アイキャッチ画像
カーゼニ

更新2018.05.01

中古車購入時の「走行距離」ほどアテにならないものはないと思わないか?

ライター画像

伊達軍曹

筆者のように長らく中古車のリアルな取材を続けている者にとっては今さらな話だが、中古車のスペック、特に「走行距離」ほどアテにならないものはない……ということを、本日もまた痛感してしまった。

走行2.7万kmなのにここまでヤレてるとは……




決してその販売店やブランドを批判したいわけではないため、すべての具体的な名称は秘し、スペックも仮のものとするが、以下の条件をパッと見て、貴殿はどう感じるだろうか?

・販売店:某有名高級輸入ブランドの正規ディーラー
・種別:認定中古車
・年式:2014年式
・走行距離:2.7万km
・車両本体価格:約300万円

……普通に思うのが「ふーん、良さげじゃん。知らんけど」ということだろう。正規ディーラーが認定中古車として販売している、まだまだ走行2万km台の、せいぜい3年ちょい落ちの一台。筆者としても、このスペックを見ればそういう反応を示すだろう(というか、だからこそ取材に行ったわけだが)。

が、現場で対面した現車は無残なものだった。

や、「無残」というのはちょっっと言い過ぎだろう。レザーシートのコンディションとかは割と良かったし、車内に変なニオイもなかったし。

だがモール類は白サビにおおわれており、ちょいと試乗した限りにおいては、走行中の「しっかり感」みたいなものも、ドイツ製の高級車としてはやや落第であった。

もちろん、さすがにド田舎のダメ中古車店が販売している激安ドイツ車のような「完全落第」ではない。それなりにしっかりはしていた。しかし高級ブランドとしては、そしてその認定中古車としては、「微妙に落第」と評さざるを得ないレベルだったのだ。

外車王バナー外車王バナー旧車王バナー旧車王バナー

クルマのコンディションは「扱われ方」で大きく変わる




今どきは走行距離の改ざんをする業者も少なく、ましてや正規ディーラーの認定中古車であるゆえ、この個体の「2.7万km」というのは99.999%の確率で実走距離なのだろう。

……いったいどうすれば、たったの2.7万kmでクルマをここまでヤレさせることができるのだろうか?

まぁたぶんというか十中八九、前オーナーは以下のような扱い方をしていたはずだ。

・野ざらし駐車
・それだけならまだいいが(筆者のスバルXVだって野ざらし駐車だ)、ボディが死ぬほど汚れても洗車や手入れ、降雨後のケアなどはほとんどしない。
・乱暴な運転、乱暴な扱い
・最低限か、下手すりゃそれ以下の点検頻度

そんな感じだったはずだ。

そしてどうせ中古車を買うのであれば、上記とは「真逆」の一台を探し出したいものである。例えばこんな扱われ方だ。

・屋根付き駐車場にて保管
・そうでなければカーカバー(いわゆるボディカバー)をかけて保管
・カバーは使わずとも、ボディの汚れや降雨後のケアに熱心
・丁寧な運転、各部の丁寧な取り扱い
・「ちょっと神経質すぎでしょ(笑)」ぐらいの点検・整備頻度

もしもこのような一台であるならば、スペック上の走行距離にさほどこだわる必要はない。まぁ走行少なめであるに越したことはないのだが(超絶走らなすぎのクルマもまた別の問題があるわけだが)、3年落ちで5万kmとか、5年落ちで7万kmとかでもぜんぜんOKであるはずだ。

走行距離だけを見るのではなく「神経質なマニア」の痕跡を探せ?




では、どうすればそんな感じの一台を探し出せるかといえば……なかなか難しい問題ではあるのだが、筆者としては「前オーナーが神経質なクルママニアだった一台を探せ!」という方向性を提唱したい。

神経質なクルママニア。それは、個人的には苦手な人種である。何かというとファミレスで男同士、クルマのうんちくを熱く語りたがり、重箱の隅的な見解を大切にしすぎ、サスペンションのロワアームが大好き。正直申し上げて友人にはなりたくなタイプである。

だがそんな彼らも「自分が買う中古車の前オーナー」としては超絶理想的な存在だ。

屋根付き駐車場を借りているまたは所有しているかはケース・バイ・ケースだが、野外駐車場保管であったとしても各種ボディケアに抜かりはなく、当然ながら車内でタバコを吸ったりスナック菓子を食べたり鼻クソをフロアに投げ捨てることもなく、定期点検は当然として、ちょっと気になることがあれば即座に工場へ持っていくか、もしくは自分であれこれメンテナンスする。そしてもちろん、日頃のクルマ扱いは、女性の華奢な肉体を敬い、大切にするかのようにジェントル。



ほんと、理想的な前オーナー像である。

しかし、どうすればそういった前オーナーが手放した個体を探し出すことができるのだろうか?

根本的な結論としては「記録簿の記載内容を含むそのクルマの全体像から、全力でプロファイリングするしかない」ということになるわけだが、それに加えて筆者が重視しているのが以下のポイントだ。

・スペアキーがあること
・細かい社外品までを含むモロモロの「取説」がキレイに保管されていること
・法定点検以外のイレギュラーな整備の見積書や領収書が、ビシっとファイリングされていること

もちろん絶対ではないが、全体としてその個体がかなりの好印象であることに加え、上記3点がコンプリートされている場合、前オーナーが「神経質なクルママニア」であった可能性は非常に高い。

そんな一台と巡り合うことができれば、あなたの中古車購入における「大勝利の確率」は飛躍的に向上することだろう。

※本日取材した個体やお店の写真を載せるのもアレですので、今回掲載した画像はすべて筆者伊達が過去に購入した私物の中古車です。

[ライター/伊達軍曹]

外車王SOKENは輸入車買取20年以上の外車王が運営しています

外車王SOKENは輸入車買取20年以上の外車王が運営しています
輸入車に特化して20年以上のノウハウがあり、輸入車の年間査定申込数20,000件以上と実績も豊富で、多くの輸入車オーナーに選ばれています!最短当日、無料で専門スタッフが出張査定にお伺いします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。