自動車の母!岐阜かかみがはら航空宇宙博物館で探る「飛行機と自動車の縁」

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筆者の住む愛知県周辺は自動車産業の街であることは周知の事実かとは思いますが、実は自動車だけでなく航空機や鉄道、造船と輸送機器産業の街でもあります。よく名古屋には観光産業がないとはいいますが、こう見えて乗り物に関する見学施設はとても充実しているのです。

自動車ではトヨタ関連博物館で、岡崎にある三菱オートギャラリー(要予約)、鉄道ではリニア鉄道館、レトロでんしゃ館、船舶では名古屋海洋博物館と南極観測船ふじ、航空機では岐阜かかみがはら航空宇宙博物館とあいち航空ミュージアムが挙げられます。とくに飛行機にいたっては古くは三菱の零戦、戦後は国産初の旅客機YS-11。最近ではMRJ、米国法人の開発ではありますが、ホンダジェットもある意味では元浜松発祥の企業の航空機、というということになるかもしれません。

乗り物が好きな人には見どころがたくさんあるのではないでしょうか?クルマ好きであるCLカーズ読者の皆様の中には、実はクルマ以外にも飛行機や船舶が好きな方というのもおられるのではないでしょうか?ちなみに筆者の友人には昔から鉄道マニアが多かったりします。今回は、自動車から志向を変えてこの春、リニューアルしたばかりの岐阜かかみがはら航空宇宙博物館に行ってきました。

自動車と飛行機の歴史の「縁」

自動車の歴史にも造詣の深いCLカーズ読者の皆様であれば、自動車と航空機の開発史には密接な関係がある事は周知の事実でしょう。空力、モノコック、軽量化、過給機、最近ではバイワイヤ技術などは航空機技術から転用された物が多く、自動車メーカーにもスバルやBMW、サーブなど航空機関連メーカーから自動車メーカーに転業もしくは事業展開した企業も存在するのです。

とくにロールスロイスにいたっては現在、自動車部門はBMW資本になってしまいましたが、航空機エンジンメーカーとしてのロールスロイスホールディングスは世界2位を誇ります。現在もイギリス資本の企業として健在で、航空機では逆にBMWをロールスロイス社が買収し、「ロールスロイスドイツ」として、BMWをロールスロイスホールディングスのドイツ法人にしてしまう、という非常に複雑な資本関係になっているのです。

日本でも戦後に航空機の製造が禁止された一方で、その高い技術力から自動車関連企業に転業、もしくは自動車関連企業に移籍したエンジニアが多いです。前述のスバルは有名ですが、トヨタ自動車の創始者豊田喜一郎は終戦直後から自動車製造の再開を見越して「今のうちに優秀な航空機技術者を確保するように」と指示しています。そうして抜擢された1人がトヨタスポーツ800、カローラ、セリカ、ソアラを開発した立川飛行機出身の長谷川龍雄です。

そうした例は他にもあります。楽器メーカーのヤマハが発動機製造とモーターサイクルに進出したのも、木工技術を見込まれてプロペラ製造を委託され、貸し出されたテスト用エンジンを整備しているうちに自前でエンジン製造を手掛けるたのがきっかけです。また、トラックの架装やリフト式立体駐車場を手掛けている新明和工業の前身は二式飛行艇や紫電で有名な川西航空機で、その後YS-11の開発を経て現在も飛行艇US-2を製造しています。

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館

実は筆者はクルマ以外の乗り物はマニアというほどの興味はないのですが、多かれ少なかれ自動車とは技術的にも歴史的にも縁のある飛行機は一応おさえておこうと、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館に行ってきました。

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この記事の筆者:鈴木 修一郎

愛知県名古屋市在住。幼少期より自動車が好きで、物心着く前から関心の対象はニューモデルよりもクラシ...