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ドライブ

更新2023.11.22

メルセデス・ベンツ ML350 ブルーテックに乗って、びわ湖プロデュースオペラ「オテロ」へ

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中込 健太郎

琵琶湖畔に立つ滋賀県立のオペラハウスびわ湖ホールは、新国立劇場とならぶ設備をもつ我が国屈指のオペラハウスです。その設備もさることながら、ホワイエからはびわ湖が一望でき、「オペラを観る=演目だけを鑑賞する」という以上に「余暇の楽しみとしての価値」を訪れた人に感じさせるホールという点では、国立のオペラパレス(新国立劇場の呼称)を上回るといってもよいでしょう。さらに、開館以来、ホールとしてのメッセージ性を感じる演目や企画で、オペラハウスの運営という点でも注目すべきホールとして、ファンとしては見過ごすこともできないのです。

びわ湖ホールでぜひとも「クルマでオペラ」を


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また滋賀県という地理的な立地は、関西圏はもとより、新東名が整備され、伊勢湾岸道〜新名神を抜けてアクセスが可能であるという点で実は自動車でのアクセスが近年格段に向上しているという点を、私としてはぜひとも強調しておきたいのです。日本海からもアクセスがよく、京阪神エリアからもほど近い上に、びわ湖を抱える県内の名産を地産地消でもてなす風土や歴史的な町並み、風土が自然に生活に溶け込んでいる点は、お隣京都とは違った風情があるものです。とはいえ京都から近い大津などは、パーク&ライドで京阪を利用しての京都をはじめとした関西エリアの観光の拠点としても有効であるなど、クルマで出かける価値のある場所として、実はここ数年、毎年春はびわ湖ホールでのオペラを楽しみにクルマで出かけているのです。

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メルセデス・ベンツ日本様のご厚意で、ML350ブルーテックをお借りし、びわ湖ホールにヴェルディの歌劇「オテロ」を観てきましたので、その「オペラ」と「クルマ」の感想をここにまとめておきたいと思います。

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びわ湖ホールプロデュースオペラシリーズ「オテロ」を観る



毎回壮大なスケールをで楽しませてくれる「びわ湖ホールプロデュースオペラ」シリーズ。ヴェルディの晩年の作品で、シェイクスピアの戯曲をオペラにした「オテロ」が取り上げられていました。この作品のあとは「ファルスタッフ」残すのみというだけあって、派手なアリアなどは少ないものの、シェイクスピアをオペラにさせたら右に出るものはない、とさえ思わせるジュゼッペ・ヴェルディの誇りを感じる、というよりも、何か憑依でもしているのではないか、そんなある種の自然にオペラ化されているかのような雰囲気を感じました。

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おそらく、この演目を観るのは二回目。正直このオペラで入門というのはいささかきつい演目だと思いますが、それだけに、公演を完成させるにあたって、舞台、演出、演奏、歌唱といった実際に舞台の上で繰り広げられる質が問われる要素があり、他の演目以上に「ヴェルディの音楽」に頼れる部分は少ない、斜めにいえばそういう演目だったと思います。その点、この演目で大変重要な、信頼していたものとの間に逃れようがない運命のような形で立ちはだかる「裏切り」と、その時のそれぞれの内面にある真摯な人間性のようなテーマが克明に造り分けられていたと思います。

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ステージの設備がオペラ専用ではない神奈川県民ホールと、大分のiichiko総合文化センターとの共同プロダクションのため、正直びわ湖ホールの設備を余すところなく、せり出したり回ったりということはないタイプの比較的動きの少ない舞台装置ながら格調高さを感じさせるものでした。演出は粟国淳さん、そして指揮はびわ湖ホール芸術監督の沼尻竜典さん。京都市交響楽団と二期会合唱団がそのタクトに応える布陣でした。アントネッロ・バロンビのタイトルロールもさることながら、最近観る公演で「こともなげに」好演を見せてくれる安藤赴美子さんのデズデモナは今回もぶれませんでしたし、この日のイアーゴ堀内康雄さんはあるいは最善のコンディションではないようにも感じたものの、依然ヴェルディバリトンの風格のみならず、圧倒的な説得力は健在。キャスト全体のバランスもよく見応えのする公演でした。

次回のプロデュースオペラはどんな演目で楽しませてくれるのでしょう。今から楽しみです。

「ドライビングプレジャー」…あなたの人生はそれが


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さて、その大津までのアシは、もともと北米市場などを意識して誕生した車種メルセデス・ベンツML350 BLUETECHで大津を往復しました。MLの中では、半数を大きく超えるボリュームを占めるこのクリーンディーゼルモデルなのだとか。価格的にはEクラスのブルーテックモデルとほぼ同程度、よりアクティブな印象のオフロードガ欲しいというのであれば、このクルマを購入する人が多いのはうなずける内容です。 第一印象「大きい」この感覚は禁じ得ませんでした。メルセデス・ベンツ日本に拝借に参上したのはホテルーオークラの先の都内では小高い高台の上ですが、桜田通り神谷町界隈を挟んだ位置に都内最高峰「愛宕山」がありますが、感覚的には『愛宕山だな…』と。オーバーではなく、目の当たりにした時、正直その売りをそう過ったのですからしかたありません。AMGスポーツパッケージの広報車の全長は4845mm×幅1950mm×標高、もとい全高は1795mm。なるほどなかなか荘厳な大きさです。

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ただ、乗ってみると拍子抜けします。このたっぷりした全幅が奏功してすばらしくハンドルが切れるのです。そしてその操作感は軽やかそのもの。都内で乗った感覚は最新のCクラスと大差ありません。こういうところが実にメルセデスのいいところだと思います。良心を感じます。そして見た目も立派で255/50R19なんぞという、聞くにおぞましいほど粗野な乗り心地を想像してしまうタイヤをはいていますが、乗り心地は実にマイルドながらしかし、しっかりと路面の情報はドライバーに伝えてくれるそんな味付けで、街中から高速、カントリーロードまで安心して運転できるクルマです。ここもぶれないメルセデス、であります。

そして、正直新幹線で行くより運転している私自身が「楽ちん」とおもったのはディストロニックプラスの恩恵に寄るところが多いでしょう。平たくいうとここでは「頭のいいクルーズコントロール」とでも申しましょうか。スピードをセットしたらあとはブレーキの上に足をおいておけばそれでOK。前方の車間距離も判断して実にマイルドに、「ヒューマニズムあふれる加減速」を勝手にしてくれるのです。急に前にクルマが現れて「かくん!」とかブレーキがかかることもなく、ゆったりと人間が運転しているかのようなナチュラルな挙動をクルマの方で勝手にやってくれるのです。長距離ではこの機能、本当に効果発揮しますね。

しかし、ここで議論になるのは「そんなディストロニックプラスなんて楽しいのか?」「メルセデスベンツって楽しいのか?」という議論です。今回オペラを鑑賞したあと450キロ先の我が家まで帰ってきました。道中も脳裏でカーテンコールが続いているようなのです。伊勢湾岸道を走っているときに、名古屋港の光を眼下に見ながら、オペラの公演の余韻に浸りつつ家路につけるのです。クルマの楽しさは「目の前にある操る楽しみ」は大切でしょう。このクルマ、その点もしっかりと造られていて、SUVだてらに悪くないと思います。でもです!でもしかしであります!

「あなたの人生の楽しみは目の前にあるクルマを操る悦びだけなんですか?」

もっと思い、想い馳せ、懐かしみ、余韻に浸る、感動する…そういったことを抱えてクルマに乗ることもあるのではないでしょうか…

「メルセデスならそういうときも快適で安全なクルマで居続ける自身はありますけどね」

今回Mクラスを拝借して、関西を往復してみて、そんなメッセージをこのクルマからもらったような気がするのです。クルマ自体のタフネスを求めるならGもあります。SUVというのは、そんな人生のシーンでいい仕事をする黒子としての節度は大切なのではないでしょうか。そういう意味で、このMクラスは愛車がメルセデスであることを誇示する為のクルマではなく、私の人生の足であれ、相棒であれ。そういう一台として、なかなか上手いキャラクターをソフトのみならずハードウエアとしても内包した一台なのだなあと感じました。

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燃費は三分の一ほどはかなりこってりとした渋滞もあった中で、カタログ値に迫る12.0km/l。2280kgの車体を軽々と走らせての経済性としては優秀といってよいでしょう。

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なるほど「メルセデス」が待っているという人生。ただただご同慶の至りという他ありませんね。


[ライター・画像/中込健太郎]

※当記事は過去公開した記事の再編集版です

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