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コラム

更新2019.02.26

わたしは21世紀のカセットコンロがきっかけで「輸入中古車評論家」の看板を下ろした

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伊達軍曹

わたしは以前「輸入中古車評論家」を名乗り、基本的には古めのクルマすなわち絶版車を愛好する生活を送っていた。

だが近年は、手持ちの絶版車をアッサリ売り払ったうえで新車を購入。そして「新車のレポート」みたいな仕事も、恥ずかしげもなく受注している。

きっかけのひとつはカセットコンロだった。

21世紀のカセットコンロは、前世紀のそれとは次元が違った




カセットコンロの「本体」というのは、そうそう壊れるものではない。消耗品であるカセットボンベはもちろんひんぱんに購入していたが、コンロ本体については20年以上前の品をしぶとく使い続けていた。なぜならば、ぜんぜん壊れなかったからである。

しかし壊れないとはいえ20年もたつと、さすがにビジュアル的にかなり貧乏くさくなってくる。そのためわたしは一念発起し、カセットコンロ本体の刷新計画を立案。そして立案とほぼ同時に、最新型コンロの購入も果たした。

で、驚いた。

なんなんだ、この強烈な火力は。

わたしが知っているカセットコンロ(20年以上前のやつ)といえば、その火力は最大に調整したところでややショボいものだった。そのため一般的な調理(ゼロから作り上げるもの)にはさほど役に立たず、主には鍋料理などの再加熱においてのみ有効なギアだった。

だが2010年代後半のテクノロジーを用いて作られたカセットコンロは、まるで違った。

強力な炎がボーボー燃え盛るウルトラスーパーファイアー状態であるため、調理済み食品の再加熱だけでなく「ゼロベースからパラパラ炒飯を作り上げる」ことなども十分に可能なのだ。

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自動車もまた、カセットコンロ以上の進化を遂げている




わたしは、20世紀のカセットコンロのことしか知らないまま、「しょせんはカセットコンロなんて使い物にならんシロモノだよ。男はやっぱ台所のガスコンロでビシッと強火調理だろ!」などとうそぶいていた自分を恥じた。21世紀のことを知ろうともしないまま、偉そうな講釈をたれていた自分の頬を殴りつけた。

そして、その足で新車ディーラーへ向かった……というのは話をちょっと盛っているが、おおむねの事実はそれに近い。

すなわち「たぶん、クルマにおいてもそうなんだろうな」と予感したのだ。

予感は正しかった。わたしがそれを予感したのは2017年のことだったが、2017年製の各種自動車は、わたしが脳内でぼんやり想像していた以上に素晴らしかった。

まぁ「素晴らしかった」といってもモノによる話で、ダメなクルマは最新型であってもぜんぜんダメなのだが、素晴らしいクルマはとてつもなく素晴らしかった。かつての常識が通用しないほどの進化が、そこにはあったのだ。



そんなこんなの事情により、わたしは「輸入中古車評論家」との看板を(脳内にある)自社ビルから外した。そして代わりにシンプルな「自動車ライター」との看板を掲げた。

「中古車派」から「新車派」へと転んだ(転向した)わけではない。相変わらず中古車というか絶版車も大好きだ。ただ「新世代のクルマのことを積極的に知ろうとしないまま、いたずらに絶版車だけにこだわる」という愚をやめたのだ。

新技術を体感したうえで「だがあえて絶版車を選ぶ」という姿勢




以上はわたし個人の失敗談である。まるで自慢にもならないしくじり話の一端だ。

だがこれをお読みの諸兄のなかにも、もしかしたら以前のわたしと似た状況の人がいらっしゃる可能性はある。つまり「知りもしないまま新しいモノを否定し、古いモノだけに必要以上にこだわる」という愚を犯している人もいるのでは? という話である。

もちろん賢明なるCLCARS読者諸兄におかれては、そういった人の数は少ないと確信している。

だが、もしも思い当たるフシがある場合は――すみやかに近隣のディーラーなどに行き、2019年型の人気モデルも試乗してみることをおすすめしたい。

そしてそのうえで、「やはり私は絶版車のほうが好きだね。新しい世代のクルマなんて要らんわ」と確信するのであれば、もちろんわたしに異存などあろうはずがない。

[ライター/伊達軍曹]

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