度肝を抜かれたクルマも!日本に生息する希少なクラシックカーが、ノリタケの森に集う

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前回に引き続き、第5回ノリタケの森クラシックカーフェスティバルのレポートをお届けします。カレントライフなのにドイツ車のレポートが無いじゃないか!という読者の皆様、お待たせしました。ここからはドイツ車をメインにお届けします。


▲BMWイセッタ

以前ツイッターで「意外とかわいいドイツ」というハッシュタグで、「質実剛健」「厳めしい」「荘厳」というイメージの強いドイツで、時折そういうイメージとはかけ離れたドイツの可愛い物を紹介しようというツイートが在独邦人の方から流れてきたのですが、筆者にとっての「意外とかわいいドイツ」はやっぱりこれではないでしょうか?


▲ついにポルシェ911ターボフラットノーズもクラシックカーイベントのエントリー対象になったかと思うと隔世の感を覚えます

ポルシェ911といえば、筆者も含めてやっぱりあのカエル顔でなければという愛好者も多いとは思いますが、やはりスピードにとり憑かれた者にとってはあの愛嬌ある顔を捨ててでも空力とスピードを追い求めたくなるものがあるのでしょう。


▲木漏れ日の下の1962年ポルシェ356B

シルバーアローの伝説もあってやっぱりドイツ車にはシルバーが似合います。356も末期になるともはやVWの派生モデルから911の原型となるモデルへ移行しているのが見て取れます。

ポルシェ356というと最近ではTVアニメ「名探偵コナン」の「ウォッカとジン」のコードネームを持つ黒づくめの2人が乗っているクルマで知った人も多いのではないでしょうか?ちなみに原作者の青山剛昌先生はクルマが好きなだけでなく、ご実家が自動車整備工場を営んでいるそうです。


▲1971年型ポルシェ911タルガ

356から911に移行したことで一旦ポルシェから完全なオープンモデルは無くなってしまうのですが、冬季は日照時間の短いドイツではオープントップの需要も多く、ボディ剛性を保ててオープンエアモータリングが愉しめるモデルとしたルーフパネルが外せるデタッチャブルルーフが考案され、やがてポルシェの中の一つのモデル名称だった「タルガ」は「タルガトップ」としてデタッチャブルルーフの車両を指す名称にまでなります。

このタルガのオーナーの方とお話したところ、ポルシェはエンジンの脱着が容易なため他のモデルや年式のエンジンに載せ替えられてしまうことが多く、それゆえにヴィンテージモデルのポルシェ911の評価基準にエンジンが車両の年式、モデルと一致したエンジンが載っているかどうか、所謂「マッチングナンバー」(ちなみに、年式、グレードが全くの同型モデルのエンジンであればマッチングナンバーの範疇に入るそうです)が重要視されるとのことです。このタルガはマッチングナンバーのフルオリジナルだそうですが、ヘッドライトとステアリングホイールは前のオーナーの趣味でRUFの物に交換されているとのことです。(左が本来のレンズ)

ところでタルガというと筆者の場合、よく文房具や図鑑の写真の被写体で見かけた、シルバーに赤青のストライプの入った911ターボタルガのイメージが今も残っているのですが、あれは純正色でそういうカラーリングが純正で設定されていたのか聞いてみたところ、あのストライプもオーナーが「マルティーニ」のチームカラーを模してカスタマイズしたものとのことでした。最後に、このタルガのオーナーは「僕はフルオリジナルが好み」とした上で「フルオリジナルとかマッチングナンバーとか気にせずポルシェは楽しく走らせることが出来ればそれでいいんです」とおっしゃっていました。


▲1965年型メルセデスベンツ230SL(W113)。

所謂パゴダルーフです。実はこの当時で既に対人衝突の安全要件を満たすなど流石はメルセデス、安全面においてはかなり先行していたようです。まだ暑くなりすぎていないこの時期のオープンエアモータリングはさぞかし爽快なことでしょう。


▲1958年型メルセデスベンツ220S(W180)

それまでの暫定戦後型の旧態化した戦前型のデザインからフェンダーとボディが一体になった新型に刷新されたことで「ポントン」と呼ばれているモデルです。日本ではその風貌からダルマベンツと呼ばれています。愛3ナンバーということは新車当時から日本へ出荷されたウェスタン自動車(ヤナセ)の正規輸入車だと思われますが、外為法で自動車にも輸入制限があり、1954年西ドイツ(当時)のアデナウアー首相との会談をしたことでメルセデスの購入を希望した時の首相、吉田茂総理ですら在任中にメルセデスを購入する事が出来ず、輸入制限が無くなったあとの1963年にヤナセの梁瀬次郎社長の計らいもあって、ようやく念願のメルセデス購入に至ったというあたり、この車両を当時所有していた人はよほど裕福な人か要職に就いていた方なのかもしれません。

実はこのポントンには、メルセデスにとって記念すべきメカニズムが採用されています。実はこのW180型こそ、ミスターセーフティの異名を持つエンジニア「ベラ・バレニー」がダイムラーベンツに招聘された1940年から研究し続けた、「自動車の衝突時の安全性の確保」の一つの答えとして、フロントガラスを前方脱落式にし、フロントセクションとリアセクションが潰れることで衝撃を吸収しキャビンを丈夫に作ることで、衝突安全性を確保するというアイディアを最初に取り入れた車両でもあります。

このアイディアはフィンテールと呼ばれる次期型のW111型で完成し特許番号854 157を取得しますが、同時に自社の理念に従い衝撃吸収ボディ構造の普及を望み特許を開放したといいます。

ちなみに、同時期ボルボも3点支持シートベルトで特許を取得しますがやはり自社の理念により特許を開放しています。

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この記事の筆者:鈴木 修一郎

愛知県名古屋市在住。幼少期より自動車が好きで、物心着く前から関心の対象はニューモデルよりもクラシ...