292台限定のタイムマシーン、ポルシェ959

最終更新日: 公開日:2016-02-20 | Posted in コラム by

当時、筆者が強烈に記憶しているのは「最新の自動車技術の粋を集めた1台。それがポルシェ959というクルマだ」というフレーズでした。とにかく何だか分からないけれど、当時の技術水準を遙かに超えた、ものすごいクルマが完成したんだ。子供ながらにそう感じたことを思い出します。ポルシェ959とはどのようなクルマだったのでしょうか。

ポルシェ959が生まれるまで

ときは1981年のフランクフルトモーターショー。パールホワイトに塗られたポルシェ911ターボ(930)カブリオレに4WD機構を組み合わせたモデルが出品されました。このクルマの下回りには鏡が置かれ、その見た目だけでなく、メカニズムもハイライトのひとつであることがアピールされました。

その後、1983年のフランクフルトモーターショーで「Gruppe(グルッペ)B」が出品され、同時に200台限定の予約が開始されます。

しかし、このクルマにはエンジンは搭載されていなかったのです。さらに2年後、1985年に開催されたフランクフルトモーターショーにも、より生産型の959に近いフォルムを持つ「グルッペB」が再び出品されました。最終的な仕様は、450馬力、革新的な4WDシステム、200台の限定生産、そして42万ドイツマルクという価格。そして、この959はすでに完売していることがアナウンスされました。

その後、1984年には911ベースの、1985年〜86年には959プロトタイプがのパリ・ダカールラリーに参戦。1986年には優勝を果たします。さらに、959のコンペティションモデルとして、86年のルマン24時間レースに参戦した「961」も、総合7位で完走しています。

1986年をもってグループBカテゴリーは消滅してしまいますが、まさに「走る実験室」として、実戦で鍛え上げたノウハウを市販車(959)に反映していったことが見て取れます。

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この記事の筆者:江上 透

CL副編集長。輸入車関連のセールスプロモーション、ウェブサイト、紙媒体、ラジオ番組の企画/制作/運営...