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コラム

更新2020.08.24

フィアットの小型大衆車の決定版、プントの歩んだ道

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外車王SOKEN編集部

■「街乗りでも、スポーティーにも乗りこなせる、フィアット・プント」
フィアットウーノの後継車として1993年にデビューした「フィアット・プント」。「プント(PUNTO)」は英語のPOINTにあたり、コンパクトカーの集約点とか、先端をいくといった思いを込めて命名されたそうです。日本でのデビューは1997年で、当初はCVTのプント・セレクタとオープンモデルのカブリオ・セレクタが導入されました。

その後、1999年に100周年を迎えたフィアットは、プントを進化させました。初代の街乗り仕様の小型大衆車のイメージから、スピードギア(CVT+シーケンシャルシフト)と高性能仕様のHGTアバルトへと変化を遂げ、そのスタイリングは初代より落ち着き感がある無駄のないスマートな外観となり、スポーティーな走りを可能にしたスペックに生まれ変わるのでした。

2003年1月には、80馬力の1.2L直4DOHC16バルブと130馬力の可変吸気&バルブタイミング機構付きの1.8L直4DOHC16バルブの2種類が登場。ヘッドライト部分のデザインが、よりスマートに洗練されたイメージに変貌し、2003年12月には、フォルムが少し丸みを帯びたアバルト仕様をはじめ高性能バージョンの車種が設定されていきます。これらの車種は、WRC(世界ラリー選手権)をはじめとした国際ラリーの部門で活躍。FF車同士が競い合う当時のスーパー1600クラスや、スーパー2000クラスにはラリー仕様にチューニングされた「プント」が参戦して迫力満点の走行を観客にみせました。



2006年には、フィアット・グランデ・プントとして、全体的に丸みを帯びたボディ・デザインに切れ長のヘッドランプを組み合わせて、スポーティーなイメージを強調した安全性を重視したスペックに生まれ変わって登場。その安全向上の機能とは、車両の挙動を最適に維持する安全機構のESP (エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)や駆動スリップを防ぐASR (アンチスリップ・レギュレーション)を標準装備したのです。

これにより、横滑りしやすいコーナーでも車輪にかける駆動力を適切にコントロールし、駆動輪タイヤの駆動スリップを防ぐようになりました。車内には、デュアル・エアバッグと左右前席サイド+ウィンドエアバッグと合計6つのエアバッグを標準装備して、高い安全性能を確保しました

■「プントのより研ぎ澄まされた進化形が登場し、究極の仕上がりで2014年の終焉へ」
グランデ・プントを様々な面で進化させた「プント・エヴォ(PUNTO EVO)」が2009年に登場。「エヴォ」とは、テクノロジー、ドライバビリティー、環境性能などを重視した新型車開発に対する進化「EVOLUTION」を意味して名付けられたそうです。スポーツ・カー風のスタイリングでありながら、室内は広く視界性能も良いというフィアットの基本コンセプトを踏襲したモデルへと変貌しました。乗り心地も俊敏に動く小気味良さと高速走行のしっとりとくる安定感は、このクラスの車としては秀逸の出来栄えでした。

2012年には、「プント・エヴォ」は名称を「プント」に変更し、その外観と内装をより充実させていきます。エンジンには、力強い走りと低燃費を両立する1.4L 直列4気筒 SOHC 8バルブエンジンを採用し、アイドリングストップ機能START&STOPシステムによって燃料や排出ガスを抑えて環境への配慮にも余念のない車へと進化を遂げます。そして、走り屋の心をくすぐるマニュアルの愉しさとオートマチックの快適性を兼ね備えたATモード付5速シーケンシャル・トランスミッションの「デュアロジック」を装備しました。

究極の小型大衆車としてオーナーのドライビングハートを揺さぶるかたちにまで、フィアット・プントは仕上がっていきましたが、まるで小型大衆車の究極を完成させ終わったかのように2年後には、その姿を残念ながら消してしまったのが悔やまれるところです。

[ライター/CL編集部]

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