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ドイツ現地レポ

更新2018.04.26

ピニンファリーナの傑作であるプジョー306カブリオレ!ドイツの人々の日光浴にかける情熱とは

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守屋 健

4月も最後の週に入り、筆者の住むドイツの首都ベルリンでは春本番を迎えています。今年の春は「こんなに晴天が続くのは珍しい!春の天気はもっと不安定なのに」と現地の方が言うほど気候が安定していて、外を歩く人々の表情もにこやかです。今回はそんな快晴続きのベルリンから、美しく端正なスタイリングの4座カブリオレ、プジョー306をご紹介します。

ピニンファリーナが手がけた傑作カブリオレ




プジョー306カブリオレは、1994年から2002年まで販売されていた、日本でも高い人気を誇ったオープンカーです。販売終了から15年以上が過ぎ、街中で見かけることも少なくなってきました。わざわざエンジンを傾けて搭載して薄いボンネットを実現するなど、素のプロポーションの良さには定評があったプジョー306。それにさらに磨きをかけたのがカロッツェリアの名門、ピニンファリーナです。

306ハッチバックをカブリオレ化するにあたって、ピニンファリーナはかなり手の込んだ、緻密な仕事をこのクルマに施しました。幌の電動機構を収め、かつトランクスペースを確保するために、リアのオーバーハングを190mmほど延長。その結果、幌を収納した時にどこに収まっているのかわからないほど、すっきりとした美しいオープン時のスタイリングを実現しています。幌の収納時にボコッと山のようになってしまうフォルクスワーゲンのゴルフ・カブリオとは対照的ですね。



ホイールベースもわざわざ40mm短くするなど、単に屋根を切って幌を付けただけではない、コストがかけられたカブリオレ化は、今後はさらに少なくなっていくかもしれません。日本では2リッターのATのみが正規輸入されていましたが、フランス本国では1.6リッター、1.8リッター、2リッターのエンジンと、AT・MTをそれぞれ選択することが可能でした。

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ドイツの人々はとにかく屋外で過ごすのが好き




春から夏、初秋にかけてドイツで生活していると、ドイツの人々の「太陽の光を浴びたい!」という欲求と、それを実現する行動力に驚かされます。長く寒い冬の存在が、人々を陽の光の下に誘い出すのでしょうか…。休日には、自宅の庭やマンションのベランダにリクライニングチェアを出して長時間過ごしたり、公園の草地にシートを引いて読書やランチを楽しんだりする姿が多く見られます。

街のレストランやカフェも、春になると一斉に屋外のテラス席を解放して営業します。この時期の飲食店にありがちなのが「外の席は満席なのに、店内はガラガラ」という状態。中には、店内でテラス席が空くのを待って、席が空き次第すかさず移動して座る、という方もいるほど。日本より涼しく、湿気も少なく、蚊などの虫も少ないとはいえ、ドイツの人々の「とにかく屋外が好き」という情熱には驚かされます。

ドイツ車のラインナップにも影響?




そんなドイツ人の気質は、クルマの選択にも反映されています。ドイツでは屋根が開くクルマの割合が日本よりも多く、かつ雨さえ降っていなければ屋根を開けて走っていることが多いです。サンルーフを装備したクルマ、カブリオレ、キャンバストップ。色素が薄く、日焼けしても肌が黒くなりにくいからでしょうか、直射日光を気にせずフルオープンで走っている女性ドライバーも良く見かけます。カブリオレのラインナップが充実しているドイツの自動車メーカーは多いですが、「太陽の光を浴びたい!」というドイツ人の気質がクルマ作りにも影響しているのかもしれませんね。

プジョー306カブリオレはフランス車ではありますが、美しく端正なスタイリングで、ドイツでも根強い人気があります。屋根が開くドイツで人気のフランス車、と言えば、他にはシトロエン2CV、プジョー206CC、ルノー・トゥインゴのキャンバストップなどが挙げられるでしょうか。

プジョー306カブリオレも生産終了からかなり時間が経ってしまいましたが、その美しいデザインは色褪せるどころか、ますます輝きを増しているように感じます。ドイツの地でも、まだまだ元気に走り回ってもらいたいですね!

[ライター・カメラ/守屋健]

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