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コラム

更新2019.03.13

世界中の自動車マニアも集う!?観光地としても発展しつつある岐阜県のスカイライン専門店「R31ハウス」

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鈴木 修一郎

前回、ABSのアクチュエーターの不具合で危機的状況というお話をした我が家の日産クルー。

以前から1980~1990年代の日産車に乗っている知人から岐阜県に「R31ハウス」(柴田自動車株式会社)というその名の通り、R31スカイラインの専門店が存在し、R31スカイラインなら直らないクルマは無い、ストックヤードには3桁近い台数のR31スカイラインが並んでいる、オーテックやGTS-R等の限定モデルで、現時点で現存する個体でR31ハウスの手の入っていない個体は無いというウワサを耳にしていました。

もっとも、筆者の場合は1970年代以前のセリカとスバル360という門外漢なので縁が無いと思っていたのですが、R31以外の同年代のクルマも扱ってくれるという話を聞き、「藁にも縋る」思いでR31ハウスにお邪魔してみました。

何処を見てもR31スカイラインだらけ!




CL CARS読者の皆様のなかにもR31ハウスの名前を知っている人は相当数おられるかもしれません。もしかしたら、現に愛車をR31ハウスに預けているというスカイラインオーナーの方もおられるのではないでしょうか?

「とりあえず、使えそうなABSアクチュエーターは無いか探してみましょうか」とヤードに案内されると…



なんとヤングタイマー世代のスカイラインの山!前後左右どこを見てもR31スカイラインしかありません。これでもストックのごく一部です。



文字通りスカイラインが稜線(スカイライン)を描いています。ほとんどがR31型スカイラインですが、一部Y31セドリックやR32、33スカイライン等のヤングタイマー世代の日産のFR車で埋め尽くされていました。とはいえ、さすがにR31ハウスといえども日産クルーのストックはありませんでした。

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R31スカイラインなら直せないトラブルは無い




R31ハウスさんのご厚意で、工場内も見せていただけました。防錆処理技術が格段に進歩した1980年代以降のクルマでも30年も40年もたてば錆や腐食と無縁ではいられないようで一見なんともないように見えても、やはり水のたまりやすい箇所は腐食が進んでいるケースが多いようです。

かくいう筆者のクルーも雨どいやリアガラスのシール部分からサビが発生していて、出来る事ならいつかはボディレストアもしたいのですが…



リアクォーターはサンディングして鈑金補修中、いわゆる「パテを使わずハンマリングだけで面出しして、パテはキズ消しだけに使う」という本物の鈑金補修です。腐食した所はボンデ鋼鈑から切り出すという本物のレストア作業。工場には若い人も多く中にはフィリピンから技術を学びに来た外国人もいて、技術継承にも余念がありません。

リプロ部品も自社開発


もちろん、これらのスカイラインを直すにも、すでにメーカーからの部品供給は打ち切られています。ストックヤードには膨大な部品取り車があるといっても限りがありますし、持病のように壊れる頻度の高い部品や消耗品は解体車もすでに壊れているか喪失しているのが常です。


▲樹脂パーツは全て金型からおこして作っているそうです

そういった部品は金型を起こしてリプロ部品を自社開発、前回「人気のある車種であればむしろリプロ部品があって逆に維持に困らない環境が出来つつある」と書きましたが、殊R31スカイラインに関してはR31ハウスの尽力により、「維持に困らないクラシックカー」になりつつあるようです。


▲倉庫には山のように積まれたR31スカイライン用の部品

製造している工場は台湾にあるとのことで、ここでも部品の生産拠点として台湾の名前が出てきました。リプロ部品を扱っている業者の方と話していると大抵は台湾が出てくるあたり、自動車部品の製造拠点として台湾はかなりホットな地域なようです。

気になる品質ですが、日本の自動車メーカーに純正部品として納入している実績もあり、R31ハウスで扱っている部品に関してはジャパンクオリティを満たしているとのことです。


▲この建物の中で新製品を開発中とのこと

もちろん開発内容は秘中の秘で見せてもらうことは出来ませんでしたが、3DCADやマシニングセンタ、3Dプリンタ等の最新の開発機器が並んでいるそうです。出来ることならR31スカイライン以外のヤングタイマー車のリプロ部品の開発もお願いしたいところなのですが…



開発しているのは実車だけでなく、RCカーも(!)やはり最近はRCカーでもドリフトが人気のようです。レイアウトや走行特性は実車の開発と変わりないそうで、RCカーの駆動方式は4WDが一般的な中、実車と同様の後輪駆動で高いスタビリティを実現したモデルもラインナップにありました。

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じつは観光地と化しているR31ハウス




正直な所、今回R31ハウスにお邪魔したのはクルーの修理相談半分、筆者の物見遊山半分で来たのですが、今回対応していただいたメカニックの方の話では、海外の観光客のツアーの観光スポットにもなっているようです。よくオーストラリア等の日本車の人気の高い国からの外国人観光客が、一介の(?)自動車修理工場にも関わらず観光目的で来るほど、世界中の自動車マニアにはその名が知れ渡っており、スカイラインオーナーには世界的な聖地同然の整備工場のようです。

ところで筆者のクルーですが、意外や既存のコンポーネンツで低コストで開発されたというイメージとは裏腹に、ABSはクルーの専用設計という事が判明。実際にヤードにあった解体車を見てもR31、32スカイラインはもちろんY31セドリックやC33、34ローレルとも全く違う部品が付いていました。

リサイクルパーツを探してもらったものの、該当する部品はナシ、まだ当分は悩ましい日々が続きそうです。

R31HOUSE
柴田自動車株式会社
住所:〒505-0071 岐阜県加茂郡坂祝町黒岩1081
TEL:0574-28-0899
FAX:0574-28-0897
公式サイト:https://www.r31house.co.jp/
E-mail info@r31house.co.jp

[ライター/写真 鈴木 修一郎]

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