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コラム

更新2019.03.31

運転中に陥る「高速道路催眠現象」に注意!誰もが聞いたことのある運転中の怪奇現象や不思議な体験は本当にあるのか?

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糸井 賢一

暖かくなってくると、どこからともなく流れてくる怪談や怪奇現象。とくにクルマに関わる怪談は、枚挙に暇がありません。はたして本当に話の通り、心霊や亡霊といった人でない者の仕業なのでしょうか?

「タクシーの後部座席に乗った乗客が、走行中に消える」といった、しっかりとした目撃者のいる事例は検証が難しいので、ここでは「トンネル内を走行中、ぼんやりと光る人間を見た」や、「クルマがカーブの向こうに引き寄せられ、ステアリングもきれなかった」など、ドライバーが走行中に体験した不可解な現象を検証してみたいと思います。

怪奇現象の主な要因は高速道路催眠現象



▲長くクルマに乗っていると、一度は不思議な現象と遭遇したことがあるのでは?

見通しの良い道路上を運転中、居眠りをしていたわけでもないのに、突然、現れた前走車に追突してしまった。あるいは前方に故障車があると認識できていたにも関わらず、吸い込まれるように追突してしまった…。そのような事故の話を、耳にしたことはないでしょうか。これらの多くは高速道路催眠現象(HighwayHypnosis:ハイウェイヒプノシス)」により発生した事故だと考えられます。

高速道路催眠現象とは急なカーブや信号がないといった、運転操作の少ない環境を走行し続けることで、眠気の誘発や意識の鈍化が引き起こされる現象です。回りからはちゃんと運転しているように見えますが、実は注意力や判断力を欠如した、いわゆる「うわのそら」に陥っています。

先に挙げた「クルマがカーブの向こうに引き寄せられ、ステアリングもきれなかった」という怪奇現象は、この高速道路催眠現象が起因となった事故だと思われます。運転意識がひどく鈍化した状態にあると、前走車のブレーキランプや遠くにある目立った建物など、注意をひいた物体や光景へと無意識に向かってしまうことがあります。上記の例ならば、カーブ向こうの景色に注意をひかれてしまったのでしょう。途中で何となく「おかしいな?」と感じてステアリングを戻そうとしても、高速道路催眠現象から脱していない状態にあると引き続き注意をひいた物体に向かおうとします。これが「ステアリングがきれない」といった現象の正体です。

また高速道路催眠現象中は視野がひどく狭くなっており、目的(注意をひいた物体)以外は見えていません(厳密には視界には入っています)。「突然、景色が変わった!」や「突然、人が現れた!」といった怪奇現象は、高速道路催眠現象から覚め、視野が通常の広さに戻ったことで発生した現象だと思われます。

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乗員が多いと、車内の二酸化炭素濃度は急上昇する!


怪奇現象を引き起こすもうひとつの要因に、高くなりすぎた車内の二酸化炭素濃度が挙げられます。

濃度を表す単位のひとつにppm(パーツパーミリオン)があります。通常、大気中の二酸化炭素濃度は300ppm前後。繁華街や換気が十分に行われている室内で500ppm前後になります。健康な人ならば、二酸化炭素濃度が5000ppmある環境でも問題ないとされています。しかし体調によっては2000ppm前後で眠気や軽い頭痛といった症状が現れ、倦怠感、注意力散漫、心拍数の増加、吐き気を引き起こします。

カーエアコンを内気循環にしている場合、車内にいるのがドライバーのみならば、二酸化炭素濃度は1500ppmまでしか上昇しません。しかし乗員数の増加に伴って二酸化炭素濃度は上昇しやすくなり、4人が乗車するとものの15分で5000ppmに達します。
くわえて高速道路催眠現象に陥っていると呼吸が浅くなり、二酸化炭素濃度が影響しやすくなります。こうなると負の連鎖によって深い眠気や注意力の欠如がたやすく起こり、危険な状態に陥ります。

高速道路催眠現象に陥るのを防ぐには?


高速道路催眠現象は高速道路の走行時に限って起こるわけではありません。一般道であっても、通い慣れた道ならば惰性で運転してしまい、信号や急なカーブのある環境でも起こりえます。また個人的な経験からですが、高速道路催眠現象は自転車に乗っている(脚を動かしている)最中にも起こります。

現状、高速道路催眠現象の発生を完全に防ぐ手だては見つかっておらず、「発生しにくくする」予防策がある程度に留まっています。それでも予防策を知り必要に応じて対応することで、未然に防げる事故もあるはずです。

・高速道路催眠現象の予防策
○睡眠時間を十分取る
○こまめに休憩を入れ、休憩中は身体を動かす
○眠気を感じたら安全な場所へ移動し、仮眠を取る
○ガムなど噛んでアゴを動かし、脳に刺激を送る
○万が一、高速道路催眠現象に陥っても事故を起こさないよう、車間距離を取れているかを常に意識する

くわえて車内の二酸化炭素濃度を高くしないよう、エアコンは極力、外気取り入れを選ぶようにしましょう。


▲トンネル内は直線が続き、空気もあまりよくないといった、高速道路催眠現象が発生しやすい条件がそろっている

運転中に遭遇する怪奇現象の大半は、高速道路催眠現象、あるいは高すぎる二酸化炭素濃度が原因と思われます。しかし、世の中にはどうしても科学的に根拠の説明できない、不可解な現象ということも存在します。

怪奇現象の起こったと言われている場所というのは、不思議と事故の起こりやすいということもあるのかもしれません。通過する必要があったら怪奇現象を意識せず、すみやかに通過するといったことも大切かもしれませんね。

[ライター・画像/糸井賢一]

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