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更新2016.05.23

飾り方でここまで違う?ミニカーを展示する前に知っておきたい3つの原則

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北沢 剛司

ミニカーにはレアな限定品などを買う悦びに加えて、購入後に飾って見て楽しむ悦びがあります。ミニカーの展示方法にはいろいろな方法と楽しみ方があるため、今回は購入したミニカーを素敵に展示するためのヒントをご紹介します。

ミニカーの上手な「魅せかた」とは?



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▲ミニカーメーカー、スパークの日本総代理店「Spark Japan」が運営する「Spark Club Lounge」の様子。ミニカーをこんな雰囲気で飾れれば最高だ。

門戸が広く奥が深いのがミニカーの世界。缶コーヒーのおまけから数十万円もする大型モデルまで、いろいろなものが手に入ります。安価なシリーズ物にはコンプリートする楽しみ、そして精密モデルには細部を眺める楽しみがあります。小スケールミニカーは大量に並べたときの壮観さがあり、逆に大型モデルには単品で展示したときの強烈なインパクトがあります。

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▲こちらは今年5月の「静岡ホビーショー」で展示された京商製の1/18マツダ・ロードスター。クオリティの高いミニカーのほうに目がいってしまうものの、注目はベースに敷いている黒色の畳。クールな和のテイストを表現したベースにより、ミニカーを引き立てている。

具体的な飾りかたとして参考になるのが、ミニカー専門店での展示方法です。パッケージに入れたまま並べて販売するショップがほとんどですが、なかにはミニカーをケースから出してガラスケース内にズラリと展示したり、ジオラマ風の展示を行っているショップもあります。また、自動車ディーラーの店舗内に設置されたショーケースとかホビーショーでのメーカーブースの展示方法なども大いに参考になります。そのなかからインスピレーションが生まれたりするので、いろいろな場所に出掛けてみることをオススメします。

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ミニカーを飾るときの三原則とは?


お気に入りのミニカーは、自分の部屋やリビングなどに展示していつでも見られるようにしておきたいと思う反面、大事なアイテムだからこそ「飾ってしまって良いのか?」と自問自答してしまうことでしょう。実際、ミニカーを飾ることにより、劣化や落下などさまざまなリスクを背負い込むことになります。とはいえ、ミニカーはやはり飾ってなんぼの世界。そこで、ミニカーを飾る前に知っておきたい3つの原則をお伝えします。

まず1つめは「直射日光厳禁」。街中でヘッドライトが黄ばんだクルマを見かけることがありますが、これは周知の通り紫外線を長期間浴びたことにより樹脂が変色したもの。ミニカーもウィンドウ部分に透明の樹脂パーツを使っているため同様の黄ばみが発生することがあります。また、日当りの良いリビングに置いた写真が色褪せてしまうように、ミニカーも直射日光に当たると塗装が色褪せたり、デカールが乾燥してひび割れることがあります。ミニカーは日陰の場所に飾るのが鉄則です。

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さらに夏と冬では日照角度が変わるため、そのあたりも考慮した場所選びが必要です。あと、ライトアップできる展示ケースの場合は、長時間ライトアップしないように気をつけたほうが良いでしょう。塗装の色褪せを防ぐにはなるべく強い光に当てないことが重要ですが、せっかくライトアップできるのに消灯したままというのも味気ないですね。例えば来客時とか週末にゆっくり鑑賞したいときなどに点灯するようにするのが、ちょうど良い妥協点なのかも知れません。

2つ目は「ホコリ厳禁」です。最近のミニカーは非常に繊細につくられているものが多く、下手に触ると壊してしまうことがあります。そのため、できるだけガラスケースやディスプレイケースに入れた状態で展示することをオススメします。棚などに飾る場合は、ホコリが直接ミニカーに付着することを防ぐため、ミニカーをクリアケースごと飾るほうがベターです。ミニカーをむき出しで飾ると、ホコリが付着するのはもちろんのこと、ホコリを払うときにアンテナなどの細かいパーツを壊してしまうことがあります。

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▲「Spark Club Lounge」では、棚にむき出しのまま飾っているものと、ガラスケース内に展示しているものがある。ガラスケースなどに入れて飾ったほうが汚れの付着や損傷のリスクが少なく、手入れも楽だ。

私は以前、テレビボードの棚に1/18ミニカーを展示していました。むき出しのまま置いていたので当然ホコリが付き、定期的に掃除するのが大変でした。一時ボディカバー代わりとしてミニカーの上にティッシュを被せたこともありましたが効果は限定的でした。それ以前にティッシュが常時被さっていたのではミニカーを見る悦びがありません。来客時のみカバーを外したりしていましたが、効果が薄いので止めてしまいました。

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▲貴重なアイテムを飾るのには勇気がいるもの。同じミニカーを複数購入しておけば、少なくとも1つは保管用にキープしておける。
スパーク 1/43 Porsche 956C No 19 1st Imola 1984(品番 SPA43P008)

そして3番目は「展示するなら2個買い」です。もし飾りたいミニカーがある場合には、あらかじめ複数購入しておくことをオススメします。ひとつしか持っていないアイテムを飾った場合、もし誤って壊してしまった場合のショックは計り知れないものがあります。複数購入しておけば、少なくとも1個は保存しておくことができます。コレクターにとっては、展示用・保管用・交換用(仲間とのトレード用)の3個買いがベストです。最近のミニカーは単価が高いため複数購入は難しい状況ですが、飾りたいお気に入りミニカーはできるだけ2個買いしておきたいですね。

ディスプレイケースはどれを選ぶべきか?


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▲今年5月の「静岡ホビーショー」で撮影した(株)塩川光明堂のディスプレイケース。左側は同社がタミヤと共同開発したディスプレイケースで、ガラス戸の裏側にはホコリの侵入を防ぐスポンジが貼付されている。

既存の展示スペースを利用するのではなく、新たにディスプレイケースを購入する場合は、家の雰囲気とスペースに合わせていろいろな選択肢があります。家具メーカーの製品はガラスケースのため品質が高く、インテリアにマッチするものを選ぶことができます。また、地震でガラス戸が開かないように鍵を付けたり、くさびで固定するなどの対策を施した製品も発売されています。
さらに棚の段数はオーダーで増やすことができます。私はかつて1/43ミニカー用ケースとして、標準で10枚付属するガラス板に追加で5枚注文し、合計15段にしたディスプレイケースを注文したことがあります。そんなカスタムメイドにも応じてくれるメーカーであれば、自分の使い勝手にピッタリのディスプレイケースをつくることができます。

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▲写真は以前発売されていた、デアゴスティーニ「週刊デル・プラドカーコレクション」用のカーディスプレイケース。購読者向けに販売されていた。

もっと安価で簡易的なものであれば、複数台を収納できるアクリルケースが一般的です。碁盤の目のように区切られたスペースにミニカーが整然と納まる様は、見ていて気持ちの良いものです。もちろん大スケールミニカーを1台収納するタイプもあるので、大切なミニカーを引き立たせるような製品を選ぶと良いでしょう。

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マニアは純正什器にこだわる


ミニカーのディスプレイにこだわるなら、「純正什器」もオススメです。「純正什器」とはその名の通り、メーカーが店頭用販促物として製作したケースや棚のこと。有名なところではトミカの展示用什器が挙げられます。店舗で使用することを目的につくられたアイテムのため、もちろん一般ユーザーには販売していません。それだけにマニアにとっては喉から手が出るくらい欲しい逸品なのです。

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▲トミカ用の純正什器は一般ユーザーには販売しないため、トミカ・コレクターにはたまらない魅力がある。原則として非売品ながらネットオークションに出品されることも多く、比較的入手しやすい。

私が所有するこのトミカ純正什器は、2004年に初開催されたWRC「ラリー・ジャパン」の取材で十勝に行った際、地元のおもちゃ店で使われなくなっていたケースを譲ってもらったもの。帰りの飛行機では編集者と2人で40台入りケース3つを機内手荷物として運び入れ、北海道から持ち帰りました。

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▲この1/87ミニカーの純正什器は、ドイツの「ヘルパ」が製作したもの。空きスペースに商品を詰め込んでディスプレイしたい。

ドイツを代表する1/87ミニカーメーカーの「ヘルパ」は、’90年代にエンジンルームなどを再現したプラスチック製の超精密ミニカーを”HIGH TECH”として販売していました。写真はその”HIGH TECH”製品向けの専用什器で、タワーの頂点には1/87 フェラーリ348 tbの完成品とパーツが整然とディスプレイされています。実に四半世紀前につくられた什器ですが、当時の意気込みが感じられる力作といえるでしょう。

ポルシェ純正ショーケースで部屋をグレードアップ


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▲Porsche Driver’s Selection「モデルカー ショーケース」(品番:WAP 020 778 18)

自動車メーカーのなかには、自社の純正アクセサリーとしてミニカーのディスプレイケースを取り扱っている場合があります。写真はポルシェ謹製のモデルカー ショーケースで、台座には”PORSCHE”のロゴが印刷されています。この製品はもともと、ドイツのミニカーメーカー「ミニチャンプス」が自社製品向けに開発したケースでした。それをロゴ部分のみ変更することにより、ポルシェ純正アクセサリーとして販売しているのです。
特長は、ミニチャンプス製1/43ミニカーの台座を差し込むことにより、10台のミニカーがタワーのようにディスプレイできること。ポルシェのミニカーコレクションを飾るのにこれ以上適した製品はありません。タワー部分の高さは74cmにも達し、素材はUVカットのアクリルガラス製のため高品質な仕上がりです。価格は税込53,460円と高価ですが、部屋の雰囲気が一気にグレードアップすることは間違いありません。

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主役のミニカーを引き立たせる名脇役


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▲右:トロフュー 1/43 Audi Quattro 1st Monte Carlo 84 Röhrl/Geistdörfer(品番 1610)
   figurenmanufaktur 1/43 Walter Röhrl Audi(品番 AE430017)
   figurenmanufaktur 1/43 Christian Geistdörfer Audi(品番 AE430016)
▲左:シュコー 1/43 VW LT Kasten “Audi Team”(品番 450368200)

単品で飾っても見栄えがするミニカーは、アクセサリーと一緒に飾ることで主役がさらに引き立ちます。写真の主役はもちろんアウディ・クワトロですが、ドライバーのW.Röhrlとコ・ドライバーのC.Geistdörferのフィギュアをそばに置き、さらにサポートカーのVW LTを並べることで、競技中のつかの間の休息を再現。往年のWRCのシーンが鮮やかに蘇ります。歴史のワンシーンをミニカーで表現するのも、ミニカー展示のひとつの楽しみかたではないでしょうか。

クルマの時代背景を引き出すストラクチャー


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写真は、「静岡ホビーショー」のトミーテックのブースに展示されていたもの。2012年に発売された「トミカラマヴィンテージ02b ガソリンスタンド(出光)」に、開発中の「チョロQ zero」ルノーを組み合わせていました。ガソリンスタンドは1/64ミニカー用につくられたストラクチャーにもかかわらず、レトロで楽しい雰囲気を醸し出しています。

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海外のHOゲージ用ストラクチャーは1/87ミニカーにピッタリ


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▲フォルマー HO Porsche-Zentrum(品番 5606)

鉄道模型のHOゲージに準じた1/87スケールのミニカーは、ドイツを中心に昔から人気があります。鉄道模型用のストラクチャーにはさまざまなアイテムがあるため、それらを組み合わせることで素敵なジオラマをつくることもできます。
写真のポルシェ・ディーラーは、VOLLMER(フォルマー)という鉄道模型のストラクチャーメーカーが発売している完成品モデル。店舗内にミニカーを入れてディーラーの雰囲気を楽しんだり、周囲の道路などを自作してジオラマとして楽しむこともできます。

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こちらがモデルとなったドイツのPorsche Centre Stuttgartです。ポルシェ ミュージアムの正面にあるため、シュツットガルトに行くときはミュージアムと一緒に必ず訪問しています。目玉はPorsche Driver’s Selectionのセール品が多いこと。思わぬモノが安く買える場合があるので、機会があればぜひ。

1/160ミニカーはNゲージと一緒にディスプレイできる


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アイテム数としては少数派ですが、鉄道模型のNゲージに準じた1/160スケールのミニカーがつくられています。写真はジオラマ製作会社の(株)ディディエフが以前発売していたNゲージ用のジオラマ完成品に、手持ちの模型たちを配置したもの。
ちなみにミニカーはオクスフォード製のデイムラーDS420リムジン、路線バスは神奈中商事「神奈川中央交通オリジナルセットⅣ」の富士重工業5E、鉄道模型がKATOの「185系 リバイバル踊り子色」です。
乗りもの好きにとって、鉄道・バス・クルマの模型をジオラマとして一緒に飾れるのは代え難い魅力でしょう。

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ル・マンのダンロップブリッジも製品化


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ル・マン出場車のミニカーを数多く製品化しているスパークでは、ル・マンのサルトサーキットを象徴するダンロップブリッジを製品化しています。2009年に1/87と1/43スケールの2種類が発売され、特に1/43版は幅117cm、高さ29.6cm、奥行き15cmに達する巨大さ。ブリッジの素材も木製という異色の超大作でした。私自身、購入後のことを一切考えずに注文してしまったため、普段は倉庫に眠ったままになっています。いつかこれが飾れるようなガレージライフを送ってみたいですね。

ミニカーを博物館のように楽しむ


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ある程度ミニカーが集まってきたら、お気に入りミニカーの常設展示に加えて、企画展を定期的に開催するのも楽しいものです。例えば、6月には「栄光のル・マン」と題して歴代のル・マン優勝車を展示したり、秋には「F1日本グランプリ開催記念」としてF1日本GP仕様のミニカーをまとめて展示するような企画ができます。定期的に展示物を入れ替えると、部屋の模様替えのように気分も変わり、ミニカーを新鮮に楽しむことができます。
写真は「MARTINI RACING HISTORY]と題して’80年代から’90年代のマシンの一部をショーケースに並べたもの。ある意味、私設自動車博物館の館長でもあるので、自分でテーマを決めていろいろな展示を楽しみたいですね。

このようにいろいろなミニカーの展示方法をご紹介しましたが、これ以外にもいろいろな楽しみかたがあります。ぜひお気に入りのミニカーを「魅せる」悦びを体験してみてください。

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