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カーゼニ

更新2017.05.17

故障とのいたちごっこが続く…?中古マセラティを買うのも考え方次第で怖くない

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伊達軍曹

「秋深し 隣は何を する人ぞ それにつけても金のほしさよ」
「寒月や 暦の上でもディッセンバー それにつけても金のほしさよ」

日々そのような戯言を独りつぶやきつつ、自動車について、そしてカネについて考え続けている不肖筆者である。なぜならば、自動車趣味を貫徹するにはどうしたってある程度のゼニが必要であり、また基本的にはゼニがあればあるほど、自動車趣味人生は充実するからである。ということで、どっかに500円玉でも落ちてねえかな……。

50万円もの修理費が必ず(?)かかる中古マセラティだが


しかし最近、「実はさほどのゼニは必要ないのかもしれぬな」とも思うようになった。

きっかけは過日、01年式マセラティ3200GTの取材をしたことである。


photo by Alexandre Prévot[CC-BY-SA-2.0] (Wikimedia Commons)

マセラティ。いわずと知れたイタリー国の名門だが、名門であると同時に、自動車ファン的には魔宮というか魔窟でもあるような気もしてならない。一度その門をくぐったが最後、故障との果てしないいたちごっこに追われるという……。

まぁ自分はマセラティ(とアメ車)はこれまで所有したことがないので、イメージでモノを言ってるに過ぎないが、「中古マセラティ=魔窟」というのはある程度の真実だろうとは思う。事実、その販売店の方も「つまらないマイナートラブルが多い以外はさほど壊れやすいというわけでもありませんが、スロットルボディだけは99%の確率で壊れます。そしてその交換費用は約50万円です」と言っていた。

50万円……。うまい棒5万本が買え、もしくは東急ストアで8.3カ月分の夕食用食材が買い物できてしまう金額である(2000円/日で計算)。それが99%の確率で身に降り掛かってくるとは、筆者のような庶民にとってはなかなかの重大事だ。やはり中古マセラティ恐るべし、である。

「だがしかし……」とわたしは考えた。

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「修理費コミ」で考えても実はぜんぜん格安じゃないか!


そのマセラティ3200GTは、車に詳しくない人が見れば「このクルマ1000万円ぐらいするんですか?」「持ち主は芸能人ですか?」とか言いそうなオーラがあり、ある程度は詳しい筆者から見ても「……500万円ぐらいの中古車じゃねえか?」と思える存在感があった。そして金額ウンヌンは別にして純粋なクルマ好き的観点から見ても、大変に魅力的な1台であった。特に内装とエンジンのニュアンスはウルトラ最高だ。


photo by Magnus Bäck (Wikimedia Commons)

だが、実際の中古車価格は240万円に過ぎなかった。決して楽勝というわけでもないが、わたしのような貧乏フリーランサーであってもフツーに払える金額ではある。そしてそこに前述のスロットルボディ代50万円を足したとしても、まだ290万円なのだ。考えてみれば、それでもある意味ぜんぜん激安ではないか。

購入後しばらくたってから「どこそこが壊れました。修理代見積りは50万円です」と言われると軽く死にたくなるが、その50万円を、最初から「絶対にかかる必要経費」としてコミコミで考えておけば、金銭的にも精神的にもどうってことはないということを筆者は悟ったのだ。そして、もしも1%の確率で幸運にもスロットルボディが壊れなかったとしたら、見込んでいた50万円は気分的に丸儲けである。

アルファのセレスピード修理代だって最初から見込んでおけばいい


このように考えてみた結果、中古マセラティに対するいわゆる恐怖感のようなものは雲散霧消した。例えば巷間言われるアルファロメオ147の「セレスピード」の故障問題にしたって、「壊れた場合の修理修理が20万円」と考えるから陰鬱な気分になるのであって、価格はすべて一例だが「そもそも(車両)38万円+(セレ修理代)20万円で計58万円のクルマなのだ」と無理やり考えておけば、「あぁ、こんなにも安い予算でこんなにステキなハッチバックに乗れるなんて、僕ぁなんて幸せなんだ!」という多幸感にひたるばかりの毎日となるだろう。

問題は、この考え方がスムーズに適用できるのは「比較的安めの中古車」だけであって、「最新世代のクソ高いモデル」を買うには、やっぱりある程度以上のゼニがないことには始まらない……ということだ。

しかしよく考えてみれば、わたしは「最新世代のクソ高いモデル」とか、別に欲しくない。そりゃ誰かがタダでくれるというなら喜んで頂戴するが、自分で買いたいとはさほど思っていない。決して負け惜しみではなく、本心からそう思っている。

だから、これでいいのだ。

[ライター/伊達軍曹]

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