「製造後30年を超えたクルマ」の祭典。第28回クラシックカーフェスティバル 国産車編

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2017年5月28日、筆者が毎年楽しみにしているトヨタ博物館クラシックカーフェスティバルイベント当日となりました。第1回から毎年欠かさず通い詰めているイベントです。その魅力を余すことなくお届けしたいと思います。

圧巻。クラシックカーによる壮大なパレード

トヨタ博物館クラシックカーフェスティバルの名物の一つは参加車両によるパレード走行です。当初は会場の外周を走るだけでしたが、10年ほど前からは長久手市内の公道を走行するようになり、100台以上のクラシックカーが連なって長久手市内を走行するのはこの時期の長久手市の風物詩となっています。

イベント流れとしては、8時に一旦モリコロパーク駐車場に集合し、9時から順次駐車場を出発、長久手市内を1周し10時からモリコロパーク大芝生会場の所定の位置に車両を止め11時から車両展示となります。


▲筆者のセリカLBにとってはレストア後初のイベント参加で、なんとゼッケンは100というキリの良い番号でした

今回からは「自動車の歴史の進展を追体験する」という趣旨で年式順に展示される事になったとの事で、筆者に100番が割り振られたのは偶然なのですが、新しい門出としてはなんとも縁起のいい数字です。

但し、今年はトヨタ2000GTとマツダコスモスポーツ50周年記念で、トヨタ2000GTとコスモスポーツから先にゼッケンが振られている形になります。登録されていないため駐車場内のみの走行ですが、布垣トヨタ博物館館長の運転するトヨタ2000GTボンドカーを先頭にパレードが始まります。


▲トヨタ2000GTが何台も連なって走る光景というのはなかなか見られるものではないでしょう


▲90番台の車両の車両の出発も始まり、ゼッケン100番の筆者もエンジンを始動し出発の準備を始めます


▲当日は汗ばむくらいの陽気でしたが、筆者のセリカLBはオプションの純正エアコン付きの快適仕様、ラジエターも容量アップ済なのでこれからの季節もオーバーヒート知らずでドライブできます


▲大勢の来場者に見送られながらパレードランが始まります


▲市内パレードの沿道はこの通り

長久手市の皆さんは毎年最高の笑顔を見せてくれます。手を振る人、カメラを向ける人、時には報道カメラマンがこっちにカメラを向けて、翌日の新聞を見たら、見出しに自分の愛車の写真が掲載されていた、夕方のニュース番組を見ていたら自分のクルマが映っていたなんてことも実際にある話です。

以前書きましたが、クラシックカーを維持するというのは並大抵の苦労ではありません。それだけにこの瞬間には何物にも代えがたい物があるのです。


▲市内を一周し会場に戻りこれから車両展示本番が始まります

クラシックカーイベントではどう演出して展示するかも楽しみの一つです。


▲今回筆者は、レストアの過程の写真をボードに張り、ナンバー隠し代わりに、カレントライフでもしばし話題になるドイツのHナンバー(H-Kennzeichen)をモチーフにシュトゥットガルト市登録を想定した架空のHナンバーを自作して付けてみました

ちなみにゼッケンが100なのに展示位置の番号が101なのは、途中ミスコースして入場の順番がズレたため。クラシックカーパレードではミスコースしたり、走行中に不調になってけん引されて会場に戻ってくるというのもご愛敬です。


▲この通り、クラシックカーはただ所有しているだけでも人気者になれてしまう。それもまた魅力の一つなのかもしれません

他の参加車両も名車ばかり、はたしてそのクルマとは


▲まずは1957年型トヨペットクラウンRS型、所謂「観音開きクラウン」です。まさしく戦後日本の経済発展の第一歩を象徴的する車両と言ってもいいでしょう


▲リアは当時のアメリカ車を彷彿とさせるフィンテールを採用、「フィンテール」は日本車に限らず世界中自動車目メーカーのカーデザインに影響をもたらし、1960年代初頭までの欧州車でもフィンテールを採用したデザインを目にします


▲センターピラーに腕木式方向指示器が付くのは初期型の観音開きクラウンのみの仕様です


▲日本のクラシックカーオーナーであれば一度は夢見るであろう1桁ナンバー

初代トヨペットクラウンに愛5ナンバー(名古屋ナンバー・三河ナンバーに分割される前は全て愛知県登録の車両は「愛」ナンバー管轄でした)が残っているというだけで別格の存在になります。

歴史的遺産として様々な恩典を受けられるHナンバーが導入されたドイツでも「昔のDIN規格サイズのナンバープレートが残ってる」という理由であえてHナンバーを取らないオーナーもいるというあたり、新車当時からのナンバープレートが引き継がれているというのは国を問わずクラシックカーオーナーにとっては特別な意味合いがあるのでしょう。


▲こちらは観音開きクラウンより1世代ほど後のS41D型プリンスグロリアスーパー6

昭和39年型ということで日産にプリンスが吸収合併される前のモデルです。エンジンフードを開けるとプリンス時代生産モデルの特徴である、金色のコーションプレートが輝いていました。またこのグロリアには2.5Lエンジン搭載モデルが存在し、その中でも特別仕様のロングホイールベース仕様は宮内庁に納入され、今上天皇陛下が皇太子時代に自らステアリングを握っていたという由緒あるクルマです。

ただ、当時の国産車としてはあまりに技術偏重主義でデザインも前衛的過ぎた事から、販売は著しくなくプリンスの経営不振の要素の一つになったと伝えられています。

とはいえ、その先進的技術は目を見張るものがあり、戦後初の直列6気筒エンジン(実はあまり知られてないですが戦前にして既にトヨダAA型が直列6気筒エンジンを採用しています)に日本初のオーバヘッドカムシャフトを採用、もしエンジンルームを見る機会があったら是非見ていただきたいのですが、フロントバルクヘッドを一部にザグリを入れてエンジンをギリギリまで後退させて(現在でいうフロントミッドシップに近いレイアウトです)直列6気筒エンジンによるノーズヘビーを解消しようとした努力の跡が垣間見れます。


▲過去のイベントで撮った写真ですが、この通り極力フロントオーバーハングに重量物を載せないレイアウトになっています

また、このグロリアに搭載されていたG7型エンジンを、ノーズを延長し搭載したスカイラインが第2回日本GPでポルシェ904と死闘を繰り広げたというのは皆さまも周知の話かと思います。

今回のメインでもある名車たちの中にはあのクルマも


▲今回のイベントの主賓同然と言ってもいい50周年のマツダコスモスポーツとトヨタ2000GT

国産クラシックカーの中ではスカイラインやフェアレディZと並んで断トツの人気を誇るクルマです。コスモスポーツは本家NSU社ですら敵わなかった、ローターハウジングの異常摩耗の問題を解決した日本車の技術史における記念碑と言っても良いと思います。


▲そして今回のメインのトヨタ2000GT。やはりどこのイベントでもトヨタ2000GTは特別な存在です


▲トヨタ2000GTはこのロングノーズがたまりません


▲エンジンルームや車内を見せてくれるなどオーナーもサービス精神旺盛な方ばかり

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この記事の筆者:鈴木 修一郎

愛知県名古屋市在住。幼少期より自動車が好きで、物心着く前から関心の対象はニューモデルよりもクラシ...