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ドイツ現地レポ

更新2023.11.22

ヨーロッパの高速列車ICE3。進化を続けるヨーロッパの鉄道

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中込 健太郎

ドイツを中心に運行されているヨーロッパの高速列車ICE(Intercity-Express)。ドイツからそのレポートが届きました。

ヨーロッパの高速列車ICE@ドイツ現地レポ

ヨーロッパの高速列車ICEとは?


ICEはドイツの鉄道では最上位種別の旅客列車だそうです。その歴史は比較的新しく、しかし、かなり好評であることから続々と乗り入れ先も増え、最近ではヨーロッパのさまざまな場所へ、ドイツ以外の地域への乗り入れもスタート。ヨーロッパの高速鉄道としてはTGVなどフランスのイメージも強いですが、そんな、いわば「高速鉄道ライバル」でもあるフランスへも乗り入れているほどなのだそうです。送られてきた写真はICE3といわれるタイプのものです。ICE3は勾配の多い区間での高速運転と、ヨーロッパのほかの地域への乗り入れへの対応ということを念頭に開発されています。

ヨーロッパの高速列車ICE@ドイツ現地レポ

ヨーロッパの高速列車ICE@ドイツ現地レポ

1990年代より建設が進められていたケルン-ライン=マイン高速線では、トンネルを少なくして建設費を抑制したために、もっとも勾配のきつい区間では40パーミル(1キロ進むのに40メートル標高が変化する)にもおよび、従来のICE 1やICE 2では同路線での高速運転が難しいことも明らかになっていました。そこで、最高速度300km/h以上の高速運転ができて将来的にはさらなる速度向上にも対応できると同時に、急勾配に強くドイツ以外の国への対応も容易な、新たな「動力分散式電車方式」の車両を開発の必要がでてきたということのようです。ICE3とは、こんな第三世代のICEのことです。

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曲線的でスピード感のあるデザイン


ヨーロッパの高速列車ICE@ドイツ現地レポ

ヨーロッパの高速列車ICE@ドイツ現地レポ

性能的には、車体はアルミニウム合金を採用し、軽量化が図られていて、曲線的でスピード感のあるデザインとなっています。なお、2編成の併結も可能です。運転台は、車体中央部に配置されていて、国によって複線の通行方向(右側・左側、ドイツは右側通行)が異なっていても対応できるようになっています。また、運転台後ろの客室との仕切りはガラス張りになっていて、「ラウンジ席」と呼ばれる運転室背後の客室から、運転台前方の風景を展望できるようになっています。制御装置はインバータ制御方式を、電動機には三相交流誘導電動機を採用。電動車と付随車の比率は1:1で、電動車は8両編成中には4両存在することになります。パワーウエイトレシオが改善され、加減速性能が向上。

また、動力分散式により、軸重が下がり、軌道への負荷が減少で保線費用の削減にもつながる改良点でした。最高速度はキャパシティとしては330km/h。ただし現時点でのドイツ国内の営業最高速度は300km/hとなっているそうです。車両製造はシーメンス、トランスポーテーションのほか、航空機も作っていることでおなじみの「ボンバルディア社」も名を連ねています。

こんな列車で巡るヨーロッパの旅もとても憧れますよね。

[ライター/CL編集部・中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]

※当記事は過去公開した記事の再編集版です

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