴァーツラフ・クレメント(Václav Klement)と機械工のヴァーツラフ・ラウリン(Václav Laurin)が起こした自転車メーカー、ラウリン&クレメント(Laurin&Klement)社として創業したのが始まりだそうです。当初「スラヴィア」(Slavia)というブランドで自転車を生産し、まもなく補助エンジン付き自転車も発売。1899年に開始したオートバイ生産から、自動車メーカーへの歴史を歩みだします。1912年にはリベレツの自動車メーカー、レイヒェンベルガー自動車工業(RAF : Reichenberger Automobilfabrik)社を買収。第一次大戦の特需の波に乗り急成長、オーストリア=ハンガリー国内最大の自動車メーカーに成長しました。

ドイツではシュコダ(Skoda)が人気

ドイツではシュコダ(Skoda)が人気

その後対戦での敗北を受けて、ラウリン&クレメント社はチェコスロバキア共和国成立後も、乗用車やトラック、航空機用エンジンの製造なども手がけ、好調な業績を維持しますが、1924年に発生した、大規模工場火災が発端で経営困難に陥り、翌1925年に、特殊鋼や鉄道車両・兵器等の製造工場、鉱山、醸造所などを経営する国内大資本のシュコダ工業株式会社(Škodovy závody, a.s.)に買収されることになります。このとき自転車とオートバイの生産からは撤退しています。

この買収に際し、創業者の1人ヴァーツラフ・ラウリンは技師長として迎え入れられ、開発中だったラウリン&クレメント360をシュコダ360として1926年に発表。以後「シュコダ」ブランドで自動車を製造する第一弾としてのスタートを切ることになります。またシュコダが航空用エンジンをライセンス生産していた関係でフランスのイスパノ・スイザと提携し、当時、高性能・高品質で知られた100HP級の最高級車「イスパノ・スイザH6B」を「シュコダ・イスパノ・スイザ」として150台以上生産したりもしました。

ドイツではシュコダ(Skoda)が人気

現在はフォルクスワーゲングループに入り、ゴルフをはじめフォルクスワーゲン/アウディをベースに、フォルクスワーゲンの下位ブランドとして、大衆車メーカーとして確固たる地位を気づいています。ラリーなどでも活躍。おそらくヨーロッパなどを旅したときに街で見かけたり、レンタカーで借りたり、日本人の自動車好きの中にも淡いあこがれや、思い出にこのメーカーのクルマを刻んでいるという方もいらっしゃるかもしれませんね。

シュコダのベーシックカー「フェリシア」の写真も送られてきましたので、ここで一例としてご紹介したいと思います。

シュコダのベーシックカー「フェリシア」

今ではファビアに取って代わった車種ですね。現在でこそシュコダのみならずセアトなど廉価ブランドも充実、それぞれでモータースポーツなども展開して、ヨーロッパ各地でかなりメジャーな存在となり、ヨーロッパ域外でのセールスも好調なフォルクスワーゲングループながら、実は長いこと「西側諸国」意外や南ヨーロッパなどでのセールスに苦戦していた経緯があります。

シュコダのベーシックカー「フェリシア」

そんな中「マルコポーロ」の名前にもかけたポロなどをリリース、少しずつ足場を固めていった後、当時のチェコ・スロバキアはじめ、東側諸国を中心にしっかりとその存在感を定着させていた「シュコダ」を傘下に治めることで、一気にフォルクスワーゲングループが、真にヨーロッパでの一般的な存在になったと言えるのです。このシュコダフェリシア は1994年から2001年の間に生産されたクルマで。シュコダ・ファヴォリトとシュコダ·ファビアの後継車種として誕生しました。 エントリーモデル旧シュコダ時代のプラットフォームを使って作られた最後のモデルです。ボッシュのインジェクションの1300ccガソリンエンジンで で 54馬力/68馬力と、シュコダ・ファヴォリトの2種類が選べました。

シュコダのベーシックカー「フェリシア」

さらに上級機種にはフォルクスワーゲン1600ccのガソリンエンジン、1900ccのディーゼルエンジンが用意されていました。1998年には、フェリシアはフェイスリフトと内装の更新などを盛り込んだマイナーチェンジを実施。同年、オートオープントップを装備した「シュコダフェリシアブルースカイ」をリリース。翌1999年に市場に後継車ファビアが登場したあとも併売されました。フェリシアは英国でメディアが主催するレースでもウィナーとなりました。結局最終的には915,843台を生産した、ヨーロッパでは大変ポピュラーなクルマとなりました。そして安価なクルマながら大変評価も高かったこともこの生産台数が物語っていると言えるのではないでしょうか。

ハッチバックをメインに据えながらも、ワゴンや、「フォルクスワーゲン・キャディ」として輸出もされたピックアップトラック、カブリオレなど様々な派生車種が作られたようです。さらにそのピックアップトラックをベースに、運転席後部の切り妻(二台との仕切り板)が可動し補助席が出るレクリエーショナルビークル「フェリシア・ファン」という変わり種も存在。

こうした幅広いファンへ応える商品ラインナップも人気の秘密かもしれませんね。

[ライター/CL編集部・中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]

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