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カーゼニ

更新2017.04.17

横断歩道の近くでの徐行、100台中30台しか遵守していないのでは?

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伊達軍曹

写真下の、何やら菱餅のような形の道路表示。これが何を意味するものかという質問は、賢明なるカレントライフ読者諸兄に対してはまさに愚問であろう。ご存じのとおり「横断歩道又は自転車横断帯あり」である。

横断歩道又は自転車横断帯あり

道路交通法第38条によれば、「横断歩道の近くでは、横断しようとする歩行者または自転車が明らかにいない場合以外は徐行しろよ。そんで横断しようとしてる場合は、横断歩道の手前で一時停止しろよな」という義務が我々ドライバーには課せられている。

で、表示番号210番は「すぐ先に横断歩道がありますよ」と教えてくれているわけなのだが、この道交法第38条を遵守しているドライバーの数はけっこう少ないのではないか…というのが不肖わたくしの印象だ。

私見では100台中30台しか第38条を遵守していない


自分は日頃歩行者として町を歩く際は第38条を根拠に、信号機のない横断歩道においてはたとえ向こうから四輪車がブロロロンと走ってきていても、さほど気にすることなく、なるべくズバッと横断歩道を横断するようにしている。なぜならば一時停止すべきはわたくしではなく相手方、つまりは四輪車の運転手だからである。

だがしかし、横断歩道を渡ろうとしているわたしを視認してスムーズに減速および一時停止する運転手の割合は、そうさね、100台中30台といったところだろうか。

残りの60台は「なんだよ歩行者、渡んのかよ! 邪魔だな!」というニュアンスで比較的急な停止を行う。そしてさらに残る10台は、清水和夫先生のダブルレーンチェンジテストも真っ青な勢いでわたくしをよけつつ、止まらずに激走していく。

ジャガーXJ8

なかでもひどいのになると、ダブルレーンチェンジでわたしをかわしつつ、こちらにいわゆるガンをつけ、加えてホーンも鳴らしていくうつけ者もいる。……つーか品川ナンバーのジャガーXJ8に乗って、碑文谷のサークルKんとこでオレを轢きそうになった、60代ぐらいのおっさんであるお前のことだよ! オレは忘れねえからなテメーコノヤロー!

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身を挺して啓蒙活動を続ける筆者だが、やはり限界も


……という感じで、信号機のない横断歩道近くにおける法令遵守の啓蒙活動活動に、日々励んでいるわたくしである。そう、不肖わたくしが信号機のない横断歩道をズバッと渡ろうとしているのは、自殺願望があるとか、自分の身体はもしかしたら自動車の鋼よりも固いんじゃね? とか考えているわけではもちろんない。

そうではなく、「うわっ、あぶね! なんだあのおっさん飛び出してきやがって……って、よく考えたら横断歩道あったな。で、教習所で習ったところによれば、確かああいった場合はオレが止まんなくちゃいけないんだよな。やばいやばい、くわばらテリブル。次からは気をつけよっと……」と、ひとりでも多くのドライバーに思ってもらうための真面目な啓蒙活動であり、PR活動なのである。

しかし最近、この啓蒙活動にも少々の限界を感じている。

いつまでたっても活動の成果が社会的に見られないということと、もう一つはざっくり言って「わたしが死亡・滅亡する危険性が極めて高いから」である。



先ほど見たとおり9割方の運転手は、仮に不本意であったとしても、わたしが横断歩道を渡ろうとすれば停止してくれる。しかし残る1割の運転手はまったく止まらないわけで、そしてなかにはジャガーXJ8のおっさんのような超うつけもいる。

となると、1週間にざっと50台のクルマとそういったシチュエーションで遭遇するとして、うち5台はダブルレーンチェンジ系で、さらにそのなかの1台か2台はジャガーXJ8のおっさんのごとき超うつけな可能性もあるので、普通に考えてわたしが轢かれて滅亡する可能性はかなり高いのである。それを、いつまでもやっているわけにはいかないのだ。

警察は第38条がらみの取り締まりをもっと行ってほしいが


ならば今後どうすれば良いかというと……まず頼るべきは「官」であろう。いわゆるひとつの交通警察に本気を出していただき、信号機のない横断歩道付近での監視および取り締まりを厳にしていただく。さすれば、点数と反則金を惜しむうつけは道交法第38条を、渋々ながらも遵守するようになっていくだろう。

が、実際にはそのような取り締まりの現場をわたしは見たことがない。や、2回だけあるか。1回は数カ月前、都内のどこかでその種の取り締まりを目撃した。もう1回は……どこだったっけ? あ、思い出した。テレビの『交通警察24時!』みたいな番組で、どこかの県警の白バイ警官がやってたんだ。生で見たわけではありませんでした、すみません。



それはさておき、官にはもう少し本腰を入れてこの問題に取り組んでいただきたいと思うわけだが、まぁ官にも官の都合があるのだろう。限られた予算、限られた人員で死ぬほどいろいろなことをやらねばならん交通警察に対して、わたしは「なっとらん! ふざけんなテメーコノヤロー!」と言う気にはあまりなれない。

となれば、ここはひとつ民間の力で問題を解決せんければならないわけだが、まぁ道路交通という公のモノに関するアレだけに、完全な民間主導というのも難しいだろう。現実的には半官半民で何らかの第三セクターを立ち上げ、そこと官との協同によってアレするのが、おそらくは最善であるはずだ。

で、不肖わたくしが考えたこの問題の解決策は「第三セクター方式による“交通決死隊”の結成」である。

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半官半民の決死隊が世のうつけ者を根絶させる!?


テレビCMや冊子の配布などによる通常の啓蒙活動で道交法第38条を遵守するドライバーが増えるなら、それに越したことはない。しかし本邦の現状を見るに、それはどうやら怪しい。人はやっぱり「くわっ! ヤバッ! 死ぬ! 殺す!」と心の底からヒヤリとするか、もしくは実際に自動車運転過失致死傷罪などを犯して人様をぶち殺してしまわない限り、なかなか学べない残念な生き物なのである。

かといってこれまでのわたくしのように、いち私人の立場で決死の啓蒙活動を展開しても、いずれはむなしく轢き殺されるだけであろう。

そこで、半官半民の決死隊を結成するのだ。

決死隊の名称は何でもいいのだが、道交法第38条にちなんで「一般社団法人38(サーティエイト)スペシャル」で良いのではないかと思う。で、38スペシャルの現場担当スタッフに見事選任された民草は、信号機のない横断歩道に四輪車ないしは二輪車が近づいてくるのを目視した際は、ためらうことなくズバッと横断歩道の横断を試みる。

これにより、本当に多数のドライバーが「ぐわっ! ヤバッ! 殺す!」と心の底からヒヤリとすることだろう。そしてときおりは、遺憾ながら本当に殺してしまうことだろう。痛ましいことではあるが、そういった尊い犠牲の上にこそ、人類社会の恒久平和は実現するのである。エイメン。

横断歩道

では肝心の一般社団法人38スペシャルの現場スタッフ、つまりは死と隣り合わせとなる人員は、どのように選任すれば良いのか?

……難しい問題だが、わたしは「志願制」でなんとかイケるのではないかと考えている。この世の中には、残念なことではあるが「死にたい」と思っている人が多数いる。死にたいと思うだけならある意味ご勝手だが、なかには「秋葉原とかでなるべくたくさんの人を殺して、その後自分も死にたい」という、はた迷惑な願望を抱いている者もいる。

そういった者らに、立派な死に場所を与えてあげること。それが一般社団法人38スペシャルの、図らずももう一つのミッションとなるのかもしれない。

不肖わたくしも、今のところ「のうのうと長生きしたい」と考えているが、人生いつ何時、何が起こるかわからない。もしも自分が今後失意のどん底に沈み、「これはもう死ぬしかないな、たはは……」と心の底から思ったならば、一般社団法人38スペシャルの現場スタッフに志願し、少々の給金をいただきながら、ニッポンの交通安全のため獅子奮迅の活躍をしてこます所存だ。その際には皆さん、どうぞよろしくお願い申し上げます。敬具。

[ライター/伊達軍曹]

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