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更新2023.11.22

「1967年で止まってしまったストーリーの続き」斬新な懐かしさを感じたオートモビルカウンシル2019

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中込 健太郎

アルヴィスと言えばクラシックカーファンにお馴染みのブランド。

しかし、1967年に自動車の生産を打ち切ったこのメーカーの取り組みは実に興味深いものがあります。オートモビルカウンシル2019の会場の、アルヴィスブースを訪ねました。

オートモビルカウンシル2019




会場には今回4台のアルヴィスが並びました。いずれもその希少性はさておき、観る者を圧倒し、思わず息をのむ優美さを備えるクルマたちばかり。









1920年にイギリスのコヴェントリーで創業。1967年に生産を終了したあとも、まだ完成していないパーツが数十台分残されていて、また、現在も部品を製造してレストアや、パーツ供給を行っているアルヴィス。2017年にはその遺されたパーツで、コンティニュエーションシリーズの限定生産を発表。

今回はそんな、レプリカでもレストア事業ではなく、クラシックカーながら中古車ではなく新車として納めることになる、この他に類を見ないユニークなプロジェクト。英国流自動車文化を体現した楽しみ方をオートモビルカウンシルの会場で広く、改めて披露したかたちです。

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コンティニュエーションとはどんなものなのか




会場に並んだクルマはすべて1967年以前に生産されたヴィンテージカー(クラシックカー)。しかし、ここに並んだ「グラバー・スーパー・クーペ」は3リッターエンジンで、また「ランスフィールド・コンシールド・フード」と「ヴァンデンプラス・ツアラー」は4.3リッターエンジンで、純正パーツを作り、新車で購入することができる。それがコンティニュエーションです。



出で立ちや、メカニズムは基本的に当時のものをベースとしたクラシックカーながら、それを新車で購入することは普通できません。この世にあるクラシックカーはすべて中古車です。それを新車としてオーダーできるというのが画期的なこと。当然これから作られるので、長い歳月を生きながらえてきた真のクラシックカーとは異なります。しかし、レプリカや、レストアして仕上げるといったものとは全く違った、他にないクルマの愉しみがこのクルマにはあるのです。

「生産設備的にも、年間で5台程度がせいぜい。おそらくフル生産しても17年程度の時間を要する規模です。しかし、生産を予定していたパーツが残っていて、戦争という悲しい歴史のために世に出ることのなかったクルマたち。新規に名前を引き継いでニューモデルを作るのとも、修復するのとも異なるクルマをご提供できるというのは、アルヴィスの歴史でしかできないプロジェクト。共感していただけるエンスージアストの方にご提供できればと考えております」と、アルヴィス日本総代理店明治産業の桶谷ジェネラルマネージャーは話してくださいました。

いわば、「止まってしまっていた、往年のアルヴィスのストーリーの続き」という立場。クルマそのもの以上に今、時を経て、再び停まっていた生産をスタートできる。その事実がこのプロジェクトの本質であり、他にはない魅力と言えるでしょう。





しかし、そこは、どんな形であれ現代に生産されるクルマ。当時はかなわなかった技術的アップデートもしっかりと盛り込むことができる点もおもしろいところ。

「例えばダイナモでは、エンジンがかかっていても停まっていると発電しません。それではとても不便ですのでオルタネーターの設定もございます。ディスクブレーキや、パワーステアリングなども実はご用意しています。また、オプションとしてそれをオリジナルの機構に戻すことさえ可能なのです。想定されるオーナー様は年配の方もおいでです。そうした方が、普段積極的に乗れるように、と望まれても応えられるニューモデルに仕立てることが可能なのも、コンティニュエーション・シリーズの魅力でしょう。」と、桶谷氏。


説明しながら見せてくれたパーツリストには確かに最近のクルマにもあるような装備が載っていて、アルヴィスの刻印が入っています

「でも、今回オートモビルカウンシルに出て良かったと思うことの一つに、日本にあるアルヴィスで、新たに所在の分かったクルマの情報が入ったことがあります。事前に調査して調べがついていた台数よりもまた少し増えました。例えば年式区切りのクラシックカーレースのようなものとは別に、アルヴィスのオーナーズクラブのような形で、製造年縛りではなく、コンティニュエーション・シリーズも含めて、アルヴィスの魅力を語り合えるコミュニティができても面白いかもしれませんね。」と、桶谷ジェネラルマネージャー。

過去か未来かではなく、この歳月を経たからこそ続けることができるストーリーを「極めて斬新な懐かしさ」として楽しむことができる、アルヴィス。現在日本第一号車は製造中だというコンティニュエーションシリーズと併せて、クルマファンにとって目が離せない、注目のブランドといえるでしょう。

[ライター・画像/中込健太郎]

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