イオタSVRだけではない。ランボルギーニ イオタのレプリカに迫る

最終更新日: 公開日:2016-04-25 | Posted in コラム by

ランボルギーニ ミウラが生誕50周年の節目を迎え、前回の記事ではその誕生した背景とともにファンの多いイオタの謎に迫った。ここではランボルギーニが1台のみを制作したイオタをリアルイオタと表記する。

▼前回の記事
生誕50年のランボルギーニ ミウラの背景を交え、違いが多いイオタを振り返る
https://crediblecar.life/column/jota-the-cryptic/

今回はミウラをベースとしたイオタレプリカの詳細を掘り下げていきたいと思う。

イオタレプリカについては、本物が4台または6台存在するなど諸説ある。そのイオタレプリカが生まれた経緯も含めて解き明かし、ひとつの答えに迫っていきたい。

※イオタレプリカのことを「SVJ」と呼ぶことが多いが、ミウラ SVをベースとしたイオタ仕様であることをSVJと表現していたり、単にイオタレプリカをSVJと表現していたりする場合があるので、この表現は避ける。また本物と定義する際に、ランボルギーニのファクトリーで製作されたものなのか?ということを重要視して説明を進めていく。

続いて、ランボルギーニのファクトリーで製作されたイオタレプリカの仕様の詳細について紹介する。すべてのイオタレプリカが同一の仕様ではなく、個体それぞれ装備が若干異なっている。外装面では固定式のヘッドライト、フロントノーズに取り付けられたチンスポイラー、フロントカウルのグリルが取り払われクイックリリースタイプのフューエルキャップに交換、2本あるワイパーを1本に簡略化、フロントカウルとリアカウルにエアインテークを追加がされている。エンジンは3気筒を1つにまとめた特徴的な4本出しマフラーの他に、BENDIX製のフューエルポンプなどミウラとの相違点がある。

スーパーカーブームの洗礼を浴びた人々のみならず、クルマ好きの日本人なら、イオタと言われれば、ほとんどの人がこのクルマを思い浮かべるだろう。通称「イオタ SVR」と呼ばれるこの個体は、1968年製のミウラ P400をベースとしたイオタレプリカだ。70年代のスーパーカーブーム時にはイベントに登場し、サーキットの狼にも登場している。また、その唯一無二のスタイリングや、あまりにも特別な存在でミステリアスであることから、現在に至るも絶大な人気を誇っている。

余談だが、このSVRという呼称は最初から名付けられていたわけではなく、後から付けられたものだ。たった1台しか存在しないクルマに対して名前が後から生まれ、共通認識として持てている状態であることは類まれな事象であり、伝説とも呼べる存在だからこそ起こりうることなのだろう。

イオタ SVRは、ドイツでランボルギーニのディーラーを営んでいたHubert Hahne(ヘルベルト ハーネ/フーベルト ハーネ)のオーダーによるもので、BBS製のホイールをランボルギーニへ持ち込んで製作を依頼したとのことだ。当時ランボルギーニのイオタ仕様へのカスタマイズは、ランボルギーニ本社の整備部門で行われていた。シャシーナンバー3781のミウラはここでイオタ仕様となり、1975年に納車される。その後1976年に日本へ上陸し、愛知県の東名モータースなどが所有していた。2015年には赤坂のビンゴスポーツの在庫車となり、既に顧客の手に渡っている(2016年4月現在)。数年前に日本でフルレストアが行われ、ブラックだった内装はオリジナルのマスタードへ変更されている。

他のイオタレプリカとは異なる部分が多く、当時最新のタイヤであるピレリP7や、BBS製のホイール、通常より太いタイヤを収めるために広げられたリアフェンダー、ルーフにはスポイラーが装着されている。

イオタ SVRを作ったHubert Hahneであったが、本物のイオタが現存していた時にファクトリーでその姿を目撃し、イオタに魅了されてしまった一人だという。イオタ SVRを作る以前にもランボルギーニにイオタ仕様のミウラを注文している。それがシャシーナンバー4860のミウラ SVだ。1973年に納車を行っていて、最初はブラックであった車体色はシルバーとなり、この個体は現在も日本に存在する。40Lの燃料タンクを追加していることがこの個体の特徴だ。

ちなみにHubert Hahneは自身のイオタレプリカを参考に、ドイツでイオタレプリカを複数台作ったと発言している。スーパーカーブーム時の日本でも、イオタであればイベントでのリース料が高くなるなどしたため、多くのミウラがイオタ仕様へ改造されている。商売する上で、イオタであるという箔を付ければ高く売れるのは、世界各地でも同じだったのだろう。

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この記事の筆者:中野 ヒロシ

カッコいいクルマが大好きです、メカニズム的な面も好きで普通のスポーツカーからチューンドカーも好き...