ベルリンにてHナンバーを掲げる、美しく懐かしい日産シルビア(S12)と遭遇

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ドイツの中でも特に多種多様な人種のるつぼとなっている街、首都ベルリン。そのベルリンの中でも、特に国際色豊かなエリアが、かつての旧東ドイツ地域に広がるフリードリヒスハインと呼ばれる地区です。ドイツ語、英語、トルコ語、その他様々な言語が飛び交い、飲食店やナイトクラブが数多く立ち並ぶこのエリアの中心には、ボックスハーゲナー広場という場所があります。休日に開催される蚤の市が有名なこの広場。近所に住む人々はこの広場の界隈のことを愛着込めて「ボクシー」と呼びますが、まさにその「ボクシー」を歩いていた時のことです。周囲から浮き立つような、色鮮やかな赤いクルマが停まっていました。

非常に良好なコンディションの日産S12シルビア

日産S12シルビア

久しぶりに見かけた懐かしい日本車。日産の4代目シルビア(S12)です。磨き込まれたボディに、傷がほとんどない15インチのアルミホイール。日本でもパーツの調達が難しい年代のクルマなのに、ドイツでこれだけのコンディションを維持するのは並大抵の努力ではないでしょう。

しかもHナンバー取得車!カレントライフでもたびたびご紹介している「Hナンバー」。Hはドイツ語で「Historisch(ヒストーリッシュ)」、つまり「歴史的な」「歴史上重要な」という意味の頭文字で、製造から30年以上経ち、かつ大幅な改造がなされていない車両に付与されるドイツの制度です。Hナンバーが付与されると、歴史的な工業製品価値を維持していると見なされ、自動車税や自動車保険が優遇されます。日本でもぜひ取り入れてもらいたい制度のひとつなのですが、実際は旧車乗りにとってますます厳しい世の中になってきていますね。

数々の先進技術を搭載するも、販売数は伸びず

日産S12シルビア

S12シルビアは1983年から1988年に製造されました。この個体のハンドル位置は左なので、もともと輸出仕様として作られたのでしょう。1986年のマイナーチェンジを境に前期型と後期型に分けられますが、写真の個体は前期型です。ボディタイプはクーペとハッチバックの2種類が用意されていましたが、この個体はご覧の通り、ハッチバックとなっています。当時の日本車には、かつてのトヨタAE86しかり、同じ車名なのに異なるボディタイプが用意されていることも少なくありませんでしたが、ここ最近では全く見なくなりましたね。

4代目のS12シルビアについて、5代目S13や3代目S110に比べて、非常に地味な印象を持っている方も多いのではないでしょうか。ワイパー付きのリトラクタブルヘッドランプや、日本初のチルトアップ付き電動ガラスサンルーフ、キーレスエントリーシステムなど、当時の先進装備が多数搭載されましたが、ホンダ・プレリュードなどのライバルに押され気味だった感は拭えません。次期モデルのS13は30万台を生産する大ヒットなり、ついにプレリュードの牙城を崩すことになるのですが、S12はそこまでの成功を収めることはできませんでした。

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この記事の筆者:守屋 健

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