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コラム

更新2020.08.21

1996年に市販されて20年。ボクスター コンセプト再考

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松村 透

初代ボクスターが発売されたのが1996年。早いもので、今年で20年です。最新モデルの「718ボクスター」では、ついに6気筒から4気筒ターボエンジンに置き換えられました。



ボクスター(Boxter)の名前の由来が、「Boxer」と「Speedstar」を組み合わせた造語であることは有名です。そんなボクスター コンセプトモデルがデビューしたのは1993年のデトロイトショーでした。

1990年頃のポルシェ社は、販売不振で苦しんでいたことを覚えている方も多いのではないでしょうか。ポルシェ928の生産ラインで、メルセデス・ベンツ500E(W124)が製造されていたのもこの時代です。

SUVや4ドアモデルも存在するいまでは考えらえれないことですが、ボクスターがデビューしたことで928と968の生産が終了し、ポルシェ911(993/996)とボクスターの2モデルだけでポルシェ社を支えていた時代があったのです。

1990年前後に「ポルシェ989」という名の4ドアセダンが発売されるかも…という噂がまことしやかに囁かれたこともありました。しかし、これは幻に終わりました。これは私見ですが、当時は「ポルシェが4ドアセダンを出すなんてけしからん」という、ある種の拒否反応が市場にあったような気がしてなりません。

そんな最中、突如発表されたのがボクスター コンセプト。

当時はインターネットを使って情報が得られる時代ではありませんから、主なニュースソースは自動車雑誌です。あのジェームス・ディーンが所有していた550スパイダーや、RS61という名のレーシングカーを想起させるデザイン。「どうやら新型はミッドシップエンジンのオープン2シーターモデルらしい!?」という憶測が流れるほど、デビュー前から期待値はかなり高かったように思います。

筆者の記憶では、1993年に開催された東京モーターショーのポルシェブースにも、このボクスター コンセプトが展示されました。初めて肉眼で観るボクスター コンセプト。思わずテンションが上がってしまい、スタッフの方に「これ、いくらで買えるんですか?」と、買えもしないのに質問攻めにして困惑させてしまった記憶があります。

そしていまから20年前、市販モデルのボクスターの販売がスタートしました。安価といっても、あくまでも911と比べたら…の話し。当然ながら手の届く存在ではありませんでした。市場では、ボクスターの存在が受け容れられ、20年経過した現在でも販売されています。これは、924から944、そして968が生産されていた期間を合算したものと肩を並べたことになるのです。

無事に市販モデルが世に送り出され、ひとまず役目を終えたボクスター コンセプトは、現在ドイツのポルシェミュージアムに収蔵されています。ポルシェ社の歴史に残る1台として、いつまでも語り継がれていくことでしょう。

[ライター/江上 透]

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