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ドライブ

更新2023.11.22

おいしいケーキの旅。The Beetleで「ポアール帝塚山本店」から東京へ

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中込 健太郎

川崎市の多摩区エリアは、かなりケーキ屋さんには事欠かない。近所にあったシャトレーも、まあ、体裁は街中のケーキ屋さんだが、しっとりと重厚感のある滑らかな生クリームは虜になります。そこは店頭でソフトクリームを販売していて、よく小さいころはその場で巻いてもらったものです。小田急線の線路沿いにある「なかがめ」もドイツ菓子の名店で、何人もここのケーキが一番という人を知っている。ファンの多いお店でしょう。

新百合ヶ丘で人気のリリエンベルグ


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そしてエリアでは一番有名なお店の一つかもしれません。新百合ヶ丘から少し住宅地のほうに歩くとしゃれたヨーロッパの山小屋風のお店が目を引く「リリエンベルグ」は、遠方からきて挨拶もほどほどに、せっかく来たから行きたいので連れて行ってほしいといわれたことが一度ではない、そんな全国区のお店。そういうケーキ屋さんはわりといろいろなところにありますが、駐車場があってしばしばその列が渋滞になっているほど。ウィーン菓子の名店で、ザッハトルテなども有名ですね。そんな環境にいると、おいしいケーキが普通のことのように感じられてしまうのですが、それはとんでもないこと。みな手作りですので当然ですが、いろいろですよね。ですから時々少し離れた場所のケーキ食べたくなるのです。

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そして関西へ旅立つ


フォルクスワーゲン広報のIさんから「中ちゃん、よかったら新しいビートル乗りに来ない?」なんて誘われて「あ、行きます!」なんて二つ返事をして大阪行きが急きょ決定。「せっかく行くんだから何か食べて来よう」と思った次第です。こういう時のこの機転、気の利かせ方がほかのことにも役立てられていたら、もう少しましな人間になっていたに違いない、などともう実現不可能な反実仮想を並べたりするものですが、まあいいでしょう、楽しいので(笑)

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飛行機で関西空港へ向かいます。はじめて乗りました。スターフライヤー。なかなか楽しいですね。一見シックなCI、はじめ企業イメージですが、随所に乗客を楽しませようという意欲が感じられます。なかでも「緊急避難の際の非常用設備の案内VTR」にはお茶を吹き出しそうになりました。そもそも設定が、機内ではなく、ジャズクラブ。快適な機内での時間をジャズクラブでの楽しいひと時にシンクロさせているのでしょう。そして、映像の中で曲にノリ、立ち上がってリズムをとる女性が移ると、ナレーションで「つい踊りたくなってしまう気持ちも分からなくもないですが…」などという前置きの映像が流れるのです。「おいわかるなよ!踊りたくなるってw」と突っ込んでしまいたくなりました。

気のせいでしょうか、エアバスの飛行機はボーイングの飛行機に比べて固いかんじがします。ボーイングの飛行機のほうがもっとしなる感じがしますよね。たぶん初の大型旅客機、ジャンボ。747の肝はその「しなり」なんだといつも思っていました。もちろんエアバスだってしならないわけではなくて、向かい風という流体を進む飛行機ですから、それなりに流体と戯れる性質は与えられているはずです。でもA320のどことなく硬い感じは、日本ではどちらかといえば少数派の機材。そんな機材でのフライトをしばし楽しんでいると、たちまち大阪湾の南に突き出した関西国際空港に到着です。

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関西空港ですので、飛び立つと一時間程度で到着。私が到着すると、駐車場にすでにクルマは用意されていました。ナビをセットしていざ出発。長居公園の近くで知人と合流することにしました。阪神高速の湾岸線は私の好きな道です。免許を取ったばかりの時は首都高の湾岸線が好きでしたが、あちこちに出かけるうちに、福岡都市高速の湾岸線と阪神高速の湾岸線のほうが首都高以上だな、と思うのです。

まず景色がいいのです。かなり高いところを通りますが、港湾エリアから、工業地帯、遠くに大阪や神戸の街並みが見える場所もあります。それが夜は美しい夜景となって視界に飛び込んできます。好きな道の一つですね。距離も長く、関空のあたりから、神戸のあたりまで行くと相当の距離のドライブができます。そんな大阪市内まで湾岸線を走ります。今のThe Beetleはその点かなりしっかりと作られたクーペの成り立ちをしています。運転席に座っていると、視界に飛び込んでくる大阪湾岸の夜景がそんなクーペのサイドウィンドウで切り取れて目に入ってくるのです。ちょっと雰囲気があっていいものです。

クルマがその人のアイコン


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クルマがアイコン、というのは確かにいいものでだなと思ったのは、長居公園のところで知人のシトロエンBXを発見した時のこと。今や大変希少なBXだから一目で気がつきました。そういう目立つ存在で目印としてわかりやすいという意味合いもあるでしょう。もっとフラットな部分では、道路ってやはり社会であって、今では実社会では個人情報、とかプライバシーとか、すべてをつまびらかにしない要素を盛り込んでいこうとしています。

しかし、道路という社会は、単純に事故が起こらないように流れを重んじるという共通認識が支配的であって、それ以外のことは二の次の世界。あのクルマ、どうしようとしているのかな?そんなインフォメーションがアイコニックなクルマはわかりやすいですよね。もちろん、あのクルマは山本さん、あのクルマは吉田さん。そういう個人情報をひけらかしているわけではないのですが。派手でわかりやすい、目立とう根性というのより少しマイルドな「社会的アピール」は大切なことだなと思いました。今でいえばそういうメッセージを、キーを預かったThe Beetleは持っているな、そんな風に感じた次第です。

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地元で評判のポアール帝塚山本店


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知人のクルマについていくことしばらく。お屋敷町の一角、阪堺電車の線路の横の角にある大きな建物がこの日行った、ケーキ屋さんポアール帝塚山本店です。やはりケーキ屋さんというには大きな駐車場がありますね。「ここ、地元のでは評判の名店なんですよ」とオススメしてくださいました。クルマを置いてお店の前の、阪堺電車の停留所のほうに少し顔を出すと、かなたにあべのハルカスが見えます。

大阪帝塚山、というのはどのあたりかしら、以前からあまり位置関係はわからないでおりましたが、あべのハルカスから真南に下ったあたりのお屋敷町、ということになるわけです。店内に入ると大きなショーケースにきれいなケーキの数々。もちろん時間が時間でしちゃので売り切れてしまっているものも。とくに季節のモンブランなどは完売。残念!二回の喫茶部に行って、大人の男二人でケーキをいただきましたよ。こういうのがいいのですね。

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モンブランがないのではまあ仕方ない。バーならマティーニ、ケーキ店ならショートケーキでしょう。元のホールの大きさが実に興味深い、大きな方のショートケーキをいただくことにしました。

口に含むとやられた、と思いました。まず、バターと甘みのさじ加減が実に素晴らしい。もっとはっきり申し上げると「西の文化における、あ、負けた。これはかなわん。」そう思わせられることがしばしばあるのですが、そんなある種の敗北感のようなものを感じさせられる一品だということができるかもしれません。実にきめが細かい、でも口に含んだ瞬間はある程度の存在感がある豊かな風味、ある種の重みを帯びたクリーミーさがある生クリームは決して甘すぎないのです。

しかしミルク、素材の風味も感じられる濃厚さと、それがべたっとしない味のキレのようなものもあるクリーム。それとのコントラストで考えるとしっかりと甘みもあるスポンジケーキとの対比が絶妙。なかなか調整が難しいのがイチゴの酸味でしょう。厳密には都度、時期によっても違いはあるでしょうから。しかし、そのイチゴが持っている香りと酸味と甘みから、ちょうどいい距離感を保っているクリームとスポンジの距離感には頭が下がるほどですね。

一緒にいただいた、コーヒーや紅茶もオリジナルのこだわりのものがいただけて、ケーキにはよく合います。

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The Beetleは裏切らないクルマ


また東京に来たら今度は僕がおいしいところご案内しますね。なんて言いながら、お別れしいざ東京へ向けてビートルを走らせます。夜は京滋バイパスのほうが早いことがありますね。あれを使うと石山を過ぎてたちまち名神高速と合流です。草津あたりにくると新名神が事故で渋滞とのこと。所要時間がかなりかかっているようす。久しぶりに名神を進むことにしました。距離的には余分に走ることになりますが、そんなことが億劫にならないのがフォルクスワーゲンのドイツ車たるいいところ。ドライバーとして折れさせない安心感は大したものです。眠くなったら仮眠をとることになりますが、それ以外でことさら疲労を感じさせることがありません。

関西空港の段階で燃料タンクの目盛り四分の三ほどでスタートしましたが、なんとか横浜町田まで無給油で走り切りました。燃費の良さもさすがです。今やクルマを購入すること自体、首都圏で生活をしていると贅沢とされてしまいます。ある程度収入のある方が、何かクルマがほしい。しかも愛嬌のあるクルマがいい、そんなときにこのクルマは大いに候補に挙がる可能性を持っているでしょう。でも現行のThe Beetleは「うっかり雰囲気やノリ、見た目で買ってしまっても裏切らないクルマ」だと思うのです。これはもしかすると以前に借りたときに試乗記に書いたかもしれません。さらに、少し熟してきてクルマの仕上がりがしなやかになった印象があります。もっと実用的なクルマもあります。もっと装備面で充実したクルマだってあるでしょう。でも気に入ってしまったら、それを犠牲にする、我慢することにどれほどの意味があるのでしょうか。

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月がきれいだからクルマを走らせる。そんなことが人生に一度や二度は皆さんにあっていいと思うのです。気に入って買ったクルマを購入し、駐車場ではいつも相棒のように待っている。いざキーをひねって出発。意のままに、クルマで走る。そんなドライブでも何かをさえぎるようなものはこのクルマにはないでしょう。クルマとしての基本性能はしっかりとした水準を保っている。新奇さも、斬新さもそれほどないが、愛嬌とこの懐の深さこそ、このクルマが成立する上での重要なスパイスのような気がします。うっかり買ってしまっていいと思います。ローンが通っちゃったから契約書にサインをしてしまった。そんなことは皆さんが思うほど珍しいことでもないでしょう。数あるクルマのなかでご縁があることって素晴らしいと思いませんか。いろんな方に薦めたいが、この「ちょっと高級な入門編」としてのチョイス、いいと思います。でももしこのクルマでカーライフスタートさせたら、もしかして、下手なクルマには乗れなくなるかもしれません。控えめに言っても「わりとちゃんと」してますから。

ケーキおいしかった。あくる日のお昼過ぎ、返却するときに見返してみると、The Beetleは「ポアールのケーキの上のイチゴのようだな、しかし。」クルマがあるっていいものだと思いますね。

▼フォルクスワーゲン The Beetle 公式ホームページ
http://thebeetle.volkswagen.co.jp/

▼大阪帝塚山「ポアール」のホームページ
http://www.poire.co.jp/

[ライター・画像/中込健太郎]

※当記事は過去公開した記事の再編集版です

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