ピニンファリーナデザインよ、もう1度。フェラーリ・テスタロッサの遺したもの

最終更新日: 公開日:2016-02-13 | Posted in コラム by

この現代版(といっても30数年前ですが)テスタロッサのスタイリングは、フォーミューラーカーがモチーフとなっているのです。それまでの512BBiまでは、エンジンはミッドシップマウントであっても、ラジエーターは車体前方に置かれていました。しかしテスタロッサは、開発の早い段階から「ラジエーターを後方に設置することで冷却効果が期待できるスタイリング」というオーダーが、フェラーリからピニンファリーナに要求されていたのです。

つまり、テスタロッサの特徴的なサイドフィンは「はじめにメカニズムありきで生み出されたスタイリング」といえるのです。その後、ドアミラーの取り付け位置やホイールのデザイン(センターロック式から5穴へ変更)を含め、目視上での変更点はわずかであり、そこを判別する(できる)ことがマニアの密かな愉しみともいえます。

1992年。テスタロッサから、512TRへ

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テスタロッサが誕生してから8年が経過し、1992年1月に後継モデルにあたる「フェラーリ512TR(以下512TR)」がデビューを果たします。奇しくも、フェラーリ社の前社長にあたるモンテゼーモロ氏就任後、最初にリリースされたモデルが512TRとなったのです。またさらに、ヨーロッパよりも先に日本で発表され、発表前に生産が開始されていたこともあり、デリバリーのタイミングも同時であったことなど、異例づくしのモデルとなりました。

512TRは、発表当時から「テスタロッサとは別のクルマ」とフェラーリ側が明言していました。

テスタロッサと比較して軽量化され、エンジンパワー、ブレーキの強化、シャーシおよびエンジンマウント方式の刷新しつつも、外観の変更は素人目にはごくわずか。しかし、テスタロッサと並べてみるとその違いに改めて気づかされます。

日本におけるテスタロッサ(およびその系譜)の未来

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7177台が生産されたフェラーリ・テスタロッサ。ご存知の通り、ここ数年で急激に中古車相場が上昇しており、日本から海外へと流れていく個体も多いようです。当時は大柄に見えたスタイリングも、現代のフェラーリと並べてみると、むしろ控えめな奥ゆかしささえ感じるほどです。

もはや、ネオクラシックカーの領域に入った感のあるフェラーリ・テスタロッサ。この美しいスタイリングを、後世にも語り継いでいきたいものです。

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この記事の筆者:江上 透

CL副編集長。輸入車関連のセールスプロモーション、ウェブサイト、紙媒体、ラジオ番組の企画/制作/運営...