愛知県の自動車文化は次のフェーズへ進んでいる。クラッシックカー フェスタ IN 尾張旭

公開日:Posted in イベント by

以前にも書きましたが、毎週のようにクラシックカーイベントが開催されているこの季節、筆者の住む東海地区はさすが自動車の町だけあって、この日11月12日だけでも近隣で複数のクラシックカーイベントが開催されていたようですが、その中で筆者は名古屋市の隣、尾張旭市のクラッシックカー フェスタ IN 尾張旭にお邪魔してきました。愛知県の隣、三重県津市でもクラシックカーイベントが開催されていたにもかかわらずどちらも盛況だったようでつくづく東海地区のクラシックカー愛好家の層の厚さを実感しました。

イベント時の駐車場はだいたいすごい

例によって駐車場のチェックから始まるのですが…

この日はいつもの通りセリカLBで会場に行ったのですが、警備員の案内してくれたエリアには、イベント会場と見まごうばかりにクラシックカーがビッシリ!なんと一般来場者のクルマでも昔のクルマは別枠になっていました。あいにく筆者が行ったころには、昔のクルマ用に用意したであろう駐車場がまるごと1区画埋めつくされてしまったので(!)入れなかったのですが、すぐ近くの空きスペースに案内されました。

▲一般来場者のクルマでも昔のクルマはなるべく目に付くところに案内されていました

一瞬、会場?と思う方もいるかもしれませんが、来場者駐車場です。いわゆる地域振興の一環のイベントなのですが、来場者用駐車場ですでにこのこだわりよう、会場に入る前からただならぬ雰囲気が…

愛知県にとって自動車はただの産業ではない?

さっそく、本部に向かい主催の方にあいさつに向かうと

なんとイベントの主催の若杉 孝司さんは尾張旭市の市議会議員の方でした。愛知県といえば、先日の新城ラリーもWRCへの昇格を視野に行政や自動車メーカーも後押しています。今回の尾張旭のイベントにいたっては市議会議員自ら主催に加えて、さらにトヨタ博物館も協力し、布垣トヨタ博物館館長による展示車両の解説もあるなど、愛知県にとってもはや自動車はただの産業ではなくこの土地の文化として根付きつつあるかもしれません。

伝説の2輪車の展示も

今回は4輪だけでなく2輪車の展示もあり、青春の淡い思い出に浸っていた方も多いのではないでしょうか。

▲伝説の名車ホンダドリームCB750フォア

▲「ダブツー」ことカワサキ650W2TT

今でこそ大型自動二輪も自動車学校で免許取得可能になり、最初から大型自二輪で免許取得も可能になりました。この時代の人だと、あともうちょっとで普通車免許でも大型自二輪が付帯免許で取れたのを涙を飲んでタッチの差で逃した、中型免許の限定解除に何度も試験場に通ったという記憶を思い出す方もおられるのではないでしょうか。

いわゆるホンダの「バタバタ」こと初代カブかと思ったら「マルウチ自転車バイク」とのこと。1958年といえば現在のその形を変えずに作られているスーパーカブが登場した年であり、日本のモーターサイクルの市場においてもはやモペッドは淘汰される運命が決まった時代だったのでしょう。

こちらはてっきりスバルラビット?と思ったら「ヒラノポップ」というスクーターで、かつて地元名古屋に存在した織機メーカーが平野製作所(名古屋市内に現在も「平野製作所」という食品スライサーを作っている会社が存在しますが違う会社のようです)が製作したスクーターでした。実は昭和30年代までの日本には、二輪車・オート三輪・軽自動車メーカーの乱立時代があり、大小合わせて100社以上はあったと言われていますが、次第に資本力の大きい量産メーカーに集約されていき、町工場レベルのメーカーは市場から淘汰されていきます。

こういった、零細メーカーの車両は現車はおろかカタログや資料すら残っておらず全容がまったくわからないメーカーもあり、こうして現車が現存しているというのは奇跡のようなものかもしれません。

モーターサイクルだけではありません。なんとヴィンテージサイクルの展示スペースまでありました。筆者のビアンキよりさらに20年は古い車両ばかりでしたがどれもミントコンディションを保っていました。

CL読者ならお馴染みのライオンのマーク。1974年のプジョーPX10という自転車だそうです。

「珠玉の名車たち」が勢ぞろい 国産車編

さてここからは本題のクラシックカーです。主催の若杉市議が筋金入りのエンスージアストで、トヨタ博物館協力とあって、スポーツカーや高級車等「珠玉の名車」と呼ぶにふさわしいクルマが揃っていたのですが、一方で「こんなクルマ何処に残ってた!?」と声を上げたくなるような、逆になかなかお目にかからない古い国産の実用車が揃っていました。

■昭和46年型ホンダS800
秋晴れの空に真っ赤なオープンが映えます。

つい最近、筆者の友人も赤いオープンカーを購入したのですが、この時期に幌を下ろして走るのは格別なものがあるようです。

■後期型マツダコスモスポーツ(年式不明)
地元のコミュニティFMのレポーターの方がいたく気に入っていたようです。

■昭和45年型プリンススカイライン2000GT-B
クラシックカーイベントのお約束といえばスカイラインですが、今回のイベントには日産ではなく合併前のプリンススカイライン、通称S54B-2型が来ていました。いわゆる「羊の皮をかぶった狼」です。コンクールコンディションの仕上がりのフルレストアでよほど情熱のあるオーナーと見受けたのですが、意外や(?)豊田ナンバー、愛知県のイベントではどういうわけか豊田ナンバーのクラシック・スカイラインを見かけることが多く、豊田市にはスカイラインの隠れファンが相当数潜んでいるようです。

■昭和47年日産スカイライン2000GT-R2ドアHT
キング・オブ・スカイライン、ハコスカGT-Rです。以前、シボレーベルエアがアメリカでは50’sアメリカンの青春の象徴と書きましたが、まさしくハコスカは「昭和ニッポンの青春の象徴」なのかもしれません。ちなみにご当地ナンバーの豊田ナンバーができる前は豊田市も三河ナンバー管轄で、愛知県東部を管轄するナンバーでした。そしてここでもまた、豊田市周辺に何故かコンディションの良いクラシックスカイラインが集中するという法則が発動しています。

■昭和46年日産スカイライン1800スポーティDX
「スカG」だけがスカイラインではありません。最近では「ショートノーズ」「ヨンパツスカイライン」と呼ばれている4気筒モデルが密かに注目を集めています。本来スカイラインは経済的な小型ファミリーセダンであり、「GT」グレードを名乗る6気筒エンジン搭載モデルはあくまでその派生モデルなのですが、実用グレードの「ヨンパツ」は長らくフラッグシップのGTの陰に隠れた存在でした。でも、そういった実用グレードにも注目が行くようになったあたり、日本のクラシックカー文化の成熟を感じることがあります。とはいえ、ヨンパツの4ドアをここまで仕上げるオーナーの情熱には頭が下がります。

▲S20型エンジン

▲G18型エンジン

でもこの2台、ただ意味もなく並べていたようではなさそうです。実はGT-Rに搭載されているS20型エンジンとG18型エンジンは通常のGTグレードのハコスカに搭載されているL20型エンジンとは違い、どちらも旧プリンスのエンジニアが開発したエンジンということを考えるとわかってこの並びにしたようにも思えます。

▲昭和44年トヨタスポーツ800

▲昭和43年トヨタパブリカ800

▲昭和50年ミニエース

あわせて読みたい記事

この記事が気に入ったらCLに「いいね!」しよう

最新情報はFacebookページでチェック

この記事の筆者:鈴木 修一郎

愛知県名古屋市在住。幼少期より自動車が好きで、物心着く前から関心の対象はニューモデルよりもクラシ...