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コラム

更新2018.02.07

新東名ルートをクラシックカーで東京へ。事故を減らすにはドライバー任せではなくルールの変更も必要なのでは?

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鈴木 修一郎

クラシックカーの愛好家にとってこの季節というとビッグイベント、JCCA ニューイヤーミーティングでしょう。筆者も10年以上前に何度か参加したのですが、日本海CCRの記事に書いた通り、経済的にも精神的にもロングドライブどころではなくなってしまったのでご無沙汰していたのですが、せっかくセリカが直って帰って来たこともあり、久しぶりにニューイヤーミーティングにエントリーすることにしました。ただ、CLでのニューイヤーミーティングのレポートは江上さんが担当されているので筆者はあくまでいち参加者として書こうと思います。

いつもは関東方面に向かうときは自宅近くのジャンクションから名古屋第二環状自動車道(名二環)に乗り、名古屋ICで東名高速に出るのですが、今回はメインルートに新東名を使う事を計画していたので、名二環から直接新東名に接続している伊勢湾岸道経由でそのまま第二東名に出るルートで東京に向かう事にしたのですが…

高速道路でジャンクションやインターを間違えてしまったときの解決方法


愛知県の高速道路のジャンクションや環状線を走った事がある方ならご存知の方もいるかもしれません。名古屋の高速道路はアクセスが便利な反面、名二環、伊勢湾岸道、知多半島道路、名古屋都心環状線、東名高速、名神高速、中央自動車道、東名阪道、東海北陸自動車道、東海環状線が入り組んでいて、一つのジャンクションに3路線以上の分岐があることも珍しくありません。初見のドライバーには首都高速に迫る複雑さかもしれません。地元のドライバーですら迷う事もあります。筆者も伊勢湾岸道経由で関東方面(上り線)に向かうのは久しぶりだったので、ついうっかり関西方向(下り線)のインターに入ってしまうというミスをしてしまいました。

よく、インターを間違えた事でムリにUターンしようとしたり、急停車したりで最悪、分離帯に衝突したり逆走事故を起こすという事例があります。実はあまり知られていないのですが、インターを間違えた場合はムリに戻ろうとせずそのまま次の料金所に行き、一般ゲートの職員もしくはインターホンで事情を話せば、職員が車番を控えたうえで料金を徴収せずにゲートを開け、反対側のゲートからあらためて本線に戻してもらえる決まりになっています。

もし、高速道路で降りるインターを間違えてしまった、ジャンクションでルートを間違えてしまった際にはムリに本線に戻ろうとせず、一旦次の料金所で降りて、職員に事情を話して指示にしたがってください。筆者もつい最近知ったのですが、相次ぐ逆走事故を鑑みると、インターを間違えても職員に事情を話せば本線、反対方向の車線に戻して貰えるというのは周知されてもいいのではないかと思います。

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制限速度引き上げに必要なもの


新東名ルートといえば何といっても話題の110km/h区間を走る事でしょう。さすが設計速140km/hの4車線とあって、カーブのRも大きくアップダウンの勾配も少ないため、個人的な印象としては110km/hで走る事になんら支障は感じませんでした。140km/hとまでいかなくても120km/h制限でもまったく問題ないのではないかと思います。日本の制限速度は、観音開きのトヨペットクラウンやスバル360の時代の国産車の性能が基準になっていると言いますが、スバル360や観音開きクラウンから10年余り後の筆者のセリカですら十分問題ないと感じるくらいなので現行モデルの国産車ならなおの事でしょう。

ただ、一方で高速化に伴う走行レーンの厳格化がうまくいっていないというのも感じました。右側に行くほどスピードレンジがあがり、右側の車線は速いクルマ優先、右端の追い越し車線は常に空けておくというルールをもっと徹底してほしいという印象を持ちました。ムリな車線変更でぶつかりそうになる車両、ジムカーナのスラロームよろしく左右からすり抜けるように追い越しをかける車両、本来第一レーンを走らなければいけない大型トラックが追い越し車線に出てくる等、ドイツのアウトバーンには「VWはメルセデスに道を譲り、メルセデスはポルシェに道を譲る」というコンセンサスがあると聞きます。日本でも「カローラはクラウンに道を譲り、クラウンはGT-Rに道を譲る」というコンセンサスがあってもいいのではないかとも感じました。

近年、ドラレコやモバイルカメラの普及で表面化した「あおり運転」も、ドライバーのモラルの問題というより、こうしたスピードレンジと走行レーンのコンセンサスが確立していなことに起因しているのではないかとも思います。

やはりお役所仕事というのか、1960年代の国産車の性能の向上に日本の道路行政が対応しきれていなかったというのがなんとなく見え隠れしたような気がしました。本来ならすでに世界有数の自動車生産国となった1960年代末には道路行政の見直しや、スピード=絶対悪ではなく、高速化に対応したコンセンサスの確立といった議論があっても良かったのではないでしょうか。行政側にももう少し国産自動車メーカーや自動車ユーザーを信用したルール作りをして欲しいという気もします。もちろん、他のクルマよりスピードの出るクルマで高速レーンを走るということは相応の責任も負う事になるというのを自動車ユーザーも納得の上という前提ですが。

ユニークなご当地サービスエリア



▲まずはネオパーサ浜松で休憩

最近はサービスエリアを目的に高速道路を利用する人もいると聞きます、個人的には豪華なサービスエリアよりも簡素なサービスエリアでいいので通行料金を安くしてほしいという気がしますが、新東名が開通してから高速道路のサービスエリアも随分一新されたものです。後になって気づいたのですが、浜松SAの屋根の模様がピアノの鍵盤になっていました。



最近はサービスエリア内にご当地物のブースを設置するケースもあるようですが、浜松SAにはヤハマ楽器のブースがありピアノの生演奏を披露していました。このとき流れていた曲はTMNの「Get Wild」TMNといえば最近、小室哲哉さんが突如引退を宣言したことで音楽ファンが騒然となったばかりですが、やはり筆者には「Get Wild」と言えば北条司原作のマンガ作品「シティーハンター」のTVアニメ版初期のエンディング曲でしょう。何分、お色気シーンの多い作品ゆえに小学生の筆者がシティーハンターを視聴するのを母は快く思っていなかったようですが、主人公・冴羽リョウの愛車の赤いミニと愛銃のコルトパイソン357マグナムのアクションをいつも楽しみにしていました。

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冬は必ず雪道対策とメンテナンスを




浜松の次は足柄で休憩したのですが、関東地方を襲った突然の寒波の雪がまだまだ残っていました。


▲中には雪遊びをする家族連れも…

さいわい、数日前まで出ていたチェーン規制は数日前に解除されていましたが、念のためタイヤチェーンは用意しておきました。この時期になると突然の大雪で夏用タイヤのクルマがスタックしたり、スリップ事故を起こすというニュースを耳にします。年数回の雪のためにスタッドレスのタイヤセットを用意して置くにも保管場所が…という方もいるかもしれませんが、スタッドレスタイヤとまでいかなくてもタイヤチェーンだけは備えておきましょう。スタッドレスタイヤと違ってその都度、脱着しなければならない手間はありますが、慣れれば10分もあれば装着できます。また、スタッドレスタイヤでも勾配のきつい場所ではスタックするそうで、夏用タイヤ、スタッドレスタイヤ関係なくタイヤチェーンは用意しておくのがいいようです。


▲職員の方に聞いたら夏用タイヤにチェーンでも滑り止めの措置として認められるそうです

数日前まで首都圏が雪で大混乱というニュースを目にしていたため、チェーン規制も覚悟していましたが、幸い全日程天候に恵まれました。ただ、路面が真っ白になるほどの融雪剤がまかれていたため、後日下回りも含めて念入りに洗車したのはいうまでもありません。この時期は高速道路を長距離走行した際はすぐに下回りも含めて洗車することをお勧めします。

新東名の走りやすさは安全性の向上にもつながる






この日は羽田空港ビル内にあるスロットカーのコースと秋葉原に寄り道してから宿に向かいました。東京に来るのも約10年ぶりです。さすがに寄る年波で首都高を走るのは堪えましたが、新東名を使って上京したのは正解だったと感じました。スピードレンジは高い物のRやアップダウンは緩く、道幅も広いため走りやすく、思ったより疲労感は少なく感じました。また、サービスエリアの駐車スペースもあえて通路を狭く複雑にして、一方向にしか進むことのできない構造は、逆走対策にはかなり有効でしょう。一日も早い新東名の全線開通を望むと同時に、自動車事故の対策には自動車の安全基準やドライバーの啓発だけに依存するのではなく、道路の構造や運用そのものを見なおすということがもっと重要視されてもいいと思います。

[ライター・カメラ/鈴木修一郎]

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