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カーゼニ

更新2016.11.21

運転免許証を自主返納するまでに、カーキチ人生を充実させる貯金法とは?

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伊達軍曹

近ごろ悪い意味で話題の、高齢ドライバーによる自動車事故の多発。夕食をもぐもぐ食いながら関連するTVニュースを見ていると、街を行く高齢者の方々へのインタビューが始まった。それに答える人らの回答は――恣意的に編集されたものなのかもしれないが――主には「70代後半になったら免許は返納しますよ、危ないから」というものであった。

よく考えれば自分だって免許返納の時期は意外と近い?


「まあ当然だろうな」と、わたしはマグロの山かけをもぐもぐ食いながら思った。認知機能や運動機能が極度に衰えた者が運転するクルマとは、もはや凶器にほかならない。本人はいろいろ辛かろうが、そういった危険物は社会から排除せざるを得ないのだ。

しかし、そこでわたしはハタと思い出した。「……そういえばオレだって、あとちょっとで70代後半じゃんか!!!」と。



もちろん「あとちょっとで」というのはやや大げさで、わたくしの場合実際は、70代後半に至るまでにはあと30年ある。しかし光陰矢の如しっつー言葉もあるとおり、30年なんてのはあっという間だ。特に中高年にとってはそうだ。小学生時代の1学期=約3カ月はほぼ永遠のようにも感じられたものだが、おっさんになってからは「3年」がだいたい3カ月ぐらいのスピード感である。そしてそのスピード感は、年を追うごとにペースを上げ続けている。

以上の体感から帰納的に考えれば、わたしが70代後半となり、世田谷警察署かどこかへ運転免許証の自主返納に行く日は「割とすぐ先のこと」なのである。

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残り短い(?)カーキチ人生で何を買うべきか?


となると当然のように脳裏に浮かぶのは、「……果たして自分はあと何台のクルマを買えるのだろうか? ていうか残りわずかな期間のなかで、自分は何を買うべきなのだろうか?」ということだ。

欲しいクルマ、一度は所有してみたいクルマは様々あるが、「これを買わずしてドライバー人生を引退したら、自分は死ぬほど後悔するだろう」と常々考えているのは以下のラインナップである。

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■ポルシェ911(タイプ964。良質フルノーマル5MT)
■その時々の最新ポルシェ911(まぁ最良のポルシェは最新のポルシェといいますし)
■その時々の最新BMW3シリーズツーリング(最高の実用車であると思う)
■MGBまたはMGミジェット(レストア済みのやつ)
■その時々の最新のステキな小型車(移動用。今だったら現行トゥインゴか)

あと、新規に買うわけではないが「現在所有しているNAロードスターを超絶完璧ビカビカに仕上げる」というのも、わたくしの目標の一つである。

以上ランダムに挙げた「理想の自家用車ラインナップ」を整理しビジュアライズすると、以下のような光景となるはずだ。

「世田谷かどこかのちょっとはずれに建つ、広大な庭の一軒家。家屋とは別に建てられた6台収容可能なガレージには、手前に、普段乗る用の現行トゥインゴ(本当の普段用)と現行BMW3シリーズツーリング(ちょっとカッコつけたい時または遠くに行く時用)がある。そしてその奥には新旧ポルシェ911が並び、さらに奥にはMGミジェットと、何年も前から手を入れ続けている98年式のNA8Cロードスターがたたずんでいる」

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……最高である。言うことなしである。

実際の目標は「3台体制」の確立。だがその経費はどうする?


まぁ本当にこんなライフスタイルを実現させるとなると10億円ぐらいの金融資産は軽く必要になるので、実際はなかなか難しいだろう。現実的な落とし所としては「常に3台体制をキープし、そのときどきで『普段乗り用+愛でる用+何かしらのオープンカー』からなるフリートを構成する」という感じだろうか。これでもまあまあ十分ステキではあるはずだ。

しかし問題はゼニである。

仮に「普段乗り用」をその時々の現行3シリーズツーリング(約600万円)とし、「愛でる用」をポルシェ911のタイプ964(約800万円)、「何かしらのオープンカー」をMGB(約200万円)とするならば、車両購入費だけでもおおむね1600万円。そこに税金やら修繕費やら何やらを加えて考えれば、ざっと2000万円の予算は必要となる。

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しかしあいにくこちとらそんなカネはないわけである。いやまったくないこともないが、クルマという道楽だけに2000万円も投じるわけにはいかないのが、ニッポンの中流ど真ん中を自負する筆者の経済的実情だ。しかし、上記のようなカーライフを送らないまま70代後半になって免許を自主返納するハメになったら、後悔のあまり死後、カーグラ編集部かどこかに化けて出てしまいそうである。

ここはひとつゼニを作るしかない。何らかの手段を講じて必要な予算を蓄え、ドリームズをカム・トゥルーさせるのだ。

しかし今さら高給取りで有名な外資系投資銀行に転職することもできないし、世の中のライター原稿料相場が奇跡的に4倍増になるとも考えにくい。そして自分には残念ながら何らかの商売で当てる才覚もはない。

さてどうしたものか……と思い悩んでいたときに出会ったのが、1冊の書物(というか実際はKindleの電子書籍)、本多静六先生の筆による『私の財産告白』(実業之日本社)であった。

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「軍曹式十分の一貯金法」で問題は(たぶん)解決する!


この本は最近、週刊モーニングで連載中の人気マンガ『インベスターZ』(三田紀房著)でも取り上げられたためご存じの方も多いと思うが、本多氏は慶応2年(1866年)生まれの学者。苦学のすえ東京山林学校を首席で卒業し、その後ミュンヘン大学への留学を経て東京農科大学(現在の東大農学部)に奉職。そして独自の「本多式貯金法」により、一介の大学教員でありながら現在の貨幣価値でいう100億円以上の財を成したという超絶偉人である。ついでに言えばその文体も、いかにも江戸時代生まれの硬派インテリが書く文章という感じで格調が高く、わたしは大好きである。

で、その「本多式貯金法」というのはいろいろあるのだが、核となるのは「本多式四分の一天引き貯金法」だ。これはつまり、大学教員として毎月入ってくる給金の1/4を最初から「なかったもの」として問答無用で貯金し、残る3/4でなんとか生活する……というものである。後年の本多先生は教授となってそれなりの給金を得ていただろうが、若き日の薄給助教時代から、先生はこれを断固行ったのである。

で、その結果貯まったカネを堅実な投資に回して増やし、そしてそれでも「四分の一天引き貯金法」を地道に延々と続け、気がつけば「100億円の男」となっていたのである。

これだ、これしかない! と思った自分は、さっそく本多式四分の一天引き貯金法をパクって開始した……と言いたいところだが、さすがに給金(原稿料)の1/4はツラいので、先生には申し訳ないが毎月の収入の1/10を問答無用でなかったことにするという「軍曹式十分の一貯金法」をスタートさせた。

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まあたった1/10なので、しかもそもそもショボい原稿料生活なので、まだ大した結果にはなっていない。しかしチリも積もればなんとやらで、軍曹式貯金法は今のところ快調である。開始わずか数カ月であり、やることと言えば月末に「忍びがたきを忍び……」という感じでギャラの1/10を普段使っていない長財布にそっと入れるだけなのだが、気がつけば今、ウン十万円単位のカネがわたくしの机引き出しには入っている(泥棒さんはぜひ来ないでください)。本多先生のような「100億円」に達するだけの器量は絶対にないわたくしだが、上記の「ちょっとした3台生活」ぐらいは、免許を自主返納するまでにはなんとか達成できなくもない気配だ。

ということでこの「軍曹式十分の一貯金法」は、後悔したまま死んで化けて出てきたくないすべての中年庶民派カーガイに、強くオススメするものである。やってみると、意外と大変でもないですよ。1/10程度であれば。

[ライター/伊達軍曹]

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