ランボルギーニ、わたしにだって買える可能性はあるはずじゃないか! 

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過日、「比較的低価格」「比較的クラシカル」な輸入中古車を専門分野とする筆者にしてはめずらしく、ランボルギーニの正規ディーラーに仕事でお邪魔した。

自分は高年式ランボルギーニの中古車相場にはまったく詳しくないのだが、なんとなく「千数百万円なのではないか?」と思った。が、プライスボードを見ると「5,416,000円」とある。思いのほか安いではないか。これなら自分でも(無理すりゃ)買えるではないか……などと思いつつ車両に近寄ってみると、なんのことはない、乱視のためヒト桁見間違えていた。正しくは「54,160,000円」であった。

ランボオーナーは、なぜか必ず美女を連れている

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「アッチョンブリケ!」と短く叫びつつ、自分はそのランボルギーニのことを忘れようと努力した。が、同時にこのようにも思った。

「同じ人類が、わたしと同種のホモ・サピエンスが、このような価格のランボルギーニを実際に買っているのだ。ならばわたしにだって買える可能性はあるはずじゃないか! ホモ・サピエンス的に!」

そうして自分は欲望と上昇志向の炎をメラメラと燃やしながら、仕事(取材)そっちのけでランボルギーニの新車または認定中古車、あるいはそれに準ずるクオリティの高年式中古車を買うための算段を真剣に考えはじめた。

まずは孫子の「彼を知り 己を知れば 百戦殆うからず」という故事にのっとり、“彼”すなわち“ランボルギーニの新車とかを買ってる人”について知ることから始めた。

わたくしのこれまで20年間の観察によれば、まず第一に“彼”は、必ずといっていいほど「オンナ連れ」でランボルギーニディーラーに来店する。

それも、ただ単に「たまたま女性として生まれました」という人ではなく、ケバいというか色っぽいというか夜の蝶っぽいというか、とにかくそういったニュアンスの女性と連れ立ってやってくるのだ。で、その女性は最初、「わー、すご~い!」みたいな感じでディーラー内を見渡すが、そのうち興味を失い、ネイルやスマホ、昔だったらiモードとかをいじり始める。

ということで、ランボルギーニの購入を目指すわたくしとしてはまず初めにそういった女性と懇意になること、少なくとも「ディーラー行かへん? ランボの」と言ったらついて来てくれる程度には懇意になる必要があるだろう。

ランボオーナーはパッと見「職業不詳」である

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そして“彼”の第2の特徴として「何の仕事をしている人なのか、見た目からはサッパリわからない」というのがある。

不動産会社のオーナー社長のようにも見えるし、そうではなく「ただたくさんの不動産を所有している大家さん」のようにも見える。しかしよくよく見れば、反社会的な何らかの組織に属しているような雰囲気もなくはなく、だがやっぱり善良なIPO長者または遺産で暮らしてらっしゃる人のような気もする。とにかく、わからない。

「たぶんだが町役場の人ではない」「とりあえず色が黒い」ということ以外は何もわからないのだ。具体的な職業の推測が不能。それが、“彼”の第2の特徴である。このあたりも、しっかりと計画に取り入れる必要があるだろう。

ということで自分はまず「ケバい美人」と懇意になることにした。といっても具体的にはどこに行けば懇意になれるのかわからなかったので、とりあえず夜、渋谷のクラブに行ってみた。綺麗な女性が横に座ってくれるクラブではなく、「ラ」のところにアクセントが付く、踊るほうのアレである。

美女と懇意になる計画、あえなく失敗セリ

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自分は80年代のデスコや70年代のゴーゴーしか知らぬ人間だが、まぁ暗い箱のなかに照明と音楽と酒があって、そこで男女が流行歌にのって踊り、ときにラブアフェアが生まれたり生まれなかったりするという意味では、デスコもゴーゴーもクラブも大差なかろう……と判断し、わたしは自慢のステップを華麗に刻みつつ、なるべくランボルギーニっぽい美女に声をかけ続けた。「ヘイ彼女! オイラと踊らない?」と。

30分後。わたしは独り、渋谷・円山町の坂道を歩いていた。どうやら昨今のクラブでは統一的な「ステップ」は不要であり、また「ヘイ彼女!」という声のかけ方もしないようであった。それを知らずにクイクイとセクシーな腰つきでもってアーリー80’sなステップを刻み続けたわたくしは、嘲笑され、それでもやめないのでしまいには怒りはじめた男の若衆らにより、クラブから叩き出されたのだった。

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この記事の筆者:伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めた...